学科教員ブログ(2015年度)
生活文化学科教員から、講義や研究などについて情報を発信します。
資格と進路(速報):「認定心理士」?「社会調査士」の書類を確認(担当:水野いずみ)
2016年3月21日
3/17(木)に、この春卒業する生活文化学科4年生を対象とした、資格の書類を確認する会を行いました。学科の先生方が、学生と一緒に、資格取得に必要な書類の内容を確認してくださいました。
今回、確認を行ったのは、「認定心理士」と「社会調査士」の資格の書類です。生活文化学科卒業生94名のうち、24名が「認定心理士」を、12名が「社会調査士」を申請します。2016年3月に生活文化学科を卒業する学生たちは、「認定心理士」については26%くらい、「社会調査士」については13%くらいが、4年間、資格取得に向けて頑張ってきたことになります。書類の内容を一緒に確認していると、一人一人の4年間が思い出され、「いろんなことがあったね」「こんなことがあったね」と話しました。書類の確認が終わった時に、「やったー!!!」と歓声を上げる学生もいました。
4月から、卒業生はそれぞれの進路に進みます。生活文化学科では、この春の卒業生の進路(現時点)について、速報をまとめています。
認定心理士資格を取得するなど、心理学を勉強したい学生が多くみられる生活文化専攻では、「製造?販売」(22%)、「金融?証券?保険」(22%)、「運輸?サービス」(17%)、「保育?教育?医療?福祉」(17%)、「情報?通信」(14%)、「建設?不動産」(5%)、「進学」(3%)などの進路がみられます。2016年度生活文化専攻卒業生は、「認定心理士」については33%くらい、「社会調査士」については13%くらいが、それぞれの資格を申請します。
これまで多くの卒業生が「認定心理士」などの資格を取得しています。卒業生と話すと、大変なことがあっても、地道にこつこつと取り組んだ学生生活を思い出し、がんばろうと思えるようです。
心理学を学んだ生活文化学科の卒業生は、高校の先生や、東日本大震災のボランティアを実践する音楽療法士など、活躍しています。『心理学ワールド』(日本心理学会)の記事[ここでも活(い)きてる心理学]にて、活躍の様子をご紹介いただきました。
『生徒の夢を叶えるために ─ 一人ひとりを理解し,信頼関係を築く』~『心理学ワールド』71号 [PDF]
『様々な視点をもって ─ 音楽療法士として』~『心理学ワールド』72号 [PDF]
生活文化学科での心理学の学びの特徴は、『心理学ワールド』(日本心理学会)の記事[心理学キャンパスデイズ] にて知ることができます。本学の心理学の学びについて、日野キャンパスと渋谷キャンパスの違いが分かりやすくなっています。
生活文化学科での心理学の学びの特徴は、『心理学ワールド』(日本心理学会)の記事[心理学キャンパスデイズ] [PDF]
今日は、日野キャンパスにて、いよいよ卒業式です。
ピアノと合唱の発表会:「保育表現技術a」「初等教科教育法」(担当:長谷川恭子)
2016年3月12日
みなさん、こんにちは!
3月も半ばになり、新しい年度が目前に迫ってきました。将来に向けて、夢が広がる時期かもしれませんね。
さて、後期授業終了間際の1月下旬に1年生と2年生合同で、ピアノと合唱の発表会を行いました。1年生は「保育表現技術a(音楽表現)」、2年生は「初等教科教育法(音楽)」の成果発表です。
1年生「保育表現技術a(音楽表現)」では、クラスごとにピアノ曲と童謡の合唱の発表を行いました。3クラス合同で、「世界中のこどもたちが」を手話をしながら合唱をしたり、音楽を全身で楽しみながらの発表でした。
2年生「初等教科教育法(音楽)」では、受講学生全員が好きな「Believe」を合唱し、途中でリコーダーも演奏しました。思いを込めて、丁寧に表現できました。
「保育表現技術a(音楽表現)」は、保育者に必要な音楽の基礎技術を身につけるため、表現の活動をしたりピアノの技術を学んだりしています。また、「初等教科教育法(音楽)」では、小学校においてどのように子どもたちに音楽教育を提供していくのか、さまざまな観点から考え、教員としての心構えにつなげていくことを目指しています。
将来は保育者や小学校教員になるみなさん。今回の経験を生かし、美しくて楽しい音楽を子どもに伝えていってほしいと思います。
幼稚園?小学校コースの学び2(担当:渡辺 敏)
2016年2月22日(2月19日「幼稚園?小学校コースの学び1」のつづき)
【 3年生 「生活」 】
この授業では幼稚園教諭?保育士コースの学生と幼稚園?小学校教諭コースの学生が一緒に学びます。特に生活の中での子どもの学びを考えることを大事にしています。右の写真は授業で多摩動物公園に行った時の写真です。各自、先生になった時に、多摩動物公園に遠足に行くとしたら、どのような計画を立てるか、また、遠足後体験を生かしどのような保育、教育を計画するか話し合います。その後、グループごとに動物園遠足を生かしたお店を作成し、近くの保育園児を招いて1時間ほど遊びました。下の写真は動物をパズルにしたお店の様子です。
