【社会連携PBL】「行動データ」を活用したアプリの提案を通してデータービジネスとELSIを考える—— ソーシャル?デザイン?プロジェクト2022最終発表
実践女子大学人間社会学部のプロジェクト型授業「ソーシャル?デザイン?プロジェクトB」(Jissen SDB)では、6月3日から社会連携プロジェクトを開始し、7月1日の中間発表を経て、7月15日に最終発表会を行いました。
株式会社電通のチーフ?プランナー/主任研究員の朱喜哲氏からいただいたお題は、「行動データ」を活用したアプリケーション?サービスを提案すること。検討すべきこととして提示された、皆さん自身が使いたいか?ビジネスとしての持続可能性?ELSIへの配慮(信頼性)といった条件に苦戦しながらも、3チームそれぞれがまったく異なるアプリ?サービスの提案を行いました。
具体的な提案は以下の通りです。
● スケジュール管理アプリ『SCHETTO』
大学生にフォーカスをあて、大学サイト、就活アプリ、アルバイトアプリ等を連携させ、予定のリマインドをしてくれるだけでなく、空き時間や位置情報を活用して、大学周辺のお店?場所などのオススメを教えてくれる。ELSIポイントは、行動データを直接他社に渡すのではなく、分析した結果を厳選した相手(この場合は大学周辺の信頼できるお店など)にだけ提供することと、ユーザーによる決定権をすべて奪わないこと。
● 『Setlister』でライブの感動をもう一度!
ライブやフェスが好きな人たちた「気軽に!」「簡単に!」セトリを聴けるアプリ。ユーザーのニーズに応えるだけでなく、連携するチケット会社、レコード会社のメリットも考えたサービス設計で、Setlisterの収益の一部はアーティストに還元できる仕組みに。ELSIポイントは、課金制であることと、利用規約で誰に何のデータを提供するのか/しないのかをわかりやすく提示すること。
● なりたい自分になるためのコスメ提案アプリ
顔写真と肌状態に関するアンケート入力、やってみたいメイクフィルターを選ぶことで、スッピンをもとに素材を生かしたメイク?商品を提案してくれるアプリ。ELSIポイントは、顔加工は一切なしで特定の価値観は押しつけず、それぞれの素の姿を活かすようにすること。オススメ順ではなく、価格順表示にすることで不信感を煽らないこと。肌状態のデータ提供は任意であること。
朱さんからは、3チームそれぞれに、さらに深掘りしていくと面白そうな点や実際の事例から考えた場合のビジネスとしての可能性や改善ポイントなどをフィードバックいただきました。最後は全員で、途中検討したけれど採用しなかったアイデアやその理由などを取り上げつつ、データビジネスとELSIをテーマに議論を深めました。
データ?AI時代だからこそ、行動データを活用したより良いビジネス/社会の実現のためにもELSIは大切なキーワードになってくるのではないでしょうか。
Jissen SDB履修生のみなさん、お疲れさまでした!
今後もさまざまなテーマで、より良い社会を自分たちで創っていく「ソーシャルデザイン」に挑戦していってください。
Text by 標葉(授業担当教員)