<企画特集>地域とつながる実践、日野と恵那 1
実践女子学園では、地域とつながら活動を教育に活かしながら、
産官学連携ならではの新しい取り組みにチャレンジしています。
日野市との結びつき
1965年に実践女子大学が日野の地に開校してから50年-。
これまでも公開市民講座やリカレントプログラムをとおし、大学のもつ知的財産である文化?教養を地域に開放し、学生?教職員とともに地域の皆様に学んでいただいていました。
また、日野市が産業や教育、保育、食育といった様々な切り口で行うイベントに、本学の教職員や学生が参加する機会もありましたが、個人の関わりや努力によるところが多く、継続する力になっていませんでした。
そこで、2014年2月18日、日野市との連携を総合的にまとめて学園全体の協力体制とするために、「相互協力?連携に関する包括協定」を締結しました。
現在は、「トンネル美術館」のプロジェクトが稼働。日野駅高架下の暗い雰囲気のトンネルを、明るく開放感のあるアート空間に生まれ変わらせます。市民の作品を展示し交流できるような場所とする狙いもあります。
「トンネル美術館」のプロジェクトは「第1回多摩の大学生まちづくりコンペティション2014」の予選会を通過し、本選で見事優秀賞を受賞しました。
※「多摩の大学生まちづくりコンペティション」とは、若者の視点や感性を活かして、今ある多摩地域の魅力を発信する企画や、今までにない多摩地域の新しい価値を創造して多摩地域が抱える課題を克服し未来に活力を与えることができる「実践的」試みや提案を発表する場です。
日野駅前活性化プランの実現
日野市とは連携協定を結ぶ前から、日野駅周辺の活性化についての取り組みを行ってきました。学生が日野駅周辺の現状や課題を独自に調査し、「日野駅周辺をにぎわいと安らぎのある空間にし、人々が快適に過ごすことができる環境をつくる。」ことを目的に掲げ、さまざまなプランを検討。日野市役所の方々に提案する機会もいただき、実行に移してきました。
テーマは「和モダンテイストのまちづくり」。最初に行ったのは「和装女子大生お掃除隊☆」。駅周辺の美化のために、女子大生が和装で清掃を行いました。
二つ目は「デザインのれん」。各商店の軒先に統一感を持たせながら、それぞれ個性的なのれんを下げ、町並みを特徴付けようというプロジェクトです。デザインの基礎となる「プロトタイプ」の制作を経て、各店舗の要望を取り入れたデザインを順次制作しました。活用は当初の5店舗から現在では18店舗へ拡大し、3月12日にはお披露目会が行われました。
街ににぎわいを、「ひのプロ」への参画
日野宿通り周辺「賑わいのあるまちづくり」プロジェクト、通称「ひのプロ」。
日野市の協力のもと、有志でつくられたプロジェクトに実践女子大学の学生も参加しています。
「ひのプロ」実行委員会 執行部会のメンバーにお話をお聞きしました。
実践女子大学との連携を考えた理由は?
同じ日野市内でも、イオンのある豊田や高幡不動尊のある高幡は集客ができていますが、日野駅周辺は集客の目玉がありません。一昨年の春頃から活動をスタートした中で、やはり、日常生活をおくる場として日野を活用している学生さんがキーになると思いました。
初コラボの七夕祭はいかがでしたか?
学生さんが提案し、地元飲食店と共同開発したオリジナルカクテルは大好評でした。それに、日野駅前のにぎわいを見て、やっぱり女子大生のパワーは強力だと感じました。浴衣も華やかで、大学と地域の人たちの一体感がありました。
次の目玉企画はありますか?
「キョテン107」では、情報発信と参加を促す「プロフィールBOX」という企画を考えています。情報を発信したい人や団体がBOXで展示や宣伝、活動アピールをして、見た人が参加したり行動するといったしくみなんです。イベントだけでなく、日常に情報発信や交流の源を創れたらと思っています。
実践女子大学との連携はどんな展望がありますか?
このプロジェクトのおもしろい点は、行政である日野市が「つながり」だけを作って、あとは自由にさせてくれているところなんです。普通は、行政が上から指示してしまい、実行側は指示待ちになってしまう。ところが、日野市は自由に運営をさせてくれるから、私たちも学生さんも自らの意志と意欲で自立して活動できるんです。意見やアイデアも活発に出ますよ。
キョテン107に遊びに来て!街と大学をつなぐ想い
学生の皆さんには、この「キョテン107」に立ち寄って、いろいろな人の多彩な活動を見てほしいです。この街づくりに参加する大人たちにも良い刺激になると思います。(野村さん)
日野市は今、「諸力融合」をキーワードに掲げています。若者ならではの柔軟な発想をいただき、こちらからは授
業だけでは得られない体験を提供するWin-Winな関係ができるとうれしいですね。(石原さん)
大学時代は失敗できるとき。チャレンジして失敗や成功できた経験は、間違いなく人生に活きてきます。「キョテン107」はその機会を作る場になるので、どんどん関わってもらえればと思います。(委員長 宮崎さん)