竹内ゼミ 「消費行動と環境意識」の紹介
『女子目線』のデータサイエンス:「消費行動と環境意識」の紹介
※行動計量学ゼミ(竹内ゼミ)では、女子目線で気になった統計調査?統計データを読み取り、現代社会の動向?傾向を紹介していきます。
第 18 期生 廣瀬 萌奈
昨今、コンビニエンスストアでも「てまえどりをお願いします」などの記載を見ることがあります。そこで、「てまえどり」を実際にしている人はどれくらいいるのか気になりましたので、てまえどりや関連の消費行動に関する調査を紹介します。
今回、私はケイティケイ株式会社が運営する SDGs 情報メディア EARTH NOTE(アースノート)が実施、結果を公開されている「消費行動と環境意識」というテーマでのアンケート調査(出典は下記の参考文献を参照)を紹介します。本調査は 2023 年 7 月 11 日(木)に全国 47 都道府県の男女 500 人を対象にしたインターネットによる任意回答の調査です。今回は掲載されている調査結果のうち、特に気になった項目について紹介します。
「食品を購入する際、並んでいる商品を手前から取りますか」という質問に対しては、奥から取る人は 60%、手前から取る人は 40% となっていました。また手前から取ると回答した人の理由(複数回答、n = 254)では選択率として、「手に取りやすい」が 52%(132 人)と最も多く、次に「食品ロスを減らす」が 19.7%(50 人)、「賞味期限切れになるともったいない」が 15.0%(38 人)、「奥から取る理由がない」が 13.4%(34 人)となっていました。逆に奥から取ると回答した人の理由(複数回答、n = 400)では選択率として、「新鮮なものを選びたい」が 52.5%(210 人)と最も多く、次に「感染症など、他人が触れたものは不安」が 30.7%(123 人)、「ほこりが被って汚れていそう」が 12%(48 人)、「手前から取る理由がない」が 4.7%(19 人)、でした。
「食品を購入する際、賞味期限を確認しますか」という質問に対しては、「賞味期限を確認し、期限が遠い(期限までの日数がなるべく長い)ものを選ぶ」が 80%、「賞味期限を確認し、期限が近い(期限までの日数が短い)ものを選ぶ」が 11% となっていました。近い商品を選ぶ人の理由(複数回答、n = 65)では、選択率でみると、「廃棄になるともったいない」が 63.1%(41 人)と最も多く、次に「その方が合理的だから」が 21.5%(14 人)「そうするように教わったから」が 7.7%(5 人)、「期限が遠いものを選ぶ理由がない」が 7.7%(5 人)となっていました。遠い商品を選ぶ人の理由(複数回答、n = 524)としては選択率でみると、「期限までの日数が短いと食べきれない」が 61.5%(322 人)と最も多く、次に「新鮮なものを選びたい」が 31.1%(163 人)、「期限が近いものを選ぶ理由がない」が 4.4%(23 人)、「そうするように教わったから」が 3.1%(16 人)、となっていました。
今回の調査結果を踏まえ、「てまえどり」は消費者にあまり浸透されておらず、賞味期限から遠い商品を選ぶ人が多いことがわかりました。フードロスなどの問題があることからできるだけ手前から取った方が環境には良いですが、奥から取る人や賞味期限の遠い商品を買う人の理由を見てみると、一人暮らしだったり買い物に行く頻度が少ない人たちには難しいことだと分かります。「てまえどり」をするべき理由が正しく、より広まれば、浸透率も増えると考えます。
その他、調査の図表、詳細等につきましては下記の参考文献をご参照ください。
参考文献:
ケイティケイ株式会社(2023)EARTH NOTE 編集部、
【2023 最新】『てまえどり』していますか?消費行動と環境意識アンケート
https://www.yoridori.jp/earth-note/survey-consumer-behavior-2023/
(最終確認日:2023/11/17)