「旬」のフルーツを缶詰に
食生活科学科教員K.M
みなさん好きなフルーツは何ですか?
りんご、もも、なし、ぶどう、みかん???みなさん好みはさまざまだと思います。
では、好きなりんごは何ですか?と聞かれたら何と答えますか?「やっぱり王道のふじかな」「王林かな」「シナノゴールドかな」。
最初の質問はフルーツの種類、あとの質問は品種を聞かれているのかなと認識されると思います。りんごやなしなどはポピュラーな品種が多く答えやすいですが、では好きなみかんは?と聞かれるといかがでしょうか。
普通、私たちがみかんと聞くと思い浮かべるのは「温州みかん」です。品種としては宮川早生、興津早生、青島温州などがありますが、一般の方はなかなか聞き慣れないかもしれません。
では聞き方を変えて、好きなみかんの種類は何ですか?と聞かれるといかがでしょうか。「みかんはみかんでしょ」と言われる方もいると思いますが、「デコポンかな」「はっさくかな」というワードが出てくるかもしれません。ちなみに私は「はるみ」と答えます。
前置きが長くなりましたが、いずれにしてもフルーツには「旬」があります。同じフルーツでも品種が違えば旬も変わってきます。すなわち、1年のうちでその時期にしか食べられないフルーツが数多くあります。
先ほど私が好みと答えた「はるみ」は、今がまさに旬です。清見とポンカンを親に持つはるみは味わいがデコポン(不知火)に近く、プチプチ感があり、とっても甘くジューシーです。これを夏の暑い時期に冷蔵庫で冷やして食べられたら最高だと思います。その夢に少しでも近付こうとするのが「食品加工」です。フルーツの長期保存を可能にする加工方法といえばジャム(糖蔵)や冷凍がありますが、よりフレッシュな状態を維持しようとするならば瓶詰や缶詰が適しています。特にみかんの缶詰はみなさんにとってなじみが深いと思います。「はるみ」も1年中なるべくフレッシュな状態で味わえるといいな~、ということで「はるみ」缶詰スタートです!
皮を剥いて一房一房分け、弱い酸処理→弱いアルカリ処理の順でみかんの薄皮(じょうのう膜)を取り除きます。
きれいに薄皮が取れました。
これを缶に詰めて、シロップ液を注入し、脱気(缶の中の空気を抜く)、巻締、殺菌をして「はるみ」缶詰のできあがりです。
夏に開缶するのがとても楽しみです☆
みなさんも缶詰にしてみたいフルーツなどありませんか。
食品加工学研究室では缶詰をテーマにした卒業研究も進めています。食品加工に興味があればぜひお立ち寄りください。