竹内ゼミ 「音声広告に関する調査」の紹介
『女子目線』のデータサイエンス:「音声広告に関する調査」の紹介
※行動計量学ゼミ(竹内ゼミ)では、女子目線で気になった統計調査?統計データを読み取り、現代社会の動向?傾向を紹介していきます。
第 16 期生 澤田咲里
みなさんは普段、ラジオや音楽アプリで耳にする音声広告についてどのように感じていますか?聴覚からでしか情報を得ることができない音声広告ですが、動画広告と比べ人々にどのくらい影響を与えることができるのか、またどのようなイメージがあるのかが気になりました。そこで私は今回、「音声広告に関する調査」(株式会社マクロミルと翔泳社(MarkeZine)の共同調べ)を紹介します。
この調査はマクロミルと翔泳社が共同で、全国の 15 歳から 59 歳の男女を一般層、音声広告が流れる音楽配信サービスとラジオアプリいずれかの利用者を音声広告接触層と分類した計 1,000 人を対象に実施しました。
この調査の結果、一般層と音声広告接触層で普段利用する情報媒体の特徴では、音声広告接触層の方が動画媒体、音声媒体のいずれも一般層より利用率が高いことがわかりました。特にラジオアプリの利用率は一般層が 34.6% だったのに対し音声接触層は 78.6% となり、大きな差が見られました。また音声広告接触層で、動画配信サービスの広告が煩わしいと回答した人が 55% だったのに対し、音楽配信サービスでは 29% となっており、音声広告は煩わしさを感じる割合が低く、スキップされにくい傾向にあることがわかりました。
また音声広告接触層の視聴中、視聴後の行動を媒体に見ると、視聴中に「広告をスキップする」のは動画配信サービスが約 6 割、テレビが約 4 割と多く、視聴後の「広告がきっかけで商品、サービスを購入する」というのはテレビが約 4 割と 1 番多い結果となりました。この調査から、音声広告は視聴者に煩わしさを感じさせることが少ない一方で、広告としての影響力が高いのは動画広告であるということがわかりました。
今回の調査を踏まえ、デジタル広告という面では同じでも、音声広告と動画広告では視聴者に与える印象や影響が大きく異なっていると感じました。ターゲット層の年代や嗜好によってどのように宣伝していくかアプローチを変えていくことも大切だと思いました。
その他、調査の図表、詳細等につきましては下記の参考文献をご参照ください。
参考文献:
株式会社マクロミル?翔泳社(2019)
「音声広告」に関する調査。”煩わしさ”を感じる割合は「動画広告」よりも低い、市場メディア HoNote、
https://honote.macromill.com/report/20190826/
(最終確認日:2021/10/28)。