美学美術史学科の教員が担当する「博物館実習1b」
美学美術史学科の教員が担当する「博物館実習1b」の授業の中には、作品の安全な梱包の仕方について学ぶ「梱包実習」の時間があります。講師はヤマト運輸株式会社東京美術品支店で展覧会のために美術品を梱包、輸送?展示しているプロの方々です。昨年同様、「密」にならないように注意し、内容を少し変更しておこないました。
実習では、まず薄葉紙という薄い和紙を裂いてしごき、紐を作ります。次に綿を薄葉紙で包み、綿枕を作ります。お茶碗を薄葉紙で包み、それを綿まくらでくるみ、薄葉紙で作った紐でしばる、というところまで各自でおこないました。その他、仏像の梱包、輸送の注意点や絵画の梱包方法、クレートの構造について教材を用いて見せていただきました。
作品を安全に扱うには、所蔵者から作品のどこが脆弱かなどについて教えてもらい、危険を予測して予防し、作業をする人たちで情報を共有する、といったことが必要です。このように次に起こりうることを考えて行動し、コミュケーションを取るということは、作品の取り扱いに限らず、社会での様々な行動においても重要となるでしょう。
来年度はまた以前のように2人一組で作業をおこなえるとよいと思います。
学生のコメント
「作業の際には身だしなみを清潔にするといった基本的なことだけでなく、美術館の方や所有者の方とのやり取りがとても重要だということが印象的だった。作品それぞれの形式や状態に合わせて最適な梱包方法があると学んだ。」
「作品によって細かく作業の内容が決められており、またその内容が作品を第一に考えたとても丁寧なもので、作品を扱うときには、その作品、所有者さんに敬意をもって作業をしなければいけないと改めて思った。」