渋谷でグローバル、キャリア形成にかかる初のセミナー開催!学生に海外に踏み出すきっかけ促す(9/17)
グローバルを軸にした学生のキャリア支援に関するセミナーが9月17日、渋谷キャンパスで開かれました。国際交流推進部とキャリアサポート部が共同で同種のセミナーを開催するのは初めて。本学に今年新学部の国際学部が創設されたことに伴い、グローバルにより力を入れる一環で開かれたもので、海外へ一歩踏み出すきっかけを作ったり、留学後のキャリア形成を考えたりするのが狙いです。
欧州のIT先進国のエストニアと日本をつなぐKeyさんと熊谷さん。「コミュニケーション力で世界で通用する人に」
渋谷キャンパス1階にリニュアルオープンしたグローバルラウンジで開かれ、さまざまな分野で活躍する3組4人のゲストから、留学やグローバルなキャリア形成に役立つ情報の提供が行われました。セミナーには、留学に興味関心を示す学生のほか、海外で就業経験を積み、視野を広げるグローバルインターンシップ制度を利用したことがある学生が参加し、リラックスした雰囲気で行われました。
欧州のIT先進国として知られるエストニアと日本の教育機関などの架け橋となり、教育?ビジネス支援をする人材派遣会社「Next innovation O?」共同代表のKey Mayumi Inaさんと熊谷宏人さんの2人は「エストニアを中心とした世界の女性の働き方」のテーマでトークを披露しました。
Keyさんは16歳で渡米。以来、ずっと海外生活を続け、仕事等で50カ国の訪問実績があるというキャリアの持ち主。約10年前からエストニアで暮らしています。熊谷さんは、スタートアップ、教育、IT基盤が進んでいるエストニアの大学でサイバーセキュリティーを学んだ経験があり、その後はエストニアに残ってKeyさんと現在の会社を立ち上げたそうです。
Keyさんはエストニアの印象について「女性が働きやすく、子育てしやすい魅力ある国」とし、熊谷さんも「日本では年功序列を気にしたりしますが、ゼロキャリアの若者でも挑戦する志があれば叶う環境があり、受け入れる社会がある」と説明しました。
エストニアは人口約136.5万人の小国でありながら、欧州で最もスタートアップが多く起業家を引き付けていることについて、Keyさんは「政府や行政の人でもアイデアを馬鹿にしない。みんな真剣に聞き、人の意見を否定せず、必要なことは何かを考えてくれる」と話し、「将来海外で暮らしたいと思ったら一度エストニアに行ってみてほしい」と提案しました。
これからのスキルやマインドをどう身に付けていくべきかについて、熊谷さんは「人間同士でしか生み出せないことがあり、それは時代とともに変わるのでそこを見逃さないでほしい。AIで失われる仕事がある一方、今はない仕事が生まれることもあります。今ある仕事だけで選択することはしないで」とアドバイス。Keyさんは「人と人をつなぐ仕事は、思いやりや心がないとできません。コミュニケーション力を何のために誰のためにと考えていくと、世界中どこに行っても求められる人になれると思います」と締めくくりました。
プロコーチ兼講演家の新村さん「自分と向き合って、決断してほしい」
続いて、プレゼンテーションをしたのは元本学のキャリアアドバイザーでプロコーチ兼講演家の新村敦也さん。「留学で見えてきた就活の軸」をテーマにお話をしてくれました。新村さんは、富士通株式会社でシステムエンジニアをした後、一時、本学のキャリアアドバイザーに就いていましたが、現在はフリーで生き方のアドバイスなどをするコーチングの仕事に携わっています。大学時代はやりたいことが見つからず、コンプレックスを持っていたそうです。それを変えることができた一番のターニングポイントは、イギリスへの海外留学という「決断」だったそうです。まず、「留学したいかどうか、自分と向き合って確認してほしい。そして、自分の気持ちを認めてほしい」と助言。さらに、「自分の決断を応援してくれる人の声に耳を傾けてほしい」と話しました。
また、アップルの創業者、スティーブ?ジョブズによるスタンフォード大学の卒業式でのスピーチで使った言葉として有名になった「Connecting the dots」(コネクティング?ザ?ドッツ)を紹介しました。点と点をつなぐという意味で、過去の経験が、後に思いもよらないことに生きてくるということを示した名言です。新村さんは「今はわからないとしても、自分の興味があることやその経験は後でつながることがある」と述べ、海外留学に踏み出すことの必要性を説きました。
ソニー銀行中井さん、海外でのお金の使い方を指南 「現金よりカードを」
最後は、ソニー銀行の広報?サステナビリティ推進室マネージャー、中井聡美さんが「海外と渡航時のお金の使い方について」というタイトルでお話をしました。
中井さん自身は、大学時代にオーストラリアへの留学を経験。その後、ハワイの会社に勤め、2018年からはソニー銀行で働いているということです。海外ではクレジットカードやデビットカードなどのカード決済が日本よりかなり普及しており、「現金は必要最低限の額を持っていき、あとはカードを使用することをおすすめ」と提言しました。さらに、海外で起こるスリや置き引きなどのトラブルについても注意を促しました。オーストラリアへ留学して間もないころ、コーヒー店で友人と一緒にいた時、友人がカバンの中から財布を抜き取られるという被害にあった自身の経験談を披露。その教訓として、①予備用の現金、カードを家に置いておく②カード発行会社の問い合わせ先をメモして家に置いておく③被害にあったらすぐカード会社に伝え、利用停止の手続きをする—などと現金やカードの取り扱いの注意点を説明。さらに、「最寄りの警察に被害届を出してください。被害届を出さないと不正利用補償を受けられない場合があります。カードの利用を停止すれば被害は最小限に抑えられます」などと話しました。
ゲストのトークが刺激に。自分を見つめ、前向きな行動をとるきっかけに
各分野で活躍するゲストからの話は、参加した学生に大きな刺激になったと見られ、さまざまな感想が寄せられました。美学美術史学科3年の学生は「私が今やりたいと思っていることをやっぱり躊躇せずに挑戦するべきだと感じました」と前向きな思考に変化。英文学科1年の学生も「自分のやりたいことを明確にして決断することが今の自分に必要だと思いました」と学びを得た様子です。英文学科3年の学生も「新村さんの『決断』についての話が最も印象に残りました。自分がやりたいと思ったことを自分で決断してやることが重要だと改めて気づきました」と自身の決断の重みを感じたようです。また、国際学科1年の学生は「国際ボランティアやNGOの内容のイベントがあったら参加したいです」と具体的な目標を明確にしていました。