【生活心理専攻】家族社会学ゼミ合宿
こんにちは。
笠原ゼミ(家族社会学)で岩手合宿に行ってきました。
? 1日目
岩手大学寒冷フィールドサイエンス教育研究センターのプログラムで林業と生活について学びました。
行程:滝沢演習林(座学?スタディウォーク)→安比高原(牧場?ブナ林見学)→御明神演習林
森林は生活資源の宝庫!!食材、木材、水源など、森林がなければ都会の生活も成り立ちません。
森林はほったらかしにしていてもダメ。人間が適切に手を加えることで、自然のサイクルを維持しつつ、山の恵みを利活用できます。
林業は1本の木が育つのに60年以上もかかるうえに、広大な面積を扱う壮大な産業。長期的かつ包括的な視点が必要です。
人間が自然のなかで生かされていること、人間の生きる力とは何かを考えさせられました。
また、同じ岩手県内でも奥羽山系と北上山系で気候が異なり、植生も農作物も、人びとの生活文化も異なることを学びました。
日本の国土は狭いですが、多様な自然と生活文化があります。
東京のキャンパスでは実感できない、自然と生活文化の豊かさを体感しました。
夜は地元の美味しいビール(ベアレンビール)とワイン(紫波)で「食文化」も堪能しました。
? 2日目
沿岸の津波被災地(陸前高田市?釜石市)を案内してもらいました
震災から13年半が経ち、巨大な防潮堤ができて、住民の高台移転も完了していました。
修学旅行などで陸前高田市を訪問したことのある学生は、その変化に驚いていました。
街はきれいに再建されましたが、若い人の多くが外に出て、人口は減り、防潮堤で海が見えなくなった街は、はたして「復興」したといえるのか、複雑な被災地の今を体感してきました。
その後、釜石市鵜住居?根浜では、慰霊碑やラグビーの復興スタジアムを見学。
実際の避難経路も登って「津波てんでんこ」の大切さを学びました。
震災直後は避難した人たちが山の資源を活用して生き延びたとのこと。
三陸の海と山を望みながら、自然災害と人間について考えさせられる機会となりました。
? 3日目
有志で釜石市箱崎町を訪問し、よりコアなフィールドワーク(住民?町内会ヒアリングと巡検)を行いました。
漁業が盛んな箱崎町。海と山と空がきれいで、人のつながりを大切にする素敵な街です。
しかし、2011年3月11日の大津波で、人口の1割(72名)が亡くなり、漁業施設も含めて、街の大半が流されました。
震災当時のお話は想像を絶するものでした。
肉親をはじめ大切な人を亡くした喪失感と悲しみは、13年経った今も変わりません。
ですが、なんとか区切りをつけて、意味を探しながら生活してきた13年だったようです。
2020年に巨大な防潮堤が完成しましたが、海が見えない漁村になってしまったことを、漁師さんは嘆いていました。
漁業は再開しましたが、今度は温暖化による不漁と震災後に加速した若者の他出?後継者不足により、厳しい状況です。
それでも「海とともに生きたい」と街に残る漁師さんたちは、私たちにたくさん話をして、海の幸をご馳走してくれました。
自然のなかで生きる人びとの力強さを学ぶフィールドワーク、感動的なフィナーレでした。
来年以降も続けて行きたいと思います。
(文責:笠原 良太)