調理室に伝わる道具
食生活科学科助手M.T
梅の花が咲き始め、春の訪れを感じる日々ですね。
今回は、調理実習で使用する少し珍しい道具について紹介したいと思います。
1.『鬼すだれ』
こちらはお正月に誰もが食べたことのある「伊達巻卵」を作るための道具です。
巻き寿司を作るときに使用する巻きすより、表面がトゲトゲしています。
この、三角形に削られた棒状の竹を利用して伊達巻特有の輪花状にします。
2.『馬毛こし器』
こちらもお正月料理である「栗きんとん」を作るときに使用します。
金属製の裏ごし器と用途は一緒で、野菜等をなめらかなペースト状にするために必要な器具です。
名前の通り、馬の尾の毛から作られています。
馬の毛は弾力性があり、張られた網がよくしなる為、食材を濾すのに適しています。
3.『銅製卵焼き鍋』
家庭にも置いてある一般的な「卵焼き器」と何が違うのだろう…と疑問に思った方もいるかもしれません。
正解は銅で作られている点です。
家庭用として流通している卵焼き器は、多くがステンレスやアルミニウム等で作られています。
それに比べて銅製の調理器具は熱伝導率が高く、均一に熱を広げてくれるため、ふんわりとキレイに卵焼きを作ることが出来ます。
これらの道具は、古くから日本に伝わる伝統的な調理器具です。
プロが使用する本格的な器具が揃っているのも、本校の調理室の魅力の一つと言えます。
『鬼すだれ』、『馬毛こし器』は管理栄養士専攻、健康栄養専攻、食物科学専攻ともに4年間の中で使用する機会があります。
調理実習授業を受ける時には、ぜひ道具にも注目してみてくださいね。