日本語コミュニケーション学科授業紹介-2「アサーティブコミュニケーション」
受験生からの注目度の高い「アサーティブコミュニケーション」について、科目担当教員による授業紹介と受講生の感想をお届けします。
科目担当教員より
みなさんは自分の気持ちを上手に伝えることができていますか?
友人、家族、バイト先など、自分の意見を伝えたり、相手からの依頼や誘いを断ったりするのは意外と難しいものです。「こんなこと言ったら嫌われるかな」「相手を傷つけるかな」と思って飲み込んでしまう…身近な家族には「うるさい!」とキレたり、不機嫌な態度で自分の意思表示をしたりと、相手のことは考えずに思うままに行動してしまう…など、ついつい「飲み込む」か「攻撃的になるか」のどちらかに偏ってしまうことはないでしょうか。そこで役に立つのがアサーティブコミュニケーションです。
アサーティブとは「自分も相手も大切にした自己主張」のこと。自分の気持ちや意見を、相手を尊重しながら、誠実に率直に対等に表現します。つまり、飲み込んで我慢するのでもなく、感情的になってキレるのでもなく、素直な気持ちを誰のことも責めずに伝えていきます。
そんなことできるのだろうか?と思った人も安心してください。今はアサーティブの「自分も相手も大切にする伝え方」を知らないからできないだけで、学んで練習すれば必ずできるようになります。
授業では、アサーティブの土台となる心の姿勢や自己主張の権利を学び、ペアワークやロールプレイをくり返しながら実践的に身につけていきます。ロールプレイの題材は、学生のみなさんに自分自身の事例を出してもらいます。
たとえばこれまで、こんなロールプレイの題材がありました。(自分だったらどうするか少し考えてみてください)
友人へ 一緒に撮ったプリクラを無断でインスタにあげないでほしい
友人へ 前に貸した1000円を返してほしい
母へ 一日に何度もLINEを送ってこないでほしい
バイトの先輩へ 他のスタッフへの愚痴を上手に断りたい
バイト先の店長へ 急に「明日入って」というシフトの依頼を断りたい など
これらを、関係を壊さずに、さわやかに伝える練習をします。
これまで多くの学生がアサーティブを身につけ、社会人生活へと巣立っていきました。就職してからはもちろんのこと、生涯を通じてあなたを助けてくれるコミュニケーション法となるはずです。
ぜひ一緒に学んでいきましょう。
受講生の感想
アサーティブの授業を受けて、凛とすることの重要さや相手の生きてきた背景を考えて行動することを学びました。これまでは、何かやらかしてしまった時はオドオドして過ごしていました。しかし、この授業で実際にロールプレイをして体験をしてみると、下手に出ることが必ずしも相手にとって、良い事では無いということを知りました。何かを頼まれる側の立場(相手役)になってみて、凛とした態度でお願いされた方がこちらもやりやすいなということを感じました。そこから、なにか人に物を頼んだりする時は、凛とすることができるようになったので、授業を通じて成長することができました。(Yさん)
アサーティブを学んでから相手に何かを伝える前に「自分はいま相手に何をしてほしいのだろう?何を伝えたいのだろう?」と考えるようになって伝え方を工夫できるようになりました。また、自己主張の権利(12の権利の7つ目)「私には、考えを変える権利がある」に支えられています。自分で決めたことを変えることにこれまでは抵抗があったけれど、人が成長するのと同じように考えが変わることも当然ある。だから「もう決めたことだから」といって、それを守り抜こうとしなくていいことを知って、少し楽になったし、その時その時の自分の気持ちに柔軟に対応できるようになりました。(Aさん)
授業を通じての得たものとして一番に思いつくのは、アサーティブの相手も自分も大切にするという考え方に心が救われた点です。むやみやたらに相手の意見ばかり気にして傷ついたりしないように、ちゃんと心の声を聴いて相手を尊重する方法で伝えられるようになりました。少し言いづらいなと思っても的を絞って「言いづらい宣言」をしながら伝えられるようになったので、傷つくことが減りました。(Mさん)