【生活心理専攻】「生活心理」という学び
生活文化学科生活心理専攻は、2014年にスタートしてから10年が経過しようとしています。学科専攻のコンセプトとしては、私たちの日常?社会生活における様々な課題について発見し、その課題について心理学的?社会学的な理解の仕方や解決法の探索をしていくことです。この「生活心理」という分野について少し紹介していきたいと思います。
例えば、世界で問題となっている「環境問題」を取り上げてみます。私たちが生きているこの時代はもはや「地球沸騰化」時代を迎えています。国連のグテーレス事務総長は、「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰の時代が来た」と警告しています。また、地球沸騰化は2023年の流行語にノミネートされたことからも、私たちの日常?社会生活に広く浸透していると言えます。
そこで、今年は「生活心理概論」(生活心理専攻2年必修)という授業のなかで、「環境問題と心理」を取り上げました。そこでは、「O'right(オーライト)」のブランドマネージャー酒井様に講義を頂きました。「O'right(オーライト)」様は環境に配慮した高品質なシャンプーなど販売する台湾発のナチュラルブランドです。この環境問題による影響として、私たちは水害や台風、山火事など様々な自然災害に直面しています。この災害にどのような対策が必要なのかといえば、まずは「安全」で「安心」できる生活の対策ではないでしょうか。
この「安全」と「安心」という言葉に込められている意味を考えるとき、なかなか悩ましいものがあります。特に「安心」という「こころ」を大事にするとき、どんなに「安全だ」と科学的なデータで証明されたとしても、それがすなわち「安心」に繋がるとは限りません。環境問題による災害対策だけに限らず、「安全」だけでなく「安心」も保障するにはどうすればよいか、このようなことを考えていくのも「生活心理学」のテーマの一つです。
ある一人暮らしをしている学生が災害対策で「安心」できることに、「カップヌードルを常備していること」を挙げました。普段はあまり食べないけど、あるとなぜか「安心」するというものだそうです。確かに、災害に遭遇した時、お湯さえあれば直ぐに身体と胃袋を温められる優れものです。そして、安価で場所を取らず「安全」に保存出来て…と、色々な利点が思いつきます。「安心」は客観的データだけではなく、私たちの日常?社会生活における実感(主観)から得られるものなのかもしれません。生活心理学はそのような「客観」と「主観」の世界のどちらも大事にしています。
もし、興味を持ってい頂いた方がいれば、ぜひ本学科で一緒に学びましょう。(そのような流れかどうかはともかく、写真は安藤百福発明記念館カップヌードルミュージアムにて)
(文責:塚原 拓馬)