【生活心理専攻】女子少年院を訪問しました
塩川ゼミでは、前期の課題として「司法?犯罪心理学」に関連する教科書の輪読を行いました。中でも少年の非行とその立ち直り支援(矯正)を中心に学習しました。少年非行に関心をもつ学生が多かったので、夏休み期間を利用して東京都狛江市にある女子少年院「愛光女子学園」を訪問しました。参加者は塩川ゼミ所属の生活心理専攻?幼児保育専攻学生プラス有志で9人です。
はじめに少年院次長から女子少年による非行の現状、矯正教育や施設の概要について説明を受けたのちに施設内をツアーし、その後質疑応答が行われました。学生からは入所者の生活に関すること(部屋割や入浴について)や教科教育のこと、退院後の生活についてなどの質問がありました。少々事前の学習不足が目立ちましたが熱心に参加していました。
愛光女子学園は、関東?甲信越及び静岡の各家庭裁判所で少年院送致の決定を受けた12歳(小学生は除く)以上23歳未満の女子少年を収容し、非行からの立ち直り、健全な社会人のなるよう、矯正教育を行う国の施設です。女子のみを収容する施設は、関東地方では愛光女子学園と群馬県にある榛名女子学園の2か所です。
少年院は刑務所のような刑事施設ではなく、矯正教育を行う施設です。スタッフは法務教官という国家公務員の身分で少年のケアにあたります。少年の非行は減少傾向にありますが、近年目につくのは大人の犯罪に加担してしまうケース(オレオレ詐欺など)が増加していることです。心に傷を負ったケースがほとんどで、保護された環境のもとで日常生活を送りながら心のケアを受けることが求められています。また、少年院退院後の社会復帰には福祉的な視点からの支援もかかせません。
法務教官に関心がある、将来矯正教育に携わりたいとお考えの方がいらっしゃったら、採用試験などどのような手続きが必要かを現役の法務教官が別の機会に個別にご説明くださるとのことです。興味のあるかたは塩川までご連絡ください。
(文責:塩川 宏郷)