竹内ゼミ 「過去 1 年間における美容意識や購買行動に関する利用実態調査」の紹介
『女子目線』のデータサイエンス:「過去 1 年間における美容意識や購買行動に関する利用実態調査」の紹介
※行動計量学ゼミ(竹内ゼミ)では、女子目線で気になった統計調査?統計データを読み取り、現代社会の動向?傾向を紹介していきます。
第 17 期生 根津早弥花
近頃、女性だけでなく男性もメイクをする習慣が浸透しているように感じます。そこで今回、株式会社リクルートの美容に関する調査研究機関「ホットペッパービューティーアカデミー」が行った『美容センサス 2021 年下期?美容意識?購買行動編? 』(出典は下記の参考文献を参照)を紹介します。この調査は全国の人口 20 万人以上の都市居住者のうち、15-69 歳の男女 1 万 3,200 人を対象に、インターネットリサーチの方法で尋ねています。今回は、掲載されている調査結果のうち、特に気になりました結果を紹介します。
女性のここ 1 年のコスメ購入のうち、利用頻度が「増えた?やや増えた」との回答が最もあったチャネルは「インターネット通販(EC モール)」(41.0%)、最も「減った?やや減った」との回答があったチャネルは「デパート」(40.0%)になりました。一方男性は、最も頻度が増えたチャネルは、「インターネット通販(ブランドのサイト)」(39.2%)「デパート」(39.2%)でした。この結果から手軽にコスメを購入することができる「インターネット通販(EC モール)」はコロナの流行状況に関わらず、男女共にこれからも重宝されると予想されます。女性が「デパート」がデパートで購入する頻度が減少した要因としてわざわざ店舗に行き買わなくてもインターネット通販などで手軽に購入することができるようになったからなのではないかと考えられます。
基礎化粧品購入に使う 1 カ月あたりの費用の平均は 0 円を除いた場合、女性 3,877 円、男性は 3,484 円になりました。メイクに使う 1 カ月あたりの平均費用(0 円を除く)は、女性 2,855 円、男性は 4,759 円となりました。このことから基礎化粧品は男性よりも女性のほうが基礎化粧品に費用がかかっているのに対し、メイクに関しては女性よりも男性(メイク用品を買わない男性を除いた)のほうが費用がかかっていることがわかりました。
続いてコロナ前に比べてメイクアイテム購入時に気にかけるようになったことの 1 位は、女性は「くずれにくさ」、男性は「色合い?発色」でした。女性はマスクによるメイクのヨレを気にしてメイクアイテムを選び、男性はポイントメイクを意識したようなメイクアイテムを選んでいることがわかりました。
本調査から、「with コロナ」が浸透し外出が増えてきた現在でも、女性は購入時の手軽さやマスクによるヨレを気にしたコスメ選びをしていることがわかりました。また男性はインターネット通販、デパートのどちらも頻度が増えていたことから手軽に買いたい派と相談をしながら買いたい派に大きく 2 分していることがわかりました。そして近年ではメンズメイクが注目を集めており、男性のメイクアイテム購入率は約 1 割とまだ高くはありませんが、今回の調査ではメイクアイテムに使う金額が女性を大きく上回っています。これにはプチプラのメンズコスメが少ないということも考えられます。「色合い?発色」を気にする男性が多いのは、ベースメイクなどの基本的なメイクが習得され始め、よりパーツを際立たせた韓国アイドルのようなポイントメイクに挑戦する男性が増えていると推測されます。今後はメンズ専用の化粧品売り場を展開するなど、メイクをする男性のニーズを取り入れる必要があると考えます。
その他、調査の図表、詳細等につきましては下記の参考文献をご参照ください。
参考文献:
株式会社リクルート
ホットペッパービューティーアカデミー
「美容センサス 2021 年下期?美容意識?購買行動編?」
"https://www.cross-m.co.jp/report/life/20221005plastic/
(最終確認日:2022/11/09)。