文学部が独自のキャリア支援「就活基礎ゼミ」を2022年から新たに開始!
実践女子大学文学部では現2年生を対象に、仲間と共に自身のキャリアを考え、前向きに行動できるように支援していく「文学部就活基礎ゼミ」を今年4月より全14回のスケジュールで開講しています。これは、文学部が学科の枠組みを越えて実施する学科横断型プログラムで、6月3日(金)には英文学科の2年生が「DAY7」(7回目)の講座を受講しました。
「文学部就活基礎ゼミ」は全14回で開講
「文学部就活基礎ゼミ」のプログラムは全14回。講師に矢島慶佑氏(株式会社カタパルト 代表取締役)を迎え、あらかじめ決められたテーマに沿って進められています。仲間と一緒に自身のキャリアを考えることで、3年生から本格的にスタートする就職活動に向けて、早期にスタートダッシュを図り、前向きに就職活動に取り組むマインドを身につけることがその目的。対象は文学部2年生で、このプログラムに参加することにより、同じ目標を持つ仲間を増やしたり、就職活動に必須な「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」のヒントを手に入れたりすることもできます。
この日のテーマは、「先輩社会人に聞く(DAY7)」。本題に入る前に前回「仕事とは(DAY6)」の内容について、振り返りの時間が設けられた後、実践女子大学英文学科のOGで、物流会社への就職を経て現在は実践女子大学に勤務している職員の若杉さんが登壇。学生時代や社会人になってからの経験をご自身の言葉で語り、学生からの質疑応答に応じました。
【先輩社会人に聞く】若杉さんの学生生活?社会人生活
「大学1、2年生の間は、サークル活動もしておらず、アルバイトもほとんどしていませんでした。将来の夢も充実感もなく、毎日がつらく苦しかった」と話す若杉さん。そんな若杉さんの転機になったのが、大学3年生で経験したカナダへの長期留学でした。大学4年間で何か一つでも頑張った経験をしたいと留学に焦点を定めたものの、周りに流されて留学を希望しているのではないかと自分を疑った若杉さんは、自身の本気度を見極めるために“交換協定校留学制度”を使った留学を目指したそうです。「当時、大学にはカナダまたはオランダへの交換協定校留学の制度がありました。留学先の学費が免除になる交換協定校留学の枠は1名のみ。もしこの1名に選ばれなかったら、自分のやる気が足りなかったと思って諦めるつもりでした」。
結果的に、見事、交換協定校留学の切符を手に入れた若杉さんは、3年生の9月から翌年4月にかけての約8カ月間、カナダのフレーザーバレー大学に留学しました。「カナダは多民族国家。日本の常識が通用せずに苦労したことも。しかし、すばらしいホストファミリーや現地のサークルに参加する機会に恵まれ、とても充実した留学生活を送ることができました。留学後も、現地で知り合った皆さんとの交流が続いており、カナダ大使館のイベントをお手伝いしたことも。留学中も留学後も貴重な経験ができ、本当に留学して良かったと実感しています」。
4年生の4月に帰国した若杉さんは、遅めの就職活動をスタートさせます。最初は不安もあったものの、直前の留学が就職活動でのアピールポイントになったとのこと。ただし、留学したという事実だけでは真のアピールにはならなかったと話します。「国際系の仕事がある企業を受けていたので、周りの就活生たちも留学経験者が多数でした。だからこそ、留学を通して何を感じて何を学んだか、カナダの魅力についても具体的に自分の言葉でアピールしました」。
社会人としてのスキルやマナーをきっちり指導してもらえそうな落ち着いた社風で、なおかつ留学経験を生かせる国際性のある企業を志望していたという若杉さん。大学卒業後は、物流会社に一般職として就職。貿易事務の仕事に携わることになります。「お客さんから輸出入や三国間貿易の依頼を受けたら、現場スタッフ、船会社や航空会社と連絡を取って輸送スペースを確保。現地法人とのやり取りはもちろん、商品が届くのを見届けるまで、貨物の一連の流れをアレンジする業務を任されていました。国によって時差があったり、休日が異なったりして大変でしたが、同僚にも恵まれ充実した毎日を送っていました」。
貿易事務の仕事にやりがいを感じていた若杉さんですが、このまま同じ仕事を一生続けることに疑問を感じ始め、実践女子大学への転職を決めます。「前の仕事に大きな不満はありませんでしたが、自分に留学というチャンスを与えてくれ、その結果、志望する企業への就職をかなえてくれた母校で、昔の自分のように悩みを抱える学生の皆さんをサポートしたいと考えました」。これまでの経験を生かして、ひとりでも多くの学生が志望する進路に進めるよう手助けしてきたいと話す若杉さんのお話に、学生たちは熱心に耳を傾けていました。
「質疑応答」で取材力を養う
同じ実践女子大学で学び、一般企業への就職、転職の経験を持つ若杉さんに対し、学生からは多くの質問が寄せられました。留学については、「留学前の英語の学力は?」「留学に行くまでの勉強方法は?」「留学に対する不安はあった?」といった質問が。就職活動については、「何社くらい受けた?」「面接でどんなことをアピールしたか具体的に聞きたい」「遅めの就職活動となったとことに不安はなかった?」「就職活動における軸は?」「資格は就活に有利か?」といった質問が寄せられました。いずれにせよ、学生時代に夢中になって頑張った経験をすることが大切だと若杉さん。「授業でもアルバイトでもボランティアでもいいので、ぜひ何かやり遂げた経験をしてほしい。留学に興味がある方は、ぜひチャレンジを! 留学前の不安は、現地に行ってしまえばすぐに無くなります」と、学生たちに前向きなアドバイスを送りました。
質疑応答コーナーの最初は、手を挙げるのに躊躇した様子を見せていた学生たちでしたが、次回からは実際に学生たち自身が先輩への取材を行うべく、その準備に入ります。「ここで手を挙げる経験が、取材の良い準備になりますよ!」という矢島氏の声掛け以降は、学生たちからの質問が非常に活発になりました。学生たちの就職活動に向けた準備は着々と進んでいます。
参加した学生の感想
?実際に留学や就職活動を実践女子大学で経験した若杉さんのお話を聞けて良かった。
?自分が何をしたいか、何を学んだかを自分の言葉で伝えることが大切だと分かった。
?実際に社会人の人に聞ける機会がないし、気になることも質問できて良かった。
?先輩による等身大な就活の様子を聞くことが出来た。
?実際に先輩の声を聞くことが出来て、非常に勉強になったと同時に、安心することが出来た。自分も同
じような境遇で苦しい1年を過ごしてきたので、前を向くことが出来た。
?同じ学部出身の方の留学経験などを教えていただけたので、自分も留学に行って来たあとに経験を活か
せるような機会を逃さないようにしたいです。
?実際に実践の先輩、更に社会で働いた方に直接お話を聞けて、とても良い機会でした。
?今回の授業を受けて、留学に行きたい気持ちがどんどん増えました。
?学生生活で自分が1つでも頑張ったと胸を張って言える出来事を作りたい。
?就活に対する怖い意識が薄れた。