新宮市立佐藤春夫記念館と包括的連携協力に関する協定を締結しました(8/29)
本学と新宮市立佐藤春夫記念館(和歌山県新宮市 辻本雄一館長)は8月29日(月)、新宮市役所で包括的連携協力に関する協定を締結しました。互いの持つ資源を有効に活用し、相互の発展とともに日本文化の振興に寄与することが目的です。
なお、今年の9月には、本学で締結記念の展示を開催いたします。
経緯
本学では、日本の近代作家中たぐいまれな多才さと幅広い人脈とを誇った佐藤春夫(1892~1964)の未公開資料について、佐藤家ご遺族の深いご理解のもと調査を進めてきました。春夫の出身地?和歌山県にある新宮市立佐藤春夫記念館とは、2014年の没後50周年の際、本学文芸資料研究所が展示協力に入ったことから展示物の貸借や情報交換を通じて交流を深めることになりました。そして、2020年に台湾文学館で開催された特別展「百年の旅びと:佐藤春夫1920台湾旅行文学展」には双方が共催団体として名を連ね、着実に協力の実績をあげてきました。今回の包括連携協定は、この関係をより発展させ、東京と新宮とをつなぐ近代日本文壇史研究の拠点を形成するために結ばれたものです。
8月29日に行われた調印式には、難波雅紀?本学学長の代理として佐藤悟?本学文芸資料研究所長と河野龍也前所長(本学客員研究員?東京大学准教授)が出席し、辻本雄一?新宮市立佐藤春夫記念館長と協定書を交わしてきました。
佐藤春夫記念館 辻本館長コメント
佐藤春夫生誕130年の節目に協定を結び、新宮と東京で展示会を共催できるのを非常にありがたく思います。学生の協力も得て、佐藤春夫の資料が広く紹介され、これからますます活用されていくように期待しています。
文芸資料研究所 佐藤所長コメント
佐藤春夫は言うまでもなく、私が専門とする近世文学の世界でも、また近年本学で取り組んできた宮廷装束史研究の上でも、新宮という場所が秘める学術的な重要性は、文学を超えた広さと深さを持っています。提携がさらに発展し、学術研究?交流など幅広い関係を構築していきたいと思っています。
文芸資料研究所 河野客員研究員コメント
近代文芸資料のコレクション形成を行っている実践女子大学で、佐藤春夫資料を長年調査できたことに感謝しております。全容の解明には時間が必要ですが、芥川龍之介書簡や太宰治書簡など、すでに相当重要な資料の存在も明らかになりました。直筆資料の解読は、文壇史の再解釈や言論規制の実態を知るために非常に注目されています。春夫の資料は今後、その中心的な位置を占めるものです。記念館と協力しながらさらに調査を進めたいと思います。
佐藤春夫記念館と実践女子大学との包括的連携協力
(1) 共同研究の実施
(2) 講義、講演及びシンポジウムの実施
(3) 学術情報及び資料の交換
(4) 研究?教育への相互助言
(5) その他必要な展示、調査及び研究
包括連携協定締結記念イベント
包括連携協定締結記念として、佐藤春夫記念館では企画展「わんぱく時代の地から—知られざる佐藤春夫の軌跡—」を10月25日(火)~来年2月12日(日)の期間実施。また11月2日に講演会を予定。
本学では、新出秘蔵資料展「知られざる佐藤春夫の軌跡—不滅の光芒—」を9月26日(月)~10月15日(土)で実施します。また、国文学科公開講座「美の冒険者?佐藤春夫の挑戦」を10月8日(土)に開催。
詳細は以下からご確認ください。