リニューアルオープンした都立多摩図書館を見学しました
今回訪問取材したのは、東京都立川市から国分寺市に移転した東京都立多摩図書館(以下、同館という)である。このLibrary Mateでは、第33号(2004.12)で近隣図書館で紹介させていただいたことがあるので、13年振りの訪問取材となります。
東京都立多摩図書館の沿革とその取材 |
キープコンセプトだが、パワーアップなる!!
立川市にあった旧館のコンセプトである、雑誌の特性を活かしたサービスを行う「東京マガジンバンク」、及び子どもの読書活動を推進する「児童?青少年サービス」という2つの機能は引き継がれ、館内は機能別に配置されている。
建物1階に入るとすぐに右手側に、同居している手作りパンとスコーンが自慢のカフェが迎えてくれる。
入館証を受付でもらい図書館に入ると、左手側に展示エリアがあり、見学当日は企画展示の「夏こそ、英語!」が行われていた。右手の開架書庫を通り過ぎると、白を基調とした明るく広々とした、旧図書館と比較して倍以上の雑誌が展示された書架空間が出現する。全面ガラス張りからの彩光とLED照明の競演により、場所によっては別の空間にいる錯覚さえ覚えた。
雑誌書架には、12言語の外国語雑誌を含む和?洋1,500タイトルの最新1年分の新着雑誌が並んでいる。先程通り過ぎてしまった事前申請が必要な開架書庫には4,500タイトルの新着雑誌が収納されているため、この図書館では約6,000タイトルの雑誌を手にとって読むことができる。
新聞?雑誌が配架されているエリアを抜けると、中高生を中心とした若い世代の利用者が楽しめる本や学習に役立つ資料が並ぶ青少年エリア、子どもの本について研究した資料や、子どもの読書に関する資料が並ぶ児童研究書エリア、申請方式のグループ閲覧室が配置され、一番奥に子ども向けの本と絵本が並ぶ部屋があった。
一日いても飽きない図書館になっている。
多摩図書館はバックヤードが面白い!!
今回の見学で一番印象に残ったのは、利用者が普段入ることのできない2階の書庫である。同館が所蔵する明治期から現在まで雑誌約17,000タイトルは未製本状態で
1号単位で保存されている。その数100万冊を超えるという。
16ミリ映画フィルムの部屋、約6,600タイトルの創刊号コレクション、そして、側板に多摩産の無垢の杉板が使われている電動書架もあり、1階ガラス越しに見えた何かはこれだったのかと驚かされた。
同館は移転オープンを機に「東京マガジンバンクカレッジ」を開設。「雑誌総合」「多摩」「鉄道」の3つのセクションを設け、利用者に「雑誌の魅力を知る?作る?伝える」という共通テーマのもとに、単独または各セクションが連携して、セミナーやワークショップなどの事業を互いに関連付けて行っている。
一方で、一般利用者を対象に、普段は入れない図書館の書庫内を案内するバックヤードツアーを定期的に実施している。機会があったら是非参加することをお勧めしたい。
東京都立多摩図書館(多摩図書館)
見学を終えて
見学した1時間半という時間が短く感じられる程、多摩図書館の充実振りには目を見張るものがある。言葉で書き尽くせないというのが本音である。
今回の見学記では、あえて図書館内の写真は掲載しなかった。夜9時まで開館しているので、自分の目で確認してほしい。(取材日:2017年7月4日)
<東京都立多摩図書館>
所在地:国分寺市泉町2-2-26
開館時間:平日10時から21時
土?日?祝休日10時から17時半
休館日:毎月第1木曜日
座席数:約220席
フリーWifiあり
詳細はホームページをご確認ください