『美学美術史学科の二研究室が常磐祭に出展、串田研究室が学長賞を受賞!』
10月8、9日、渋谷常磐祭が開催され、美学美術史学科から、デザインゼミと「民俗芸能演習?特講」有志が出展しました。
デザインゼミでは毎年、卒業論文のためにデザイン?制作した作品やワークショッププログラムを出展して、各自が制作したものに対して訪問者にご意見やご感想をいただき、それらを12月提出の卒業論文作成に反映しています。今年度は伝統紋様によって生活に潤いをもたらす研究や、残すべき日本文化を現代的に翻訳する研究、AR(拡張現実)を活用したエデュテイメントについての研究などが展示され、多くの貴重なご意見をいただくことができました。
さらに昨年度のデザインゼミ受賞に続き本年度は串田研究室が「青梅夜具地の再生プロジェクト」の研究で学長賞(学術部門)を受賞しました。美学美術史学科の研究は毎年、第三者から高く評価されています。
来年度もどんな素晴らしい研究成果が発表されるか楽しみですね。皆さんも是非いらして実際に学生達の研究を体験してみてください。では、「青梅夜具地の再生プロジェクト」にバトンタッチします。
青梅夜具地の魅力を発信
「青梅夜具地の図案調査と再生プロジェクト」は、美学美術史学科の3年生?2年生の有志が構成メンバーです。西東京にある有形?無形の文化遺産を将来に継承するため、いま大学生にできることが何かを考え、次世代に繋ぐためにフィールド?ワークを行っています。
青梅市に伝承されている「青梅夜具地」については、以前このブログでもお伝えしました(「青梅の伝統工芸を知る~「青梅夜具地」調査リポート)。今回は、青梅夜具地の生地や図案のコレクションをお持ちの「ギャラリーカフェはこ哉」代表の金子静江さんのご協力を得て、10月に渋谷キャンパスで行った常磐祭での発表についてご報告します。
常磐祭(渋谷)での発表
常磐祭へのゼミ参加は今回が初めてで、少し緊張しました。メンバーで手分けし、展示室のレイアウトを考え、SNSでも発信しました。原稿や展示ポスターを準備し、当日は4名が発表しました。
内容は、①青梅夜具地の歴史と周辺地域の染織物との交流、②生活文化の欧米化と化学繊維登場による夜具地の危機到来、③貴重な無形文化遺産を生産の停止、④有形文化遺産としての夜具地の生地収集とアップサイクル品の考案についてです。
役目を終えたかに見えた有形遺産の「夜具地」は、SDGsの目標12「つくる責任つかう責任」のコンセプトと青梅の方々の協力によって、現代社会で新たな役目と価値観を得たのです。
アップサイクル品の紹介と販売
展示のタペストリーやアップサイクル品は、「ギャラリーカフェはこ哉」さんからお借りしました。けれども、「青梅夜具地」を並べるだけでは興味を持ってもらえません。そこで、青梅夜具地で作った猫とおみくじをカプセルに入れ、ガチャガチャマシーンで販売することにしました。多く方々に、夜具地のことを知ってもらいたかったからです。これが大反響で、午後には完売しました。ほかにも、オリジナルデザインのイヤリング、ポーチやノート、御朱印帳、フォーチュンクッキー入りの巾着なども販売しました。これらは金子静江さんと田邉博美さんのアイディアで、青梅夜具地がアップサイクル品に生まれ変わったものです。役目を終えようとしている有形?無形の文化遺産に新たな価値を与えて蘇らせる活動に、私たちはこれからも取り組んでいきたいです。
学生の一言
?たくさんの方々が足を運んでくださり、青梅夜具地に興味を持っていただけて嬉しく思います。何より私たち自身が青梅夜具地に魅了され、今後もその魅力を広めることができたならと思っています。
?常磐祭参加では大変なこともありましたが、無事終えることができました。この研究を温かく見守ってくださった青梅の皆様、学長の難波先生、来場してくださった方々に感謝いたします。