【 3年生 「教育実習指導」 】
4週間の小学校での教育実習は3年生の秋に行っています。日野の小学校やそれぞれの母校での実習を終えた学生は児童理解や、教材開発、指導法などを身に付け、ぐんと成長して大学に戻ってきます。この授業では、再度、指導案を立てて学生相手に模擬授業を行い、その授業について話し合いを行います。「実習を終えると、こんなに真剣に学べるのだな。」と、教員がびっくりするくらい、学生は教師を自分の将来の仕事として真剣に考えるようになります。
【 3、4年生 「ゼミナール」?4年生「卒業論文」 】
3年生からゼミナールが始まります。私のゼミでは子どもたちの学習意欲や、メタ認知、知識の構成など、教育についての専門的な学びを深めます。4年生ではその学びを生かして卒業論文を書きます。これまでの卒業生は実習校に再度ボランティアに加わり、算数の文章題が苦手な児童の指導法や、教師の板書技術など自分が一番考えたいことを卒業論文のテーマに掲げ、実際の観察やアンケートなどを通して卒業論文をまとめました。今年の4年生も1月末に卒業論文発表会を終え無事卒業予定です。今年の卒業生たちは東京、埼玉、横浜の小学校に就職予定です。写真はゼミの3年生で鎌倉遠足に出かけた写真です。
ここまで、ざっと4年間の幼稚園?小学校教諭コースの主に小学校の専門科目についてご紹介しました。国語を担当する南雲先生と算数を担当する渡辺のほかに幼児保育の先生方や心理の先生方から学ぶ機会があります。幼児保育を学ぶことで子どもの幼児から小学校へと続く発達段階を学べます。心理系の授業では子どもの心理や支援の必要な児童についても学ぶ機会があります。幼稚園?小学校教諭コースは10名前後と人数は少ないのですが、その小回りの良さを生かして様々な場所へ出かけ、学びを深めています。今回ご紹介した場所の他にも横浜市立白幡小学校(アクティブ?ラーニング)、東京杉並区立高井戸第三小学校(算数)横浜市立上菅田小学校(道徳)品川ユニセフハウス(国際理解)、日野市発達?教育支援センター(特別支援教育)などに出かけました。
幼稚園?小学校コースの学び1(担当:渡辺 敏)
2016年2月19日
実践女子大学の生活科学部、生活文化学科、幼児保育専攻には2つのコースがあります。一つは幼稚園教諭?保育士コース(1学年40名前後)、もう一つが幼稚園?小学校教諭コース(1学年10名前後)です。今回は私が担当することの多い、幼稚園?小学校教諭コースの学びをご紹介します。このコースでは卒業時に幼稚園教諭と小学校教諭の一種免許が取得できます。実際どのような教科での学びがあるのかご紹介します。
【 1年生 「保育?教育指導の基礎」 】
幼稚園?小学校教諭コースの学生は、この授業で幼稚園教諭のほかに、小学校教諭の仕事についても学ぶ時間を持ちました。「小学校の先生たちは何時に寝ているの?」とか「朝は何時起きなのだろう…」といった生活に密着した疑問から、「教材はいつ準備しているのだろうか。」といった実際の仕事に関わる疑問まで、自分たちで考え予想します。私自身、小学校の教諭を25年ほど続けてきたので、その話と、実際に教育実習で学生がお世話になった先生方の話を紹介しました。学生たちは実際の小学校の先生の話から今まで知らなかった小学校の先生という仕事をイメージしていきます。
その後、東京学芸大学附属小金井小学校で6年生の授業を朝から半日参観しました。そして大学のすぐそばにある日野第七小学校の1年生の授業も参観し、子どもたちの1年生から6年生までの発達の違いについても話し合い理解を深めました。写真は最後の時間に行った焼き芋の風景です。キャンプや野外炊事で火を扱うのも小学校の先生の大事な仕事です。どのように落ち葉をくべると火が付きやすいのか実際に体験を通して学びました。
【 2年生 「保育?教育指導の実際」 】
2年生はこの授業で、日野第七小学校に3回ボランティアに行きました。朝早くの集合は大変だったようですが、給食を子どもたちと食べることができてとても充実したボランティアになったようです。私からは「先生がどのような指導をしているかを見てくること。」という参観の視点を学生に与えました。3回のボランティア終了後、学生はそれぞれが参観した内容をパワーポイントでまとめ、発表し話し合いました。最後に、小学校の先生の大事な仕事である遠足の計画を立川にある昭和記念公園で企画する課題を出しました。その後、実際に昭和記念公園にでかけ、自分たちの計画が実施可能かどうかを確かめました。ちょうどこの日、公園内の古民家でうどん打ち体験会をしていたので参加させていただきました。打ち立てのうどんはとてもおいしかったです。
(つづく)
もちつき大会 大成功!(担当:井口眞美)
2016年2月6日
12月20日(日)、秋山ゼミ3年生の6名が、大坂上都営住宅の自治会主催「もちつき大会」に遊びボランティアとして参加しました。
