竹内ゼミ 「成年に関する調査」の紹介
『女子目線』のデータサイエンス:「成年に関する調査」の紹介
※行動計量学ゼミ(竹内ゼミ)では、気になった統計調査?統計データを読み取り、現代社会の動向?傾向を紹介していきます。
第 17 期生 三浦未乃梨
2022 年 4 月 1 日から成年年齢が 18 歳に引き下げられました。この民法改正により様々な変化がありましたが、私はこの改正をどれくらいの人が認知しているかや、どのように思っているのかが気になりました。そこで今回、私は楽天インサイト株式会社が行った「成年に関する調査」を紹介します。本調査は 2022 年 2 月 8 日(火)と 2 月 9 日(水)の 2 日間、楽天インサイトに登録しているモニター(約 220 万人)の中から、全国の 20~69 歳の男女 1,000 人を対象に行いました。本調査では、民法改正により 2022 年 4 月 1 日(金)から成年年齢が 20 歳から 18 歳に引き下げられることについて、改正内容に関する認知状況に加え、19 歳以下の子どもがいる方を対象にした意識調査も実施しました。ここでは調査の一部を紹介します。
まず「2022 年 4 月 1 日から成年年齢が 18 歳に引き下げられること」の認知状況を聞いたところ、「知っている」と回答した人は 80.3% と全体の約 8 割いました。この成年年齢が 18 歳に引き下げられることを認知していた人に対し、「成年年齢の引き下げ後、 18 歳になれば親の同意がなくてもできるようになること」として提示した 11 項目の認知状況を聞いたところ、平均認知数は 3 項目となり、その中でも「クレジットカードの契約」が 52.8% と最も高くなりました。一方で「成年年齢の引き下げ後も、引き続き 20 歳にならないとできないこと」の認知状況は「飲酒」が 79.1%、「喫煙」が 73.7% となりました。このことから飲酒や喫煙に関しての認知状況は高いのに対し、18 歳に引き下げられてできるようになった項目への認知状況は低いことが分かります。
また 19 歳以下の子どもがいる親に自身の子どもが 18 歳で成年を迎えることについてどう思うかを聞いたところ、半数を超える 54.9% が「早い」と回答し、その中でも特に 2022 年 4 月に成年を迎える高校 3 年生の子供を持つ親は 71.4% が「早い」と回答していました。子どもの学齢が上がるにつれて、「成年年齢が早い」と思う親が増える結果となりました。
成年年齢の引き下げについては様々な意見があり、本調査でもやはり不安があるという否定的な意見も多く見られました。これらの不安を少しでも減らすためには親の同意なく契約ができることの怖さをこれから成年年齢を迎える人に多く知ってもらう必要があると感じました。
その他、調査の図表、詳細等につきましては下記の参考文献をご参照ください。
参考文献:
楽天インサイト株式会社(2022)成年に関する調査、
https://insight.rakuten.co.jp/report/20220315/
(最終確認日:2022/06/03)。