竹内ゼミ 「スマホや携帯電話の学校持ち込み、賛成?反対?小中学生の携帯電話利用を調査」の紹介
『女子目線』のデータサイエンス:「スマホや携帯電話の学校持ち込み、賛成?反対?小中学生の携帯電話利用を調査」の紹介
※行動計量学ゼミ(竹内ゼミ)では、気になった統計調査?統計データを読み取り、現代社会の動向?傾向を紹介していきます。
第 16 期生 藤橋美香
みなさんは携帯電話またはスマートフォンをいつ頃所持するようになりましたか。私が小学生の頃はほとんどの友達が携帯電話を持っていた印象はなく、中学生になり少しずつ持ち始める子が出てきたのをよく覚えています。しかし、現在は街で小中学生が携帯電話を触っている様子を目にします。こういった現状を踏まえ、小中学生の携帯電話利用状況について興味を持ちました。今回、私は株式会社マクロミルの市場調査メディア HoNote が行った「スマホや携帯電話の学校持ち込み、賛成?反対?小中学生の携帯電話利用を調査」について紹介します。本調査は株式会社マクロミルが 2019 年 2 月 14 日-15 日にマクロミルモニタ会員で、第 1 子が小?中学生である全国 20-59 歳の親を対象に、1,000 サンプルをインターネット調査で得ています。今回はこのマクロミル調べの結果の一部を紹介していきます。
まず、小中学生はどのような種類の携帯電話を持っているのか「キッズ携帯」「ガラケー」「キッズ向けスマホ」「スマホ」の 4 種類に分けて見ていくと、「キッズ携帯」が小学校低学年 18.4%、中学年 27.6%、高学年 26.8% と他の携帯電話と比べて一番利用率が高かったですが、中学生になると、「スマホ」が 57% と過半数が所有している現状にあることが分かりました。なおキッズ携帯とは特定の連絡先への電話やメール以外はできないなど、子供向けに機能が限定されている携帯電話のことを言います。
携帯電話の所有率(1- 持たせていない率)を見ていくと小学校低学年 29%、中学年では 43%、高学年では 56%、中学生では 71% となり、学年が上がると同時に所有率も上がっていることが分かります。次に、子どもに携帯電話を持たせる理由について見ていくと、どの学年グループにおいても「緊急時に連絡が取れるようにするため」という理由が 7 割前後を占める結果となっています。
携帯電話を子どもに持たせている親のうち、学校にも持参させている人の割合を見ていくと、学校低学年では 41%、中学年では 25%、高学年では 17%、中学生では 13% という結果となり、学年が低いほど、学校へ持たせている割合が高いことが分かりました。
携帯電話を小中学校へ持ち込むことについて、政府や自治体が許可する動きがある中で、小中学生の親はどう考えているのか実態を見ていくと、小学校低学年では賛成 42%?反対24%、中学年では賛成 39%?反対 27%、高学年では賛成 37%?反対 30%、中学生では賛成 34%?反対 31% という結果となり、低学年であるほど賛成している人が多いことが分かりました。
この調査結果から、子どもを守る手段として子供に携帯電話を持たせる親が多くいることが分かりました。ただ、小中学校への携帯電話持ち込みについては検討する必要があると考えます。持ち込むことでメリット?デメリットがあるため、子どもの教育において何が大切であるのかが家庭内だけでなく、教育機関全体で考えることが必要だと感じました。また、携帯電話が子どもの成長に悪影響を与えないためにも、利用時間や利用場所といったルールを家族で話し合うことも大切だと考えます。
その他、調査の図表、詳細等につきましては下記の参考文献をご参照ください。
参考文献:
マクロミル(2021)スマホや携帯電話の学校持ち込み、賛成?反対?小中学生の携帯電話利用を調査、市場メディア HoNote、
https://honote.macromill.com/report/20190314/
(最終確認日:2021/12/05)。