日野市「子ども包括支援センターみらいく」の全館オープニングイベントに400人が来場。大学と市が連携、学生40人が多彩な企画に携わる(6/29)
本学が日野市と共に地域課題の解決に取り組んでいる拠点の「子ども包括支援センターみらいく」(以下、「みらいく」)が全館オープンし、その記念イベント「ぺたぺたさんと『みらいく』探検スタンプラリー」(主催?日野市)が6月29日(土)に開催され、約400人の親子連れなどが来場しました。市の要請を受け、生活科学部の学生約40人がイベントの企画や運営に携わり、記念イベントの盛り上げに一役買いました。
アイデアを出し合った生活科学部の学生が9つのブースを運営
みらいくは、すべての子どもの健やかな成長を切れ目なく支援する、日野市の子ども?家庭?地域の子育て機能の総合支援拠点です。本学学生はセンター内の「子育てひろば」の設計に先立って室内のイメージ作りのワークショップに参加し、みらいくのイメージキャラクター「ぺたぺたさん」を生活科学部生活環境学科の学生がデザインするなど、市に協力してきました。
みらいくは5月27日にオープンした後、6月24日には子育てひろばと中高生世代スペースもできて全館オープンしました。イベント当日は、みらいくと連携したサービスラーニング(地域貢献型学修)の実施に取り組む生活科学部生活文化学科の井口眞美教授らの下、生活文化学科、食生活科学科、現代生活学科の3学科の学生が参加しました。日野市からの要請に応える形で、全15のブースのうち9つのブースの運営を担当。小さな子供から中高生まで学んで楽しめるゲームやクイズなど多彩な企画が用意され、各ブースには笑顔があふれていました。
また、ブースを回った人には、「ぺたぺたさん」のオリジナルステッカーがプレゼントされました。ステッカーの絵柄は全部で6種類。いずれも、本学の学生がキャラクターの活用案としてデザインしたものです。愛らしい「ぺたぺたさん」のステッカーを手に、子供たちは大満足の表情でした。
井口教授はもちろん、同じく生活文化学科の大澤朋子准教授と笠原良太専任講師、小坂光助教、食生活科学科の辛島順子准教授と山岸博美准教授、現代生活学科の須賀由紀子教授らも現場を訪れ、学生たちの活動を見守りました。
パネルシアター、ゲーム、食育クイズ???。子供たちに遊びを通して学びを得る工夫も
生活文化学科、食生活科学科、現代生活学科、それぞれの授業で学んだ知識を生かして、ゲームやクイズを考案。参加した子供たちが遊びを通して学ぶこともできるよう工夫を凝らしました。本学関係の各ブースの内容は次のとおりです。
?パネルシアターがはじまるよ!(パネルシアタークラブ)
白いパネル布のボードに、不織布(Pペーパー)に描いたイラストを貼ったりはがしたりして、音楽に合わせてテンポよく物語を展開するパネルシアターを、本学のパネルシアタークラブに所属する学生が披露。
?KAPLA何本積めるかな?ギネスにチャレンジ!(生活文化学科有志)
ワンサイズの板(ブロック)を積み重ねて建物や動物などさまざまなものが作れるブロック「KAPLA」。自由にブロックを積んで遊べるスペースと、ブロックを縦に1枚ずつ積む「1本積み」の世界記録(12本)に挑戦するコーナーを用意。
?食育クイズ① たべものを仲間分けしてみよう(食生活科学科有志)
箱から引き当てた食品サンプルが、「赤」「黄」「緑」のどの3色食品群に当てはまるか分類することで、それぞれの食品の栄養素の働きを学べるクイズ。
?食育クイズ② 野菜クイズ(食生活科学科有志)
色の濃い野菜(緑黄色野菜)とその他の野菜に分けることで、それぞれの野菜の特徴について学べるクイズ。
?食育クイズ③ たべもの何からできてるクイズ(食生活科学科有志)
プリンやハンバーグやかまぼこなど、食べ物や料理が何からできているのか、主な食材を当てることで「食」への興味を深められるクイズ。
?遊びひろば① 魚つりをしよう(生活文化学科有志)
お魚や「ぺたぺたさん」の手描きイラストにゼムクリップを付け、磁石の付いた釣り竿で釣り上げてもらうゲーム。イラストの準備は、幼少コースの学生たちが協力。
?遊びひろば② 「ぺたぺたさん」パズルで遊ぼう(生活文化学科有志)
本学の学生がデザインした「みらいく」のキャラクター「ぺたぺたさん」を完成させるパズルゲーム。「ぺたぺたさん」の塗り絵を楽しめるコーナーも併設。
?遊びひろば③ たべもの玉入れ(生活文化学科有志)
板段ボールに描いた動物の口に、食べ物に見立てた新聞紙ボールを投げ込み、動物に食べ物を食べさせる楽しさも味わえる玉入れゲーム
