「児童の教育と支援」編集記 編著者:塚原拓馬先生
今回取り上げる著書は、2018年10月に東進堂から出版された書籍です。
なお、本書の紹介と当館所蔵情報を当ページ末に置きましたのでご参考にどうぞ。
本書の編集方針
本書は、現代の変わりゆく社会において、児童の取り巻く生活環境や教育の在り方について見つめ直すという趣旨により執筆されました。例えば、児童虐待、教育格差といった児童の健全な発育に影響を与える現象や、英語教育の導入、道徳教育の教科化など新たな学習課程の取り組みなど、これまでの児童教育では捉えきれない変化が生じてきています。
そこで、本書では「児童の教育と支援」について、特に「知、徳、体」に関わる学びを軸にして編集しました。
また、本学生活科学部生活文化学科では、幼児保育専攻(幼小コース)の養成課程が2011年に開始して以来、8年が経ちました。そこで、本学科教員である田中正浩教授の監修により、児童教育の科目指導に関わる学科教員5名が中心となり執筆しました。
各章の執筆担当者と狙い
第1章では「学びをつなぐ」として児童を取り巻く現状について、幼保小の接続や小中の連携などについて解説しました(担当:井口眞美)。第2章では「学びと発達」として児童の学習認知と意欲について心理学的な知見を基に概説し、第5章では「学びを支える」として発達の諸問題と支援について解説しました(担当:塚原)。第3章では「学びを広げる」として特別活動のねらいと学習づくりを概説しました(担当:南雲成二)。第4章では「学びを活かす」としてからだづくりと運動指導や生きる力と保健指導について解説しました(担当:島崎あかね)。第6章では「学びを創造する」として総合的な学習について概説をしました(担当:渡辺敏)。
各章では、イラストや写真、図表も含んでできるだけ分かりやすく解説を試みました。また、本書の使用価値としては児童教育に関するスタンダードな教科書ではなく、副次的教材として児童教育と支援に関する領域の知見を深めていく(あるいは広げていく)機会を提供することを目的としています。
児童の教育と支援に求められるもの
時代が変化すれば、当然(人や)子どもの特性も変化し、その子どもを教育していく方法も変化していきます。しかし、一方では時代の「変化に関わらず」、教育として(あるいは教育者?教育法として)、通底している不易なこともあるかと思います。それを良く識別していく知恵を大事にしていくことが、これからの児童の教育と支援には求められているのかもしれません。機会がありましたら、御手に取って頂ければ著者一同、大変幸甚でございます。
書名: 児童の教育と支援 : 学びをみつめる |
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