食の文化ライブラリーに行ってきました!
今回は「食の文化ライブラリー」を訪問しました。
同館は公益財団法人 味の素食の文化センターが運営する「食」の専門図書館です。
食の文化ライブラリーの沿革 |
食の文化ライブラリー(1階)
味の素グループ高輪研修センター内にある同館の外観はとても落ち着いた雰囲気の建物です。1階受付で記帳し、入館証が交付されます。1階が食の図書館、2階が食文化展示室と併設された「食とくらしの小さな博物館」になります。
1階入口から図書館内に入ると、蔵書4万冊が待ち受ける形となります。書架の配列は日本十進分類法ではなく、同館独自の分類です。とても練られた分類なので、まずは13の大カテゴリ(例えば「F 外食産業?食品製造業」)で見るところを決め、そこに行くと、中カテゴリ(F1 外食産業?食品製造業、F2 大量調理、F3 飲食情報)で分かれ、総記的な本、日本(47都道府県別)、アジア、欧米、という順に並んでいます。
1日の入館者は決して多くはないとのことですが、専門家だけでなく、近隣の小学生や全国の中学生の班別学習、また修学旅行の高校生が自由行動の一環として訪問したり、マスコミ関係者が題材探し裏付けのために訪れたりするなど、多岐にわたります。蔵書は専門家が参考にする学術書、プロの料理人向けの料理本、主婦が食事の参考にするレシピ本、作家のエッセイ本、小学校の調べ物学習まで硬軟に対応する形となっています。本だけでなく世界各国のお米のサンプル等も準備されており、色々な趣向が凝らされています。
過去の名著、面白本を発掘するテーマ展示
図書館の新着図書コーナー自体は珍しくないが、スタッフが過去の本を紹介する「発掘本コーナー」、書架に併設する形でテーマ展示が何箇所も行われており、訪問した日の「発掘本コーナー」には11月15日のアイスクリームに因んだ本が、テーマ展示には、「大阪?神戸グルメ」、「スーパーフード入門」、「萌え断」、「Japanese food」が展示されていました。
こうして見てくると、「食」とは本当に人間と切っても切れない関係なのだと分かってきます。
特殊コレクションとして、江戸期、昭和戦後にかけての料理書を中心とした古書、食に関わる錦絵、中国食文化関連本があります。
食関係の企業の社史も充実しています。就職のための企業研究にいかがでしょうか。
2階の展示も見逃せないぞ!
2階の食文化展示室では、同館所蔵資料を使った常設展?企画展(不定期)が行われる。今回は、1852年当時の幕の内弁当、花見弁当等の再現見本が展示されていました。また、江戸時代に会席料理を確立し、江戸で最も成功した料亭の一つである八百善の再現模型が展示されていたり、東海道の主な食の名物が地図とともに紹介されていた。昔も今も旅道中の楽しみはやはり、その土地の名物料理や名産なのだと実感しました。
「食とくらしの小さな博物館」では、明治から現代までの味の素の歴史だけでなく、昭和初期から現代までの食卓が再現されています。
面白いのは、味の素の歴代CMや実際に他国で販売されている商品も見られ、驚くことにインドネシアで販売されているものには<Masako>など偶然日本人女性と同じネーミングとなった商品があったことでしょうか。
食の文化ライブラリー
見学を終えて
今回も見学した2時間という時間があっという間に感じられた。当然ながら同館の魅力は言葉で書き尽くせないというのが本音です。(取材日:2017年11月21日)
できることなら、数時間の滞在ですべてを終わらせるのではなく、図書館と博物館をゆっくり半日、1日かけて見るつもりで訪問することをお薦めします。
利用案内
住所:東京都港区高輪3-13-65味の素グループ高輪研修センター内
開館日:毎週月曜日~土曜日
開館時間:10:00~17:00
休館日:日曜日?祝祭日、年末年始、図書整理期間
利用者登録:登録料100円、学生証が必要
貸出:1人1回5冊までで貸出日から3週間以内
URL: https://www.syokubunka.or.jp/library/
蔵書検索可能です!
アクセス:地下鉄高輪台駅、JR山手線品川駅
お知らせ *申込多数に付き、受付終了してしまいました。
平成30年1月19日(金)13:30~16:35まで、国文学研究資料館と味の素食の文化センター主催で「江戸書物から読み解く庶民の食べ物と生活」のセミナーが行われます。基調講演は東京家政大学の江原絢子氏、発表はクックパッド社員の伊尾木将之氏、トークセッションでは、ロバート?キャンベル、江原絢子、磯田道史の各氏が登壇します。定員は300名で事前申込制となります。