阿佐美ゼミ ASEANのミドルパワー、フィリピンを知ろう —人々が望む国の姿とは?—
ASEANのミドルパワー、フィリピンを知ろう —人々が望む国の姿とは?— by 異文化コミュニケーションゼミ(舞原グループ)
以前、アテネオ?デ?マニラ大学で日本研究学科長を務められ、現在は一橋大学大学院社会学研究科の客員教授でいらっしゃるカール?チャン先生をお招きし、フィリピンの最新情報を含めて諸々のお話を伺いました。経済成長率が6%を超え、発展著しく見えるフィリピンですが、その恩恵を皆が受けられているのでしょうか。格差は広がるばかりであるとの見解も耳にします。ちなみに先生は今、昭和のマンガにおける外国人の描写について本を著されているところだそうです。
これまでフィリピンと聞くと、バナナやパイナップルなどのフルーツや日本人にも大人気のセブ島のような自然豊かなイメージがありました。しかし、今回のご講演では急速に発達している街並みや人々の発展に対する強い意識などリアルな情報を聞くことが出来て、とても興味深かったです。一方で、国内での電気不足や地方での農業の担い手不足など発展に伴って生まれた問題も多くある事を知りました。理想と現実のギャップをどう埋めていくのか、今後の動きに注目していきたいと思います。(舞原)
フィリピンの社会問題についてカール先生に講義をしていただきましたが、貧困問題については驚きの連続でした。フィリピンの給料や所得税、更には川や海の上に住む人々の話などをお伺いしました。その中でも都会に住みたいと考える人々が、都会の川の上の家で暮らしていることが印象的でした。川の上の家の家賃は日本円でおよそ月々5000円ですが、普通に働いている人々の家が川の上の掘っ立て小屋のような代物であることに驚かされました。物価も年々上昇しているフィリピンでは、労働者の給与を上げたり、所得税を少しでも減らす対策をすべきだと考えました。フィリピンの現地に行かないと中々知ることができない貴重なお話を聞けて、とても勉強になりました。(中農)
フィリピンには以前訪れたことありますが、その時感じたのは、フィリピンは海洋資源のみならず、豊かな自然をふんだんに楽しめる国であることでした。ですが、一般にフィリピンの方々が自分の住む町に望むものは、自然などではなくビルやショッピングセンターが並ぶ街並みであることに驚きました。多くの人々が先進国へ出稼ぎに行き、先進国の街並みを自分たちの理想として憧れるというのは理解できますが、想像していませんでした。その国にいなくては分からない問題を学ぶことが出来てとても良い体験になりました。(金子)
フィリピンの今について教えていただき、都市部は高層ビルが立ち並んでいて夜景が非常に美しかったのが印象的でしたが、自然豊かなイメージを抱いていた私にとっては衝撃的でもありました。国の発展に伴う電気需要量の増加により、停電が頻発している状況があることが分かりました。都市部でサービス業に従事している方の時給(日給)が低く、家賃が高くて払うことが出来ないため職場近くの古い家を借りて住んでいる現状に加え、近年は新型コロナの影響もあって物価が上昇し生活が厳しくなっているそうです。国の発展や豊かさとは何なのかということを改めて考える機会となりました。(日力)