深澤晶久文学部教授(キャリア教育担当)の「グローバル?キャリアデザイン」を履修する学生が1月19日(火)、ユニークな演習に取り組みました。講師に招いた株式会社ロバート?ラスムセン?アンド?アソシエイツ代表取締役社長の蓮沼孝氏が、特別オリジナルプログラムを提供。学生たちは、「二次元の記号で自身の内観を表現する」「他人に作品を観てもらうことで新たな自己を発見する」という独特な体験ワークショップに、試行錯誤しながらチャレンジしました。
オミクロン急拡大でオンラインに変更
授業は、足球现场直播,大发体育在线のオミクロン株急拡大のためオンラインで行われ、特別プログラムは、毎年恒例となった「レゴシリアスプレイ」に代わるプログラムとして急遽切り替えて実施されました。ちなみに、ロバート?ラスムセン?アンド?アソシエイツは、国内でレゴシリアスプレイの普及?啓発活動に取り組んでいる企業であり、レゴシリアスプレイは、おもちゃの「レゴブロック」を使うユニークな研修として知られています。
それによると、学生たちは、自分のことを他人に「効果的」に伝える発想にチャレンジしました。具体的には▼アヒルを描く▼もう一度アヒルの絵を描く(アヒルの一部のみを描く)▼猫の写真に名前をつける▼「今の私」を○△□で表現しよう!▼「私が挑戦してみたいこと」を○△□で表現しよう!-などの演習です。視点を変えて考えたり、自分の作品の見る位置を変えたりすることで、異なる解釈が出来ることを学ぶ狙いがあります。
こうしたオリジナルプログラムの中には、二次元の世界で、丸、三角、四角の図形を使って内観を表現する、というユニークな試みもありました。
猫の写真で発想を膨らます
このうち、演習「猫の写真に名前をつける」は、「雪の降るなか、空を見上げて後ろを振り返る子猫」の写真を見て一言!と、発想を膨らませる問題です。同じ写真を見ても、人により受け止め方が違うというわけです。
学生からは「生まれて初めての雪遊び」「ケーキになるまで」「(雪は)どこから?」などの写真キャプションが提案されました。それぞれ「大きさから、写真の猫は子猫で、飼い猫だと思った。(飼い猫で)いつもは家の中にいるため、初めて雪を体験しているのだと思った」、「猫の背中に積もっている雪が粉雪のように見えた。このまま猫が雪に見とれていたらケーキみたいになりそうだと思った」、「雪を初めて見た猫。この雪はどこから来ているのだろうと上を見上げている様子に見えた」などを理由に挙げています。
「挑戦してみたいこと」を○△□で表現
他方、「○△□で『私が挑戦してみたいこと』を表現しよう!」という演習は、多くの学生が戸惑い、表現力で個人差が際立つ結果となりました。例えば、「車の免許を取りたい!」という気持ちを表現した学生は、図形の○△□で「車」を表現。○△□で「美術館で子供達に対話型鑑賞をしたい!」という学生もいました。
演習を振り返り、ある学生は「○△□で表現することが難しく(自分が描いた図形は)シンプルなものになった。班のメンバーは、図形だけで世界地図ややりたいことを表現していて、すごかった」と述懐。また、別の学生は「私は、○△□で就活を表現した。一緒の班だった4年生は、対面でいろんなことがしたいと話していた。学年によって描くことが違って面白かった。一年後(に書くことがあったら)、自分はどんな図形を描くだろうかと思った」と語ってくれました。
「グローバル?キャリアデザイン」の授業は、学部を問わず3年生を対象としています。今年度履修した37人にとり、今回の体験ワークショップは自分の作品を他人が「観る」ことを通して、自分の新たな「内観」に気づくきっかけとなりました。
企業や教育機関に普及進む
翻って、コロナ禍がなければ「レゴシリアスプレイ」は、どんな体験ワークショップだったのでしょうか。ロバート?ラスムセン?アンド?アソシエイツのHPなどによると、レゴシリアスプレイは、デンマークの玩具メーカー、レゴ社の当時、教育部門?開発リーダーだったロバート?ラスムセン氏が中心になり開発した新たな対話の手法です。誰もが一度は遊んだことのある「レゴブロック」を通して、「組織のビジョン作り」「チームビルディング」「コミュニケーション力強化」などの体験ワークショップに取り組みます。組織の抱える課題を可視化し、組織に内在する知恵を結集して解決に導くユニークな研修として注目を浴び、企業や教育機関を中心に普及が進んでいます。
深澤晶久教授の話
グローバル?キャリアデザインの授業でも恒例となった「レゴシリアスプレイ」。この手法をいち早く日本に導入し、大手企業から大学までの幅広い領域で、活用されている蓮沼先生には、毎年、この授業をご支援いただいています。
今年は対面での実施が出来ず、「レゴシリアスプレイ」は実施出来ませんでしたが、蓮沼先生のご厚意により、オンラインで行えるオリジナルの体験ワークショップが実現しました。図形や写真などを通して自らの考えを可視化しながらさらに深く考えてみることで、思考の形に気づけたり、他社からの刺激を受けたりと、キャリアの授業では、本当に貴重な経験となりました。蓮沼先生の毎年のご支援に心から感謝申し上げます。
取材メモ
学生の皆さんの発想力、表現力に終始驚かされた1時間半でした。本講義を通して、「見方を変える」ことで視野が広がり、新たな発見があることを学びました。何事も多角的に捉え、考えを深化していきたいですね。今回の受講生の大半が3年生ということで、これから就職活動が本格化していくことと思います。本講義での学びを活かし、自身の考えを表現していきましょう!
来年度は対面型の授業が復活し、私もレゴブロックを使ったレゴシリアスプレイにも挑戦してみたいです!