東急×JWP「人生100年時代のウェルビーイングを語る世代を超えたワークショップ」を開催しました(1/13)
実践ウェルビーイングプロジェクト(以下、JWP)の取り組みの一環として、東急株式会社が発刊する「SALUS Well-being(サルース ウェルビーイング)」の編集チームと協働し、「人生100年時代のウェルビーイングを語る世代を超えたワークショップ」を渋谷キャンパスで 1月13日(土)に開催しました。当日は、JWPで活動する学生とそのご家族3世代総勢21名が集い、世代を超えた対話を通してウェルビーイングや自身の人生に向き合いました。JWPは文学部国文学科の深澤晶久教授が2021年に立ち上げた正課外のプログラムで、有志の学生たちがさまざまな活動を通してウェルビーイングについて学んでいます。
「実践ウェルビーイングプロジェクト」「SALUS Well-being」とは
実践ウェルビーイングプロジェクト(以下、JWP)は文学部国文学科の深澤晶久教授が2021年に立ち上げた正課外のプログラムで、有志の学生たちがさまざまな活動を通してウェルビーイングについて学んでいます。
一方の「SALUS Well-being(サルース ウェルビーイング)」は、東急株式会社が発刊する東急線沿線情報誌「SALUS」の姉妹誌。今回はその編集を担当する東急株式会社沿線生活創造事業部ウェルネス事業推進グループの協力により、学生とその家族が世代を超えて対話するワークショップの開催が実現しました。
「JWPは、自ら進んでウェルビーイングを学びたいと手を挙げた主体性のある学生の集まりで、その数は50人を超えている」と深澤先生。そんなJWPの取り組みの一環として今回のワークショップ開催に至ったのは、まさに東急沿線で手に取った「SALUS Well-being」がきっかけだったとのこと。ウェルビーイング経営を標榜しつつも本腰を入れて取り組む企業がまだ少ない中、鉄道事業や不動産事業のみならず生活サービス事業を展開し、沿線に住まう人々のウェルビーイングに向き合う東急の姿勢に感銘を覚えたことが、今回のコラボレーションの発端だったと冒頭のあいさつで語りました。
「HIRAQL Table」で自身のやりたいことを探る
続いて、ファシリテーターを務める東急株式会社の杉本圭史氏が、今回のワークショップで行う対話会「HIRAQL Table」について説明しました。「HIRAQL Table」は、東急が提供するデジタルライフプランニングサービス「HIRAQL」が展開している対話メソッド。多世代の参加者が集い、最初に「やりたいこと」をシートに記入。その後、3人1組で「聞き役」「語り役」「メモ役」を分担してインタビューを行い、それぞれのやりたいことについて深掘りするというものです。
今回は、学生とそのお父さま、お母さま、おばあさま、総勢21名が7つのグループに分かれ、「HIRAQL Table」による対話を行いました(家族同士は同じグループにならないよう編成)。まず、聞き役は語り役が書いた「やりたいこと」の中から一つ選び、なぜそれをやりたいと思ったのかインタビューします。さらに、聞き役とメモ役は途中で作戦会議を行い、もっと聞いてみたいポイントを抽出。後半のインタビューでそのポイントを深掘りしていきます。グランドルールは「話はまとまらなくていい、普段話さないことを話してもOK」「話したくないことは話さなくてOK」「アドバイスはしなくていい。質問するか自身の経験を話して」という3つ。カジュアルな雰囲気の中、参加者たちはインタビューでの対話を通して、自分のやりたいことを探っていきました。
対話で得た気付きを参加者同士で共有
「多世代が集まると、これまでの経験や普段触れているものが異なるだけに新鮮なディスカッションができ、フラットな対話が楽しめる」という杉本氏の言葉の通り、「HIRAQL Table」は大盛り上がり。たくさんのテーブルから感嘆の声や笑い声があふれました。
全員のインタビュー終了後には、それぞれが得た気付きを共有する時間も設けられました。
「タイでトゥクトゥクに乗りたいという夢、その実現の可能性が見えてきたのでますます楽しみになった」
「夢を実現するために何をすればいいのか、夢が叶ったらその後どうするのか、インタビューしてもらったおかげで具体的になった」
「普段から内省できているつもりでいたが、質問されたことであらためて小さい頃の夢について思い返すことができた。目先のことにばかりとらわれている自分に気付いた」
