人工大理石「コーリアン?」を用いた製品で、暮らしにワクワクを届ける。3研究室合同の学内コンペを開催(6/23)
人工大理石「コーリアン?」の製造?開発?販売を手掛けるデュポン?MCC(株)と(株)エービーシー商会の協力のもと、生活環境学科 住環境デザイン分野の3研究室に所属する学生が11のチームを組んで、コーリアン?を使った製品開発に挑戦。
2022年6月23日に開かれたプレゼンテーションで、その成果を発表しました。
11チームが自由に発想をふくらませ、魅力的な製品の発案に競い合う
今年で3回目となる2022年学内コンペのテーマは「わくわくコーリアン?」。コーリアン?を用いた生活を彩る製品の開発に、空間デザイン研究室(橘 弘志教授)?環境デザイン研究室(槙 究教授)?建築デザイン研究室(内藤 将俊教授)に所属する3年生38名が取り組みました。
研究室ごとに3~4名のチームを組み、1カ月半の制作期間の中でアイディア出しや設計、模型制作と発表用資料の準備を行いました。発表会の日、各チームは試行錯誤の末にカタチにした作品を、研究室を主宰する橘教授?槙教授?内藤教授、そしてデュポン?MCCとエービーシー商会の社員の方にプレゼンテーション。
その後、審査が行われ、Team ōtaが「最優秀賞」を受賞。Teamはてなが「デュポン?エービーシー商会賞」、Team KIKOが「教員賞」、Teamきのこが「学生賞」に選ばれ、それぞれのチームに賞状と副賞が贈られました。
以下に、受賞チームの作品について、あらましをご紹介します。(各画像をクリックするとプレゼンテーション資料をご覧いただけます)
[最優秀賞]「shine storage」Team ōta(建築デザイン研究室)
お気に入りのアクセサリーを、身につけている時だけでなく収納している時も楽しめる作品。丸く型抜きしたコーリアン?の板を組み合わせて棚状にし、内部にLEDライトを組み込んでいます。棚の組み方を自在に変えられることも大きなポイント。ネックレスにリング、ピアスなど様々な形状や大きさのアクセサリーを、棚板や段、型抜きの部分に自由に置き、それぞれのデザインを楽しみながら収納できます。さらに明かりをつけることで、アクセサリーがつくり出す輝きやシルエットの美しさを堪能することも。
その他のチームも、考えと工夫を凝らした作品を制作し、プレゼンテーションを行いました。そのあらましを、以下にご紹介します。(発表順。各画像をクリックするとプレゼンテーション資料をご覧いただけます)
企業の皆様からも高評価が寄せられる。実際に開発されるのはどの作品?
各チームの発表後は質疑応答の時間。デュポン?MCCやエービーシー商会、そして3名の教授から、「この作品をコーリアン?でつくる理由は?」「総重量は何㎏ですか?」「安全性にはどれくらい配慮していますか?」など鋭い質問が寄せられました。あらかじめ様々な質問を想定し答えを用意していた学生たちも、時にたじたじとなるシーンも。
受賞チームの発表と授賞式が終了した後、講評として「ユーザー視点でのアイディアが多く、どんな人がどのようなシーンでどう使うのかを基盤に発想をふくらませた様子がとても勉強になったし、感動した」(デュポン?MCC(株)市川 卓様)、「普段、コーリアン?を素材にした商品の開発を行っているが、自分たちでは考えつかないようなアイディアが盛りだくさんで非常に刺激を受けた」(エービーシー商会 脇 浩介様)という声が寄せられました。
脇様からは「今回発表された作品の中から2つほど、実際にコーリアン?を使って形にしてお届けしたい」というお話も。どの作品が選ばれ、プロの手でどのようにカタチにされるのか、今から楽しみです。
最優秀賞 受賞チームのコメント
「わくわくコーリアン?」というテーマを受けて、生活を彩って楽しくするような製品を考えよう、さらに女子大生ならではの目線を活かそうと、みんなで話し合いを重ねました。そして出てきたのが、私たち3人が共通して好きな「アクセサリー」。収納の難しさを日頃から感じていたので、それを解決しながら「身につけていない時も楽しめる」ものとして今回の作品を発案しました。
大変だったのが形状を決めること。どんな大きさ?長さのものも一緒に収納できてさらに光を当てた時に美しくなるのはどんな形か、模型をいくつも作り試行錯誤しながら探っていきました。
私たちは普段、建築を専攻しているので、今回のような機会はとても新鮮。他のチームのアイディアにも刺激を受けました。プロダクトやインテリアは建築とも深い関わりを持っているので、視野を広げた経験を今後の研究に活かしたいです。
3研究室主宰教授のコメント
プロダクトの構造について考え、各パーツをどう組み合わせるか試行錯誤した様子が、どのチームの発表からも伝わってきました。プレゼンテーションでは、それぞれが作品の魅力を上手に伝えていたと感じます。
個人より、チームで取り組む方が難しい。意見を戦わせ、仲間を納得に導きながらものづくりを行わなければならないためです。今回は、みんなで取り組む良い経験になったのではないかと思います。
(橘 弘志教授/空間デザイン研究室)
コロナ禍でここ2年ほどできなかった「みんなで集まってものづくりをする」という、生活環境学科ならではの学びを存分に堪能できたのではないでしょうか。こうした機会の際、壁にぶつかるとつい、「今まで取り組んできたアイディアをあきらめて方向転換する」選択をしがちですが、私は「できるだけ粘って目の前のアイディアを育てる」経験もしてほしい。私をはじめ2人の先生から、そして企業の方々からどんな質問が入るかをイメージしながら課題を1つ1つ解消し、完成度を上げていく。今後もそういう経験をしてもらえたら、と思います。
(槙 究教授/環境デザイン研究室)
3研究室合同で取り組むのはとてもユニークな試み。他の研究室の先生や学生の目を意識するとプレッシャーもありますが、力を合わせてものづくりをしてその成果を互いにプレゼンテーションする「お祭り感」は格別。こうした時間を思いっきり楽しんでほしいですね。
今回、学生に期待したのは柔軟で自由な発想力。便利なものはすでに世の中に出回っているし、そうしたものに勝つのはなかなか難しいので、むしろ「面白い!」とユーザーの気持ちを揺り動かすようなアイディアを出してほしいです。その意味で、私の印象に残ったのは「着せ替えコーリアン?」。圧倒的に異質で、面白いアイディアでした。
(内藤 将俊教授/建築デザイン研究室)
※Corian?、コーリアン?はDuPont de Nemours, Inc.の関連会社の登録商標です。
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