大坂上団地では、高齢化が進み、住民同士の交流の場も少なくなっているため、昨年度から、団地住民の親睦と伝統的な日本文化の継承を目的としてもちつき大会を行っています。今年は、自治会会長より「子どもたちが参加する遊びの場を盛り上げてほしい」との依頼を受け、社会福祉学の秋山ゼミ3年生が遊びボランティアを行うことになりました。
当日、もちつき大会に参加した子どもたちは、学生たちと一緒に、けん玉、投げゴマ、お手玉、カルタ等の昔遊びを楽しみました。簡単に遊べる手作りコマや紙コップけん玉も準備しておいたため、小さい子も無理なく遊ぶことができました。
自治会の方々からはお誉めの言葉をたくさんいただき、学生たちもやり甲斐を感じたことと思います。美味しいつきたてのお餅も頂戴し、温かく楽しい雰囲気の中、もちつき大会の一日が過ぎていきました。
長崎ゼミ:臨床発達心理学研究室(担当:長崎勤)
2015年12月24日
みなさん、こんにちは。
長崎ゼミでは、「生活の中での心の支援」をテーマに、地域にお住まいの3歳のダウン症のお子さん(Aちゃん)に大学のプレールームに来て頂き、月2回、「発達支援プログラム」を行っています。
「発達支援プログラム」は、①音楽活動、②運動サーキット?ゲーム、③認知?言語、④おやつ、⑤家族支援(母親面接)から構成されており、1回約2時間です。
では、その一部を簡単にご紹介しましょう。
①音楽活動プログラム
Aちゃんのドラムと大人(音楽療法士)のピアノとの即興演奏を通して、コミュニケーション能力を促しました。即興演奏では、まず、大人が子どもの演奏を模倣します。そうすると、不思議なことが起こります。子どもは、だんだんと、大人を良く見るようになり、大人の模倣をするようになりました。このような積み重ねから、徐々に、相手を意識した合奏のような演奏(セッション)になっていきました。
通常の赤ちゃんとお母さんとの間で起こる表情や体の動きによるコミュニケーション(情動調律?情動調整)を、わかりやすい音楽で促すものです。
④おやつプログラム
おやつや食事といった活動は、栄養摂取だけでなく豊かなコミュニケーションの場であり、またたくさんの学習課題が埋め込まれている場でもあります。
Aちゃんは「おせんべいとクッキーどっちがいい?」と聞かれると、最初は欲しい方を指さしして「アー」と言っていましたが、大人が、「せんべいね」と子どもの気持ちになって代弁してあげると、だんだんと、「(せん)べー」とことばで、自分の気持ちを表すことができるようになってきました。
また、大人と一緒にカルピスをつくる(co-cooking)、「調理入門」も行います。「カルピスのキャップを開けて→カルピスを適量入れて→水のキャップを開けて→水を適量入れて→マドラーでかき混ぜて」と簡単なようでも様々な認知課題が含まれています。
これらをただ「人にしてもらう」のではなく、自発的に行ったり、調整するちからを育てることは、障害があるお子さんでは特に大切だと言われています。お母さんにも作ってあげられるようになって、ちょっぴり自慢げでした。
このプログラムは(株)カルピスとの共同研究によって行っています。
◎チームプレイと保育園訪問も
学生は、4,5人のチームに分かれ、各プログラムの指導案の作成と、指導、振り返りを行います。学期に1回程度、Aくんの保育園も訪問し、園での様子も観察させて頂き、連携をしていきます。
これらのプログラムを通して、障害のあるお子さんとの関わり方を学ぶだけでなく、子どもの豊かな発達をビデオのスロー再生をみるようにゆっくり丁寧に見ることができ、「人間の発達とは?障害とは?」といった基本的なことを学ぶことができました。
ある学生の感想です。「臨床に参加する前、障害児って、かわいそう、って思っていたけど、Aちゃんはちっともかわいそうじゃない。Aちゃんはただの子どもだ。楽しそう!」
*プログラムの紹介、Aちゃんの写真掲載については、Aちゃんの保護者の了承を頂いています。
2015年度の授業を振り返って 「心理学演習1?2」(2年前期?後期)(担当:作田由衣子)
2015年12月10日
こんにちは。
このブログでは、生活文化学科の教員が交替で、それぞれの担当する
授業やゼミの様子をお伝えします。
初回なので緊張していますが、よろしくお願いします。
私の担当する心理学演習の授業では、2年生を対象として、
少人数のグループを作り、その中で担当を決めて、毎週1本ずつ、
日本語の論文を読んで発表してもらっています。
論文の題材は、twitterを使った調査や香りの効果を調べる実験など、
学生の皆さんにも興味を持ってもらえるかな?と思ったものを
選んでいます。
ほとんどの学生は論文を読んだこともなく、論文に出てくる
実験方法や分析方法なども全く分からない状態で最初は
とても苦労したようですが、回を重ねるうち、コツをつかんできたようです。
この授業を通して、論文の読み方?書き方、心理学の研究方法、
プレゼンテーションのやり方などを少しでも身に付けて
もらえたらと思います。また、日常的なテーマでもこんな研究に
なるんだと思ってもらえればうれしいです。