人口1200万人超、南米最大都市サンパウロより“Boa tarde(こんにちは)”
人口1200万人超、南米最大都市サンパウロより“Boa tarde(こんにちは)”
by 異文化コミュニケーションゼミ(舞原グループ)
日系人口が100万人を超えるブラジル、サンパウロご出身のジュン?オオヌキさんは、一橋大学大学院社会学研究科で移民について研究なさっている留学生です。異文化コミュニケーションでブラジルの、そして日本で働く日系ブラジル人の今、日本とのこれからの関係等について語ってくださいました。
面積は日本のおよそ22倍で南米最大の経済大国であるブラジルについて、国内事情からブラジルでの生活、在日ブラジル人の方々に関することまで色々なお話を聞くことが出来ました。経済発展が進む一方、国内では経済格差からくる貧富の差が存在していること、その状況は非常に深刻であり格差の拡大による町の安全性の低下が懸念されていることを知りました。また、在日ブラジル人の方に関しても進学率の低さが長らく問題となっていて、高校へ進学する人が少ないという状況が続いているそうです。お話の中で最も印象的だったのはコミュニケーションの難しさについてです。ジュンさんは今回で3回目の日本滞在になるそうですが、暮らしの中で契約等を行う場面で使われている言葉遣い(敬語)が難しいと仰っていました。それを聞いて、日本語を母国語とする私たちが思うやさしい(分かりやすい)日本語と日本語を母国語としない方にとってやさしい(分かりやすい)日本語は大きく乖離しているのだと感じました。(日力)
今回は、ジュンさんからこれまで私があまり耳にすることのなかった日系ブラジル人の方々の歴史や実態を学ぶことができました。お話を聞いて、実際にブラジルには人口の1%ほどしか日系ブラジル人はおらず、少数派であるためかは定かではありませんが、「日本人だから真面目で数学が得意だよね」といった、いわゆるモデル?マイノリティのステレオタイプでイメージをされることも少なくないのだと知りました。日系ブラジル人のジュンさんだからこそ分かる当事者視点でのお話はとても貴重でブラジルという多様な人種?文化を受け入れる国だからこその難しい一面を感じました。自分が同じ立場だった際に、どのようなコミュニケーションを意識するのか一度考えてみたいと思いました。(舞原)
ブラジルというとリオのカーニバルやサッカーのイメージばかりで、実際にブラジルどのような国なのかあまり詳しくありませんが、今回実際にブラジルで生まれ育ったジュンさんにお話を伺い、ブラジルの社会情勢の一端を知ることができました。ジュンさんは日系ブラジル人ですが、ブラジルから東京に来た際に故郷のサンパウロと外面的にはあまり変わらないため、特にギャップを感じたことはなく、驚くこととしては至る所にある駐車場や街路沿いにズラリと並ぶ自動販売機だと言っていて、私たちの生活の中で当たり前に思っていることが他国の人からするとやはり当たり前ではないのだと感じました。特に印象に残ったことは、ブラジルにおいても日本においてもブラジル人が差別を受けていることです。ブラジル国内では、北東部の人たちや黒人の差別が国内であり、ブラジル人であるからというより外国人であるために、日本では引っ越しをする際にゴミの分別ができないからという勝手な決めつけから不動産会社から入居を断られるなどの差別があるそうです。勝手な偏見などで人を差別している日本人がいると思うと同じ日本人としてとても恥ずかしくなりました。(中島)