吉田 雅彦 (人間社会学部ビジネス社会学科教授)
(実務から見た経済学?経営学、観光、企業?業界研究、キャリア形成)
『国際ビジネスの理論と実務—予備知識なしで読める?わかる』
出版社:鉱脈社(2023年9月)
本書は、学生や若い社会人が、国際ビジネスの理論と実務知識を、効率的に漏れなく学ぶことを目的としている。
本書の特徴は、第一に、国際ビジネスに必要な知識を残らず取り入れた、先例のない、類を見ない本である。国際ビジネスは、経営学、その中の多国籍企業論や国際経営論、経済学、法律学の中の国際経済法、知的財産法など複数の学問領域の理論と実務知識を必要とするので、特定分野を専門とする研究者は、このような本を書くことはしない。本書は、実務家から研究者に転じた著者が、国際ビジネスに関して広範な内容を体系整理した、他に類を見ないものである。
本書で採り上げた52の理論と59の実務知識の一覧を目次に示したので、本書を読む前に知っているもの、知らないものを確認いただきたい。読後には、記憶に定着したか確認いただきたい。さらに深く学びたい読者のためには、文中で推薦図書を紹介している。
第二に、企業の仕事の流れに沿って国際ビジネスを学ぶ構成としている。経営学の専門分野別ではなく、1.顧客は誰か(ターゲット)、2.顧客にとっての価値(バリュー)、3.企業の事業遂行能力(ケイパビリティ)、4.どう黒字化するか(収益モデル)という企業の仕事の流れに沿ってa)、経営学と国際ビジネスに関わる用語や理論を解説している(図1参照)。
第三に、予備知識がなくても、辞書や参考文献なしで本書を通読できるようにした。経営学や経済学の基本用語やグローバル化の経済史も解説した。
本書が、企業に就職して海外でも活躍したいと考えている学生や、国際営業や海外工場への転勤などで国際ビジネスに関わることになった社会人にとって、必要な知識を効率的に漏れなく取り入れることに貢献できることを願っている。(「はじめに」より)
■目次
第Ⅰ章 国際ビジネスの基本用語と歴史
第Ⅱ章 国際企業の顧客は誰か
第Ⅲ章 国際企業の顧客にとっての価値
第Ⅳ章 国際企業の事業遂行能力
第Ⅴ章 国際企業が利益を得る
第Ⅵ章 国際企業の企業戦略
第Ⅶ章 理論?実務知識の詳細