【生活心理専攻】家族社会学ゼミ紹介
こんにちは。専任講師の笠原良太です。
今回は私が担当する家族社会学ゼミ(笠原ゼミ)の活動内容について紹介します。
ゼミ(ゼミナール、”seminar”)では、少人数?演習形式で1つのテーマについて、みんなで学びを深めていきます。
今年は3年生8名、4年生6名が一緒に学んでいます。幼児保育専攻の学生が4名、生活心理専攻の学生が10名です。
このゼミのテーマは、「家族」です。家族というとプライベートなことと思われがちですが、社会の影響を受けつつ、社会にも影響を与える、重要な社会的集団です。
生活文化学科で心理学や幼児保育を学ぶうえでも、「家族」は重要です。
個人の心は家族の状況によって左右されます。また、家族のことを知っておくと、子どもをより深く、多面的に理解できます。
いま、家族に関する問題はたくさんあります。児童虐待、子どもの貧困、DV、経済?教育格差、性差別、夫婦別姓、家族介護など多岐にわたります。
こうした問題について、家族を取り巻く地域や学校、会社、産業、制度、経済、政治など、広い視点から見つめ、問題の要因と支援のあり方を考えています。
今年のテーマは「子どもの貧困」「地域のなかの家族」です。
日本は先進国のなかでも子どもの貧困率が高く、とくに母子家庭で多くみられます。
「子どもを育てるのは親の責任」という規範の強い日本では、子どもの貧困も親の責任とされがちです。
「なぜ父子家庭よりも母子家庭が多く、貧困に陥りやすいの?」
「なぜ日本では“子どもを育てるのは親の責任”という規範が根強いの?」
「地域でどのような違いがあるの?」「どのような支援が求められているの?」
ゼミでは、学生の「なぜ」「どのように」という問いを大切に、みんなで調べて、ディスカッションをします。
前期は専門書(『子どもの「貧困の経験」』大澤真平、2023年、法律文化社)を1章ずつ分担し、レジュメを作成し、ディスカッションします。
子どもの視点に立つとはいかなることか。なかなか難しいですが、みんなで読んで、質問したり、意見を述べることで、理解を深めています。
そうした共通理解をもとに、前期の後半からは、実際に地域に出て、家族?子どもの生活について観察するフィールドワークを始める予定です。
日野市では、5月末から子ども包括支援センター「みらいく」がオープンしました。
実践女子大学生活科学部と連携して、さまざまなプロジェクトが動き出します。
このゼミでは、昨年から日野という地域に焦点を当て、どのような家族が住んでいて、どのような課題があるのかを調べています。
今年から、みらいくと連携して地元中高生の生活?進路?学習支援をとおして、日野の家族の生活実態や課題を探り、社会的支援のあり方を実践的に模索していく予定です。
日野をフィールドとした家族社会学ゼミの活動に、ご期待下さい。
進捗があったらまた投稿します。
※お知らせ
6月29日(土)9:30-12:30 みらいくオープニングイベントが開催されます。
笠原ゼミの学生をはじめ、生活科学部の学生が子ども向けの催し物を企画しています。
日野市在住?在勤の方でご関心のある方はぜひご参加下さい。