岩手県久慈市の郷土料理「まめぶ」の魅力を発信する「まめぶアンバサダー」の活動が今夏スタートしました。本学の学生ボランティア2人が中心となり、8月に「まめぶ」発祥の聖地?同市山形町を訪問。父祖伝来の「まめぶ」の作り方を地元のご婦人らから伝授してもらうとともに、闘牛大会開催中の平庭高原闘牛場(山形町)にも足を延ばし、まめぶ販売に声を枯らしました。
「まめぶ」を世界に
公募で選ばれた学生ボランティアは、文学部国文学科2年の鈴木紗弥花さんと生活科学部食生活科学科1年の阿部晴菜さんの2人です。鈴木さんは「まめぶを世界に広めたい」とまめぶアンバサダーに応募。阿部さんは「食に興味がある」と久慈市の郷土食の伝道師を志しました。
地区伝統のまめぶを学ぶ
鈴木さんと阿部さん2人のまめぶの聖地訪問は、8月20日(土)から21日(日)にかけ行われました。このうち、20日は久慈市内の山村文化交流センターおらほーる(同市山形町川井)で、地元の日野沢地区と同川井地区がそれぞれ出身というご婦人2人により、地区伝統のまめぶの調理講習がありました。学生2人が直伝の作り方を伝授してもらいながら、食べ比べを楽しみました。
というのも、まめぶは、同じ久慈市山形町内でも、8つの集落ごとに団子の形や具材、味付けが微妙に異なるのだとか。8集落に共通するのは、団子が小麦粉で作られ、中にクルミが入るという点だけと言います。
実際、まめぶの具材は、にんじんやごぼう、油揚げ、焼き豆腐、かんぴょう、しめじ(しいたけ)が基本ですが、日野沢地区はさつまいも、揚げ豆腐も入れるのが習わし。また、大半の集落は団子の中身にクルミと黒砂糖ですが、日野沢地区はクルミのみです。
これに対し、川井地区は慶弔時の団子の形に特徴があり、祝い事は鶏卵形(子宝に恵まれますように)、法事は丸形(丸く収まりますように)にすると聞きました。
闘牛場でまめぶ販売に奮闘
翌21日(日)は、平庭闘牛大会しらかば場所を開催中の平庭高原闘牛場(山形町来内)を来訪。頭に鉢巻、実践女子大学のネーム入りピンクの法被に身を固め、「久慈まめぶ部屋」謹製まめぶの露店販売に奮闘しました。
この間、遠藤譲一久慈市長も闘牛場に駆け付け、「まめぶ」アンバサダーの学生2人をサプライズで激励。また、闘牛大会の対戦の合間には、主催者の厚意で学生が闘牛場の柵内に入ることを許され、「まめぶ」アンバサダーの存在価値を存分にアピールする格好の機会を得られました。
現地訪問前に調理体験
まめぶアンバサダーは、久慈市と本学の社会連携活動の一環として6月に学生を公募、7月25日(月)から活動をスタートしました。8月の現地訪問に先立ち、学生らは同日と8月8日(月)の2回、事前研修も行いました。
このうち、25日はZoomミーティングで久慈市やまめぶについて同市総合政策部政策推進課の職員の皆さんからレクチャーを受けました。その際、次回ミーティングまでに作り方を調べた上で、まめぶを作ってみるという課題が出され、8日のミーティングで、実際にまめぶを作った感想を共有しました。
本学と久慈市は2019年2月、「まめぶ」と「お汁粉」を掛け合わせた「まめぶるこ」の商品開発などがきっかけで包括的連携協定を締結。これまで本学考案「まめぶるこパン」がふるさと甲子園で全国デビュー(2019年9月)、学生が闘牛場で実践オリジナル開発の「マスク」「金平糖」の販売(2021年10月)など、相互交流を深めています。
「まめぶ」アンバサダーのインスタグラムはこちらです。
https://instagram.com/jissen_mamebu?igshid=YmMyMTA2M2Y=
取材メモ
こんにちは!
美学美術史学科4年の
遠藤花連(えんどう?かれん)です。
新聞4紙を読み比べながらのマスコミ就職活動が実り、来春、全国紙のN新聞社に就職することが決まりました。卒業までの4か月間、学生記者として私たちのキャンパスライフを彩るたくさんの話題を紹介します。
今回は本学の「まめぶ」アンバサダーに注目しました。彼女たちが日々更新するインスタグラムには、久慈市内の魅力が詰まっています。まめぶの作り方を直伝された様子を目にし、なんだかほっこりとした気持ちになりました。同時に、新潟県の郷土料理「粕汁」を祖母と作った経験を思い出しました。その土地独自の食文化を学ぶことは、食と自分達のつながりを改めて感じることができる絶好の機会です。
「まめまめしく健康で達者に暮らせるように」。そんな願いが込められた「まめぶ」。甘いのか塩っぱいのか。地域ごとの味付けも気になるところです。いつか私も食べてみたい、そう強く思います。久慈市との交流が、今後ますます発展することを心より期待しています。