「世界を舞台に!グローバルに活躍するためのヒント」
今回は、2021年7月27日付の美学美術史学科ブログに掲載した「授業紹介!」の続編です。美学美術史学科の関連科目「グローバル?アート?スタディズf」では、世界で活躍するためのグローバルな人材を育てる仕掛けがたくさんあります。前回のブログでご紹介した学生数名が教室を飛び出し、現在NPO法人国際芸術家センター主催の「学生記者プロジェクト」に参加しています。
これは、各国の大使館?領事館を直接取材することで国際理解を深めることが目的です。プロジェクトの一環である「地球スペシャリスト講座①」(オンライン)が開催され、学生とともに参加しましたので、その内容をご報告します。
初回の講師は、前嶋和弘先生です。前嶋先生は現代アメリカ政治外交がご専門で、米大統領選の際にはテレビの報道番組で連日お見掛けするアメリカ研究スペシャリストです。前嶋先生に今回はじめてお目にかかりましたが、謙虚で温かいお人柄に加え、情熱溢れるお話ぶりにすっかりひき込まれました。
ご著書の数も多く「完璧な大学教授」という印象が強い前嶋先生のお話を、少しご紹介しましょう。
普通だった少年期、高校時代のおぼろげな将来像
「興味を持ってやり続けたら、今の場所にたどりついた。」少年時代は普通だったという前嶋先生は、「既存の中に埋もれた存在ではだめだ。自分には何ができるのか......」と常に考えていました。高校生の頃には、「外国について報道する仕事」や「英語に関わる仕事」が将来の目標として浮かびます。
アメリカ研究との出会い、新聞記者を経て米国留学へ
得意の英語を生かし、大学は外国語学部英語学科に進学しました。しかし帰国子女が多い環境で、自信は揺らぎます。そんなとき、出会ったのがアメリカ研究です。きっかけは、「大統領選挙を通してアメリカについて考える」というゼミのテーマでした。これを機に「政治とメディア」というキーワードは、一生かけて追及するだけの価値ある研究テーマへと発展していきます。卒業後に就職した新聞社を辞め、いよいよアメリカへ新たな一歩を踏み出しました。
留学中の試練と前嶋流克服法
「最初の授業は、衝撃的でした。」当時、ニュース英語は問題なく理解できた前嶋先生ですが、実際に専門用語が飛び交う講義やゼミでは大きなハンディを感じたそうです。博士論文の口頭試問の際には、泊まり込んで準備なさったとか...。しかし、興味のあることを徹底的に掘り下げ、困難なことにも果敢に挑戦した結果、政治外交を研究するための高度な知識と英語力を獲得し、見事に博士号を取得されたのです。世界で活躍したいみなさんに、前嶋先生から伺った夢を叶えるコツを特別にお教えしましょう。
①興味を持ち続ければなんとかなる!興味のあることを続けよう。
②ハンディがあっても、「やりたい」という意思があれば道は開ける。
③苦手なことでも、時間をかければ必ず克服できる。
<参加した学生から一言>
?講座では、前嶋先生がどのような経緯をたどり今の仕事に就いたのかを教えていただきました。質疑応答で「グローバルな人材はどのようなものか」という質問に対し、「物事の本質や問題点を正確に捉えられる人ではないか」とお答えになったのが印象的です。アメリカの選挙活動がより巧妙になり、データ収集をベースに繰り広げられる選挙戦であると伺い、日本と異なる政治情勢に直接触れることができて新鮮でした。前嶋先生のお話から、苦手意識を克服するための勇気をもらいました。
?現状に照らし合わせて講義を聞きました。コロナ禍で普段の学校生活や就職活動に大きな不安がありましたが、何事にも興味を持ち、自分の可能性を広げる必要性を実感しました。メディアリテラシーの重要性とともに、形に残らない“言葉”も大切なのだと理解することができました。