竹内ゼミ 『外食店利用時の注文ツールの利用実態?意向調査』の紹介
『女子目線』のデータサイエンス:『外食店利用時の注文ツールの利用実態?意向調査』の紹介
※行動計量学ゼミ(竹内ゼミ)では、女子目線で気になった統計調査?統計データを読み取り、現代社会の動向?傾向を紹介していきます。
第 19 期生 藤村実来里
私は、ファストフードが好きでマクドナルドなどのテイクアウトを良く利用します。しかし、モバイルオーダーができてから、まだ一度もモバイルオーダーを利用したことがありません。比べて、私の妹はモバイルオーダーを上手く利用しているので、全体の利用率や利用理由が気になり、モバイルオーダーについて調べました。
今回紹介するのは、株式会社リクルートの外食市場に関する調査?研究機関『ホットペッパーグルメ外食総研』が、首都圏、関西圏、東海圏に住む 20-69 歳の男女(株式会社マクロミルの登録モニター)を対象に行った「外食店利用時の注文ツールの利用実態?意向調査」です。注文ツールは、外食店の座席に設置された端末で注文するテーブルトップオーダー、スマホから QR コードやアプリで注文するセルフオーダー、外食店のテイクアウト利用時にスマホから事前に注文し決済するモバイルオーダーが対象とされました。事前調査を経て、本調査の調査期間 2024 年 5 月 31日(金)?2024 年 6 月 13 日(木)で、サンプルは 8,309 件(回収率 78.3%)で有効回答者数は 8,230 件でした。今回は公開されている調査内容のうち、特に気になった点を紹介します。
各注文ツールを利用した経験があるか聞いたところ、それぞれの利用経験率は「テーブルトップオーダー」が 78.9%、「セルフオーダー」が 57.1%、「モバイルオーダー」が 48.8% であり、この 3 つの中では、「モバイルオーダー」が最も低い結果でした。
利用者の属性を見ると、ファミリーレストランなどで見られる「テーブルトップオーダー」は 20-60 代の全世代で男女ともに利用経験がありました。しかし、自身のスマホを用いる「セルフオーダー」と「モバイルオーダー」では、どちらも若年層になるにつれて利用経験率が高い結果でした。最も利用経験率の高い 20 代の男女の割合を見てみると、「セルフオーダー」は、男性が 66.7%、女性が 80.9%、「モバイルオーダー」は、男性が 60.0%、女性が 71.8%であり、どちらも“女性”の方が、利用経験率が高いということが分かりました。これは、女性の方がカフェを利用したり、女子会などで飲食店を利用したりしやすいからではないかと考えました。
また、今後、テイクアウト利用時にモバイルオーダーを利用したい理由を調査したところ、「待ち時間によるストレスが減るから」と回答した人が 41.1% で最も高く、次いで「スマートフォン上で会計も完了して便利だから」が 24.5%、「飲食時間全体の時間短縮ができるから(時間がないときに便利だから)」が 20.4% でした。対して、利用したくない理由を調査したところ、「利用したくない理由はない」が 50.0% で半数でした。このことから、スマホで事前に注文して決済する「モバイルオーダー」を利用する人は、便利さと時間の短縮を重要視していることが分かります。
以上から、スマホを使いこなしている若年層にとっては、モバイルオーダーは便利で使いやすいものだと分かりました。現時点では、若年層の利用率が高いですが、これらのツールは店舗で当たり前に設置されつつあるため、今後、利用率も増えていくだろうと思いました。
その他、調査の図表、詳細等につきましては下記の参考文献をご参照ください。
参考文献:
ホットペッパーグルメ外食総研(2024)
『外食店利用時の注文ツールの利用実態?意向調査(2024 年 5 月実施)』
https://www.recruit.co.jp/newsroom/pressrelease/assets/20240722_gourmet_01.pdf/
(最終確認日:2024/10/26)。