※2023年1月4日(水)日経チャンネルにて
「『真の豊かさ』を次代へ 笑顔の架け橋 Well-being」が公開されました
国文学科の深澤晶久教授と人間社会学部3年の齋藤由佳さんが出演したBSテレビ東京の番組が、日本経済新聞が運営する映像ポータルサイト「日経チャンネル」に公開されました。10:28から深澤教授、齋藤さん含む本学学生5名が登場します。
次代が実装すべき「真の豊かさ」を考える「日経Well-being(ウェルビーイング)シンポジウム」が10月6日(木)、東京?大手町の日経ホールで開かれ、本学人間社会学部3年の齋藤由佳さんがパネリストとして登壇しました。齋藤さんは高校生から社会人1年目までの同世代の若者3人とともにウェルビーイングとは何かを議論、ウェルビーイングとの向き合い方について意見表明しました。本学のウェルビーイングの取り組みを、大手メディアを介して発表する格好の機会となりました。
「世界幸福度ランキング」54位の日本を変えるには
「今あなたは幸せですか」。モデレーターでタレントのパトリック?ハーラン氏(通称パックン)が、ウェルビーイングについてのパネルディスカッションのなか、パネリストにこう問い掛けました。同氏によると、2022年「世界幸福度ランキング」の日本の順位は、146か国中54位にすぎません。日本がウェルビーイングについて、どこかに問題を抱えていることは明らかです。
ウェルビーイング=持続的な幸せ
ウェルビーイングとは、「良い状態」という意味で、辞書を引くと「幸福、福利、健康」とあります。身体面と精神面が満たされた広い意味での幸福を示す言葉です。ハーラン氏の問題提起に対し、パネリスト4人が勢いよく挙手。それぞれにウェルビーイングに関わった経験を詳述しました。
ウェルビーイングを意識している会社を重視
「幸福とSNSの関わり」「高齢化や不景気による幸福感の低下」など今時の若者らしい見解が示されるなかで、本学の齋藤さんが指摘した日本のウェルビーイングの課題は「自由度の低さ」でした。
齋藤さんは、日本の場合、「有休や育児休暇、プライベートな時間が諸外国と比べて少ないと懸念している」と問題提起。自身の就職活動に向けての経験を振り返り、「企業を選ぶ際はウェルビーイングを意識している会社を重視する」と強調。「社員が活き活きと仕事をし、認め合えたり、共感しあえたりする関係が理想だ」と訴えました。
ウェルビーイングでオススメの行動とは
では、そんな「ウェルビーイング」な生活を実現するため、幸福を感じるオススメの行動はあるのでしょうか。
日々の小さな繋がりが達成の第一歩
他のパネラーから「心を豊かにする趣味を見つける」「生活拠点を複数もつ」などユニークな意見が飛び出すなか、齋藤さんが強調したのは「学校で勉学に励んだり、友人と交流したり、日々の小さな繋がりがウェルビーイング達成の第一歩」という極めてオーソドックスなアクションでした。
というのも、齋藤さんにとり、ウェルビーイングとは「日々の中に散らばっている幸せ」であり、「ウェルビーイングを認知してからは、楽しい時はどんな時?と常に自問自答している」という生活信条に他なりません。そんな齋藤さんだからこそ、ウェルビーイングを実現するのに、ことさら特別なアクションは必要ないということなのでしょうか。
幸福は波及する-自己の意識改革を
「幸福は波及する効果がある」。壇上の4人が若者らしいみずみずしい意見を闘わせるなかで、そんな結論が見えてきました。「自分がやらされていると感じずに自分が選んでいると、脳内で言い聞かせることが大事だ」と、パトリック氏は議論を締め括りました。ウェルビーイングに日々向き合う未来世代の若者の議論を通して、日々明るい社会の実現に向け、一人でも多くの人の意識改革が必要不可欠だということが、聴衆に伝わる機会となりました。
JWPメンバーの代表として
日本経済新聞社主催の「日経Well-beingシンポジウム」は、今回で4回目となりました。シンポジウムは6日から7日かけ多様なテーマでパネルディスカッションが連続して行われ、齋藤さんが登壇したパネルディスカッションは「未来世代のWell-being」をテーマに6日15時40分から約1時間、日経本社3階の日経ホールで開催されました。
今回、齋藤さんは、本学で昨年9月に発足したJWP(実践ウェルビーイングプロジェクト)研究会のなかで地道な活動を積極的に積み重ね、メンバーの代表として登壇しました。JWPは発足以来、これまで「丸井グループと社会連携ワークショップ」(2021年11月6日)、「カードゲームでSDGsへの理解を深めるイベント」(2021年12月12日)、「高校生とともに取り組むSDGsカードゲーム」(2022年3月29日)などの活動を重ねました。
深澤教授の話
「東京2020」に続くプロジェクトとして内容を模索していく中で、ウェルビーイングに出会いました。2050年責任世代の学生に、SDGsの次を考えられる視点を有して欲しいと考え、このプロジェクトを立ち上げました。企業も、行政も、まだ手探りの状態ではあると思いますが、これからの社会を支えてくれる大学生に、自分のこととして主体的に問いを立て、思考を積み重ねていく事に意味があると考えています。
なお、当プロジェクトには、私が担当するキャリア教育科目を履修した学生の有志が自ら手を挙げて参加してくれており、その数約30名です。実践女子大学のみならずこれからの社会の先導者として成長を続けてくれることを期待しています。
取材メモ
これまで、「ウェルビーイング」という言葉は耳にしてきましたが、どこか他人事のように捉えていました。インスタグラムなどのSNSを開くと、誰かの幸せそうな様子が目に入ります。人と比べては自分が不幸な気がしてしまう、そんな感情に陥ったことが私もありました。便利な世の中になればなるほど、「幸せ」に慣れてしまい、「幸せ」を見失いがちです。
持続的な幸せを求めるために、まずは自分と向き合おうと思います。真の豊かさ実現を求める権利は誰しもが持っています。皆さんも、ウェルビーイングを少しずつ意識してみて下さい。きっと以前より心が豊かになると思います。