ライトアップイベント「光の庭 ~2022 暮れ~」を開催しました(12/17)
12月17(土)、ライトアップイベント「光の庭 ~2022 暮れ~」を日野キャンパスにて開催しました。このイベントは2016年より毎年開催しており、今回で8回目。生活科学部生活環境学科建築デザイン研究室に所属する3、4年生が中心となり、木材で作る櫓(やぐら)に紙で作る照明の「灯りのイエ」を飾り付け、夜のキャンパスに光の空間を演出しました。
ライトアップイベント「光の庭」とは?
「光の庭」は、今年で8回目の開催となるライトアップイベントです。2016年に日野キャンパスに第3館が新設されたのを機に、地域の人々に大学へと足を運んでいただくきっかけにしたいと生活環境学科元教授で本学名誉教授の髙田典夫先生が企画。「カラフルなクリスマスのイルミネーションのような灯りではなく、心に寄り添うような柔らかな光で夜の空間を演出したかった」という髙田先生の思いを2020年からは生活環境学科教授の内藤将俊先生が受け継ぎ、生活科学部生活環境学科建築デザイン研究室の学生とともに毎年開催しています。
会場は、日野キャンパスの第3館エントランスホール+第3館前プロムナード。使われているのは、180cmと90cmの2種類の長さの木材を組んだ櫓(やぐら)と、トレーシングペーパーを折ってLEDライトを包んだ「灯りのイエ」を組み合わせた照明。木材の本数や組み方が異なるバリエーションあふれた構造体と柔らかな光による「光の径」が漆黒の闇に浮かび、来場者を幻想的な異空間へといざないます。
今年のテーマは「海と宙(そら)」
昨年は「冒険」をテーマに開催された「光の庭」。今年のテーマは「海と宙(そら)」です。海に見立てたプロムナードには船や珊瑚、魚の群れや岩をイメージした照明を、陸をイメージした第3館エントランスホールには大きなツリー型の照明を配置。山になぞらえたその先の大階段は、岩や木々をイメージした照明で飾りました。さらに、大階段を上がった2階部分は宙(そら)。そこには、星をかたどった照明のほか、櫓(やぐら)の設計図である割り箸で作ったミニチュアが。第3館のアトリウムのガラスに映り込む光のきらめきも美しく、まるで別世界のような空間が演出されていました。
そして、親子連れを含む多くの来場者の皆さんは、それぞれが思い思いに「光の径」をたどり、海から宙(そら)への幻想的な非日常空間を体験。櫓(やぐら)の間を楽しそうに駆け抜ける子どもたちの姿や、人気の写真スポットとなったツリー型の照明の前で写真撮影を楽しむ方々の姿も見られました。「とてもきれいでした。また来たいです」「子どもたちも、櫓(やぐら)の中をくぐって楽しそうでした」「米国アニメーション映画の1シーンみたいできれいだと、子どもたちが興奮していました」など、来場者からは多くの喜びの声が挙がっていました。
今後も、ライトアップイベント「光の庭」を通して、「大学」と「まち」「ひと」のつながりが生まれることに期待し、この取り組みを継続していく予定です。
参加した学生の声
4年生12人、3年生14人で取り組みました。250個のLEDライトを包むトレーシングペーパーはすべて自分たちの手折り。異なる厚みのトレーシングペーパーを使い分け、光のニュアンスも調整しました。櫓(やぐら)の木材は180cmと90cmの2種類のみで、木材と木材をつないでいるのはジャンボ輪ゴム。「建築デザイン」や「まちづくり」の知見と、授業で学んだ構造強度の知識などを生かしながら、まずは割り箸を用いたミニチュア模型を使って櫓(やぐら)の設計を行い、安全性と美しいデザイン性を兼ね備えた構造体に仕上げました。木材やLEDライトは毎年同じ物を流用しているので、非常にエコで持続可能性の高いライトアップイベントになっている点もポイントです。
公開当日は、予想を上回る美しさにとても感動しました。温かい光が暗闇の中に広がり、第3館のガラスへの光の反射効果も想像以上でした。櫓(やぐら)を組むのは大変で、最も大きい櫓(やぐら)を組む際には木にたわみが出てしまい、やむを得ず高さを縮めるなど苦労もありましたが、頑張って取り組んで良かったです。来場者の皆さんに喜んでいただけたのもうれしかったです。
内藤将俊教授のコメント
昨年のテーマは「冒険」。光のトンネルや崖を通りながらゴールまで進む体験型のライトアップイベントでした。そして、今回のテーマは「海と宙(そら)」。海の中から陸へ、そして星がきらめく宙(そら)へと続く旅が楽しめるような空間構成となっています。
テーマの考案からイベントの運営まで、すべてを主導したのは学生自身です。自由に、好きなように進めて構わない、ただし、メンバー全員で共通の認識を持ち、その上でそれぞれが自分の役割を把握することが大切だと、ただそれだけを話しました。当日も指示を出すことはなく、こちらは安全面を確認するだけ。割り箸を使った櫓(やぐら)のミニチュア模型の作成時も、物理的な構造強度についてのアドバイスはしたものの、デザインはすべて学生自身が行っています。
今回は、昨年の「光の庭」にも参加している4年生たちが、素晴らしいリーダーシップを見せてくれました。がむしゃらに手を動かす3年生を一歩引いた立場で見守り、必要なときだけ手を差し伸べるといったスタンスを貫いた4年生は立派でした。そんな4年生に支えられて「光を庭」を成功させた3年生は、恐らく次回、先輩として後輩たちをうまく導いてくれることと思います。次回の「光の庭」にもどうぞご期待ください。