?「わ?カルタ(多世代交流カルタ)」で遊ぼう(現代生活学科 須賀ゼミ)
現代生活学科の須賀由紀子教授の下、多世代交流ツールとして学生たちが学科の垣根を越えて制作したオリジナルカルタで遊べるコーナー。
主体的な取り組みを通して、子育て支援のイメージをつかんだ学生たち
ブースの運営だけでなく、事前の企画や準備もすべて担当した学生たち。参加した学生からは、「たくさんの来場者が集まってくれて良かった」「子どもたちの笑顔が見られてうれしかった」「ほかの学科の学生と関わることができて視点が広がった」「『みらいく』」がどのような施設か、自分の目で見ることができて勉強になった」といった声が。来場者の皆さんを楽しませることができたという充実感、そして、主体的な取り組みを通して子育て支援のイメージをつかんだ達成感を味わっている様子でした。
今後も、生活科学部では生活文化学科、食生活科学科、現代生活学科、生活環境学科といった4つの学科横断での取り組みを強化しながら、その多様な専門性と優れた人的リソースを生かし、地域の子育て支援に貢献するすべを模索していきます。
熊澤修 子ども家庭支援センター長のコメント
これまでも実践女子大学の学生の皆さんとさまざまな連携を行ってきました。施設ロゴや「ぺたぺたさん」というイメージキャラクターの制作をはじめ、子育てひろばのデザインやプログラムを検討するワークショップへの参加など、「みらいく」のオープンに向けて多大なご尽力をいただき、職員一同感謝しております。また、既存の子育てひろばに保育実習に来ていただいた際には、類いまれなる熱意で子どもたちを引き寄せる学生さんたちの姿を目の当たりにし、大いに感銘を受けました。比較的年齢が近いということもあり、学生の皆さんに対して素直に心を開く子どもたちの姿が印象的で、今回のオープニングイベントでもぜひ実践女子大学の皆さんの力をお借りしたいと思い、お声を掛けさせていただいた次第です。
今回のイベントの準備期間は1カ月半ほどと比較的タイトなスケジュールでしたが、大学での学びの特徴を生かした多様なブースをご準備いただき感激しました。このようなイベントを通して、大学レベルの知見を地域の皆さんに還元できることも大変ありがたく思っております。今後もぜひ、さまざまな場面で良きパートナーとして協働し、共に学んでいけましたら幸いです。
井口眞美教授のコメント
日野市からの要請を受け、イベントに参加してくれる学生を募りました。3年生、4年生を中心とした多くの学生が手を挙げ、事前の準備から当日の運営まで、すべてを主体的に進めてくれたことを大変頼もしく受け止めています。
保育実習のスケジュールと重なっている学生が多かったこともあり、ブースの大まかなテーマはこちらで決めさせてもらいましたが、細かい内容や当日の運営スタイルはすべて学生たちの発案です。「みらいく」を知ってもらい、また来たいと思ってもらえるようなきっかけを作るにはどうすればよいかを考え、チームワークを発揮し、さまざまな工夫を凝らしてくれました。例えば、玉入れゲームのブースでは、動物の口に食べ物を投げ入れるといった見立ての手法を取り入れ、小さい子供たちがより楽しめる仕掛けにしてくれました。市の相談窓口のそばのブースでは、相談の邪魔にならないよう静かに遊べるパズルや塗り絵を採用したり、「KAPLA」で遊ぶブースでは、自由にブロックで遊べるコーナーと、1本積みのギネス記録に挑戦できるコーナーを併設し、幅広い年齢の来場者が楽しめるようにしました。学生たちの知恵が詰まったブースに、多くの来場者の皆さんが足を運んでくださったことを喜ばしく思います。
今回の取り組みは、実践の中でチームワークを学ぶ良い機会になったのはもちろんのこと、幼児保育専攻の学生にとっては、子供たちだけでなく保護者の皆さんと接する絶好の機会となりました。さらに、児童福祉法の改正により各自治体に設置が努力義務化された「こども家庭センター」の最新事例を自分たちの目で見る場にもなりました。また、今回は生活文化学科、食生活科学科、現代生活学科と3学科の学生が参加しており、学科横断型の活動ができたことは、学生のみならず教員同志の交流が促進されたという点においても貴重だったと感じています。これを機に、より多くの人々との交流が活性化し、ボランティア活動や子育て支援に興味を持つ学生が増えてくれたらうれしい限りです。
今後も、日野市と一緒になって講習会やワークショップを開催するなど、協力関係を強めていく予定です。学生の学びを地域に発信する機会の創出に、より一層努めてまいります。