図書館員のおすすめ本紹介
図書館員がおすすめする本を紹介します【日野?渋谷】
図書館の所蔵情報も入れておきますので、ぜひ、借りて読んでみてください。
生協の白石さん/白石昌則, 東京農工大学の学生の皆さん著
この「生協の白石さん」を知ったきっかけは、たまたま立ち寄った書店で見かけたからです。その頃に働いていた大学に大学生協があり、資料の購入などで大学生協の方々とやり取りがあったのも目に留まった理由の一つかもしれません。
内容は、大学生協で働く白石さんが「ひとことカード」に書かれた問い合わせや要望に回答したものをまとめた、回答集です。
ぱらぱらとページをめくり、失礼ながらも考えずに読めそうという印象を受けました。しかし、読んでみたら、とんでもない!読むたびに印象が変わる本でした。
大学生協には関係がないような「ひとこと」にも白石さんは真摯に回答をします。その回答が巧妙なのです。この本を読んでいると、白石さんは日本語を巧みに操る職人のようにも感じます。難しすぎず、簡単すぎず、読了後はなぜかスッキリしていました。短時間でも読めるからと電車で読んでしまい、うっかり笑いそうにもなりました。
勉強で凝り固まった頭をほぐすなど、気分転換にはおすすめです 。
図書館で所蔵もしているので、気が向いたら手に取ってみてください。もしかすると、新たな発見もあるかもしれません。
図書館所蔵情報
大きな森の小さな家 / ローラ?インガルス?ワイルダー作, ガース?ウィリアムズ画, 恩地三保子訳
小学校2年生の誕生日?もしかしたらクリスマスだったかもしれません。
その時のプレゼントがきっかけで、インガルス一家の物語を知りました。
ちょうどその頃にテレビドラマシリーズが放送されたこともあって、100年ほど前の自分と同じぐらいの年齢の女の子の話に夢中になりました。
物語は5歳の女の子の目を通して日常が語られるところから始まります。
最初は森の中の丸太小屋に家族で住んでいる日常、そして自然の厳しさやアメリカが発展していく時代の開拓民の生活などが、著者であるローラの回想で綴られていきます。
私が幼いころの日野は、今よりもかなり緑が多かったのですが、100年前の広大なアメリカの草原のような自然は知らなかったので、ローラたちが木に登ってお昼を食べたり、本を読んだり、木の枝を使って釣りをしていたりといった遊びにちょっとした憧れをもって読んでいました。
コロナ禍の時、物語の中で一家が流行病に感染し、長女が失明してしまう話を思い出して
いつの時代でも人間と病の戦いはあり、それを乗り越えて今につながっているのだとあらためて感じさせられました。
その時の自分の状況で物語の違う側面が見えてきます。
私にとっては、何度も読み返したくなるそんな物語です。
日野キャンパスにも渋谷キャンパスにもシリーズが置いてあるのでぜひ手に取ってもらえたら嬉しいです。