広島や長崎、沖縄の被爆?戦争体験をオンラインで学ぶテレビ朝日主催の「バーチャル修学旅行」が10月24日(土)に行われ、本学からも人間社会学科の駒谷真美教授のゼミ生や実践女子学園中学校高等学校の生徒らが参加しました。そのイベント参加の振り返りが11月1日(日)、東京都渋谷区のFMコミュニティラジオ「渋谷のラジオ」の番組内であり、本学園からの参加者の声として「私と同年代であるにも関わらず、被爆や戦争に対する考え方や知識、知ろうとする意識の違いに驚いた」とする高校2年生の感想が紹介されました。
本学園の学生?生徒も多数参加
バーチャル修学旅行は、足球现场直播,大发体育在线の感染拡大で修学旅行の中止や延期が相次ぐなか、リアルの校外学習に代えて戦争体験をオンラインで学ぶ機会としてテレビ朝日が企画しました。24日(土)午前10時から約2時間にわたり、テレビ会議ZOOMで開催され、全国から24中学?高校の生徒700人以上が参加しました。本学園からも駒谷教授ほか駒谷ゼミの学生6人、中学校高等学校からは佐川大先生ほか高校1年生と2年生の計20人が参加しています。
それによると、「講師」を務めたゲストは、2017年12月にノーベル平和賞授賞式でスピーチし、自身も広島で被爆したサーロー節子さん、長崎出身の被爆2世でサッカー日本代表監督の森保一さん、沖縄出身のタレント?りゅうちぇるさんの3人です。イベントはサーロー節子さんの被爆体験の話で始まり、森保監督の長崎の原爆の話、りゅうちぇるさんの沖縄戦を体験した祖母の話と続きました。この間、現代史研究家で作家の保阪正康氏が、「ご意見番」として日本の第二次世界大戦の歴史を必要に応じて解説しました。
このうち、サーロー節子さんは今回、自宅のあるカナダのトロントから中継で参加しました。88歳の高齢となった今も核兵器廃絶を世界に訴える精力的な活動を続けており、イベントの最後には、「今の若い人たちの学びたいという真摯な態度に勇気付けられた。皆さんも頑張ってください」とエールを送ってくれました。
本学のJJキャンパスボイスで紹介
こうした本学園の大学生や高校生が参加したバーチャル修学旅行の模様を、イベントから8日後、「渋谷のラジオ」の「JJキャンパスボイス!!」が番組の中で取り上げました。JJキャンパスボイスは、本学公認のラジオプロジェクトで、2019年10月から駒谷ゼミが中心となり、企画?取材?発信を担当しています。「JJ散歩 in Shibuya」や「JJに聞いてみよう!」のコーナーがあり、放送は毎月第一日曜日15時から約1時間です。
この日のオンエアには、駒谷教授のほかゼミの学生3人が出演しました。中間試験で番組に出演できない本学園の高校生に代わり、大学生の一人がバーチャル修学旅行に参加した高校2年生の感想を代読してくれました。その高校生の感想とは-。
サーローさんの話に深い悲しみと共感
「一番印象に残った話が、サーロー節子さんが語る亡くなった姉と甥を火葬する場面の話でした。火葬されている時に(サーローさんが)涙一つ流さず見ていたと聞いて、どれだけの悲しみや悔しさ、もしかしたら、それさえも考えられないような感情を、幼いながらに持ったのだろうかと思うと、実際に自分が体験したかのような感覚になり、やるせない気持ちで一杯になりました。
広島や長崎、沖縄から参加した皆さんの発言を聞いて、私と同年代であるにも関わらず、被爆や戦争に対する考え方や知識、知ろうとする意識の違いに驚きました。(私が学ぶ実践女子高校のある東京都渋谷区と)直接関わりのない地域の方々と、戦争体験についての意見を共有したことで、次世代の人々にもつないでいきたいと強く思うきっかけになりました」
サーロー節子さんの核兵器廃絶を訴える心からのメッセージは、確かに今回のイベントを通じて、本学園の大学生、高校生に届いていました。これを受け、この日のJJキャンパスボイスの番組パーソナリティは、こう語り、コーナーを締め括りました。
「(こういう被爆?戦争体験は)教えていただかないと分からない。私たちの前の世代のことを次の世代に伝えていくことを、どんどんしていくことによって、歴史のバトンも渡されていきます。だから、こういう機会があると、とてもいいですね」
実践、南山、広島女学園が行動を起こす
バーチャル修学旅行のイベントの模様は後日、テレビ朝日の広報番組「はい!テレビ朝日です」(毎週日曜日AM5:00~5:20)でも6日と13日に分けて、取り上げられました。このうち13日の放送では番組の終了間際、テレビ朝日の女性アナウンサーが「このイベントにはその後がありまして…」と切り出し、実践女子学園中学校高等学校(東京都渋谷区)と南山高等学校女子部(名古屋市)、広島女学院高等学校(広島市)の生徒が自主的に呼び掛けあってリモートで「合同平和学習会」を開催したと紹介。その自主学習会について「平和について普段からどんな学習をしているのか、自分たちに何ができるのか行動することが大事だ、などの意見が出た」などと語りました。
取材メモ
今回のバーチャル修学旅行は私もオンラインで参加しました。サーロー節子さんのお話はやはり、私にとっても印象深いものでした。実際に、サーローさん自身が被爆された時の情景と気持ちとを力強く語って下さいました。私を含め、より多くの人に声を届けられるという点は、ZOOM配信の強みだなと感じました。今回のバーチャル修学旅行は、私にとっても平和について改めて考えることができた貴重な機会となりました。