「これまで考えていなかった自分のやりたいことが明確になった」
「やりたいことをいくつも書き出すことで、自分の傾向が見えてきた」
「多世代の方と対話することで、親世代の悩みや願望を知ることができた」
「若い人と話すことで、自分の若い頃を思い出して楽しかった。人生、どこかで立ち止まって考えることが大切だと感じた」等々。
それぞれの意見?感想を共有することで、参加者たちは自身で得た気付きの質をさらに高めていた様子でした。
「多世代で対話する姿に胸が熱くなった」という深澤先生。「キャリア教育の究極の目標は、学生一人ひとりがウェルビーイングを実践できるよう導くこと。実践女子大学で学んで良かったと実感しながら卒業し、社会に出て活躍してもらいたい。それをサポートするのが私の使命だと考えている。今回は、交通事業、不動産事業だけでなく生活サービス事業も手掛ける東急と、渋谷という場所、ウェルビーイングというテーマでつながることができて感謝している」と話し、ワークショップを締めくくりました。
今後も実践ウェルビーイングプロジェクトでは、ウェルビーイングの目指す姿や企業のウェルビーイング経営について研究を深めつつ、SDGs Beyondについて考えていきます。
参加者の声(父&娘)
「年齢の離れた人と一緒に何かを考えたり、質問し合ったりする中で、自分の経験ばかり語るのは好ましくないことだと気付きました。また、若い方々と対話したことで、自分自身、今後さらに人との関わりを広げていきたいと思うようになりました」(父)
「心の中に秘めていたことを誰かに話すことによって得られたものがたくさんありました。私は『1日だけ人気者になりたい』という夢をシートに書きました。深く考えずに書きましたが、インタビューでなぜそう思ったのか自分の言葉で語ったことで、自分の中の目標に気付きました」(娘)
参加者の声(祖母&孫)
「参加する前からとても楽しみにしていましたが、実際に参加してみたところ本当に楽しかったです。若い人たちの話を聞いて、自分の若い頃を思い出したりもしました。私の夢は、海外に旅行するのではなく、海外で生活して現地の方々と交流すること。がんを克服して生かされている今、残りの人生も思い切り楽しみたいと思っています」(祖母)
「今回のワークショップを通して、芯を持って生き、やり残しがない人生にしたいと感じました。パワフルに人生を楽しむ祖母を手本に、自分も頑張りたいです」(孫)
参加者の声(母&娘)
「『47都道府県制覇』という私と同じ夢を持つ学生さんがいました。私もこの夢を叶えるべく、旅行を楽しもうというモチベーションが高まりました。また、普段は見られない大学での娘の様子を垣間見ることができて貴重な時間でした」(母)
「将来の夢はあるものの、どう動けばいいか分からずにいましたが、対話を通してそれが明確になりました。人をワクワクさせることが好きだという自分の志向に気付いたので、今後の就職活動における一つの視点として生かしていきたいです。また、母が今後も元気で人生を楽しめるようサポートしていきたいと思いました」(娘)
東急株式会社 杉本圭史氏(ファシリテーター)のコメント
東急は街づくりの会社ですが、鉄道を走らせて建物を建てるだけで街づくりは終わりません。そこに暮らす人々のウェルビーイングをしっかり支えていく必要があると認識しており、地域の皆さんと一緒にウェルビーイングとは何か考えるところから始めようとしています。
「HIRAQL Table」を開催するのは今回で5回目。毎回とても盛り上がっており、リアルな場での対話を求めていらっしゃる方が多いことを実感しています。今回も大変盛り上がりましたが、日頃からウェルビーイングを研究している学生さんたちが参加してくれたことで、より対話の内容が濃いものになったと思っています。短いインタビューの時間の中で自分の夢や目標を語り、その実現のためには何をすべきか、何が足りないのかという問いにどんどん答えを出していく姿を見て、非常にしっかりされているなと感心しました。
また、深澤先生と学生さんたちの温かい関係性も印象的でした。普段から良好なコミュニケーションが取れていることがうかがえ、まさにウェルビーイングな関係性を体現されていると感じました。
実践女子大学と東急の間においても、ウェルビーイングな関係性を引き続き構築していければ幸いです。