竹内ゼミ 「1 万人女性意識調査」の紹介
『女子目線』のデータサイエンス:「1 万人女性意識調査」の紹介
※行動計量学ゼミ(竹内ゼミ)では、気になった統計調査?統計データを読み取り、現代社会の動向?傾向を紹介していきます。
第 17 期生 中島 鈴
私は大学生になってから、身近にある学校が廃校になったことや、アルバイト先での人手不足など、少子化がもたらす影響を感じるようになりました。それ以降、少子化の背景や解消が難しい理由など、多様な視点から少子化について知識を集めたいと考えるようになりました。そのため今回は、女性を対象にした少子化や子育てについての調査を紹介します。
今回は、日本財団が実施した「1 万人女性意識調査」、特に今回は【第 4 回テーマ「少子化と子育て(少子化を背景とした女性の子育て意識)」】(出典は下記の参考文献を参照)を取り上げます。この調査は全国 47 都道府県の 18-69 歳の女性 10,000 サンプルを対象に、調査期間 2023 年 3 月 20 日(月)-22 日(水)にインターネット調査で実施されたものです。ここでは記載されている調査のうち、特に気になった点について、紹介します。
今回の調査結果で特にご紹介したい点は、「将来的に子供がほしいと考える女性は少数派」である点です。これは【子どもがいない方】に「あなたは、将来的に子どもが欲しいと思いますか。または、子どもが欲しいと思ったことはありますか。」という質問に対して、「子どもが欲しい?欲しかった」(39.6% )と4割に対して、「子供は欲しくない?欲しくなかった」(33.1%)と「考えたことはない?わからない」(27.2%)と回答した人は合わせて 6 割もいました。
また【子どもがいない方】に「あなたが子どもを欲しくない(欲しくなかった)理由は何ですか」を3 つまで選べる複数回答で尋ねたところ、「経済的な負担が大きくなるから」(40.8%)、「子供のしつけなど精神的ストレスが増えそうだから」(38.0%)、「自分の自由な時間が減るから」(35.0%)が上位でした。
さらに、「あなたは、子ども対策予算の増加やこども家庭庁設置によって少子化の解消にどの程度効果があると思いますか」と尋ねたところ、「一定の効果があると思う」(6.0%)と「少しは効果があると思う」(33.6%)を合わせても、政府の少子化対策に効果があると思う女性は 4 割程度しかいないことが分かりました。
私はこの調査から、先ほどあげた理由を踏まえた対応を、さらに強化させ、少子化解消に繋げてほしいと思いました。
また、少子化の解消が図れていない日本の現状について、多方面に影響が及ぶ深刻な問題であることを、私たちは再認識する必要があると思います。私自身、身近に影響が及ぶまでは少子化について深く考えることはなかったため、この記事を通して、一例ではありますが少子化の背景について少しでも理解してもらいたいです。
その他、調査の図表、詳細等につきましては下記の参考文献をご参照ください。
参考文献:
日本財団(2023)1 万人女性意識調査
https://www.nippon-foundation.or.jp/what/projects/woman-survey
(最終確認日:2023/06/04)