丸山珈琲の店舗戦略を提案しました!本学と社会連携授業で最終プレゼン(2021/12/17、25)
高品質スペシャルティコーヒーで知られる丸山珈琲(長野県軽井沢町)の店舗戦略を提案する社会連携授業に、本学の学生がチャレンジしました。大学生の柔軟な発想を活かす課題解決型授業(PBL)として実現。チーム対抗で店舗のアイデアを競いました。
最終プレゼンは、12月17日(金)と同24日(金)の2回に分けて行われ、それぞれ6チームずつ発表しました。お題は「アフターコロナ(with コロナ)時代のコーヒーを主軸とした飲食店」です。11月5日のキックオフ授業で学生たちに提示されており、学生たちは1チームあたり5~6人の12チームに分かれ、協力してアイデアを練り上げました。
「丸山賞」に3班と5班
それによると、17日は11班、8班、1班、2班、4班、3班の順に6チームがプレゼン。24日は12班、10班、6班、7班、9班、5班の順に6チームが続きました。1チームあたりの発表時間は7分間です。最優秀プレゼンチームには「丸山賞」が贈られ、17日は「Study Cafe」を提案した3班、24日は「居酒屋カフェ」の発想で異彩を放った9班が、それぞれ受賞しました。
光ったプランの具体性-3班
このうち、17日の「丸山賞」に輝いた3班は、プランの具体性が光りました。というのも、同班は7分間のプレゼンに込めた具体的な情報量の多さはもちろん、外装や内装のデザインなども具体的に詳述したからです。例えば、内装の工夫として「クリーム系の色を基調とすることで、柔らかく落ち着いた雰囲気の空間を作り出す」「快適に過ごせるような座りやすい席にする」など細かく指示。丸山社長から「メンバーの中にデザインとかインテリアとかを専攻されている人がいるのですか?」とプレゼン後に質問されたほどでした。
また、提案の内容をプレゼンの聴衆にイメージしやすくした独自の工夫も、同班の特徴でした。その一つが、本学渋谷キャンパスの例示です。ガラス張りの建物を説明する際、その具体的なイメージをガラス張りが特徴の本学渋谷キャンパスを例示。本学学生なら誰でも分かる体験やイメージの共有を介して、より個別的で具体的な説明に成功しました。
その結果、丸山社長は「学生さんらしいとても具体的なプレゼンでした。自分たちの実感に基づいていて、『なるほどなぁ』と思いました」などと同班のプレゼンをコメント。また、「プレゼンを聞いたらそのまま学生向けの繁盛店がつくれそうな気になってきた。(聞いていて)『近くにいい場所ないかな』と思わせるような、いい提案でした」などと続け、3班のプレゼンを高く評価しました。
発想のユニークさを評価-3班
また、24日に「丸山賞」を贈られた9班は、発想のユニークさが注目を集めました。その一つが、居酒屋とコーヒーという異質な2つの店舗の組み合わせです。丸山社長は、同班の提案について「まず居酒屋(という響きが)いいんですよ。居酒屋と聞いて『ええっ』という意外性がある」と絶賛。丸山社長をして「もうこれだけで(聞く人の心を)わしづかみといった感じ」などと、うならせました。
加えて、同班の立地や内装についての意外性のある提案も、他班と比べて際立っていました。このうち、都心ではなく「錦糸町」という立地について、丸山社長は「千葉と東京の間にあり、降りるのに便利。会社員の需要もある」などと語り、アイデアに同意。また内装を「居酒屋のまま」という提案も、「素晴らしい考え。丸山珈琲の社員だったら、たぶん絶対上がってこない」などと称賛しました。
そして何より高い評価を受けたのは、コロナ禍で困っている居酒屋とのコラボという発想でした。丸山社長は「珈琲店のことだけ考えているのではなくて、困っている居酒屋と併せるという感覚がいい。居酒屋にとってもメリットが大きいということは、すごく魅力的だ」などと語り、3班の提案に深くうなづきました。
深澤晶久教授の話
恒例の丸山珈琲様とのコラボセッション、今年もご協力をいただき実現しました。今年度は「店舗づくりとその店舗に相応しいメニュー作り」というリアルなテーマであり、学生たちの取り組みも例年以上に真剣であったと思います。そして毎年いただく丸山社長からのメッセージも心打つ内容であり、学生たちにとって、極めて意義ある授業となれました。改めてご協力に心から感謝申し上げます。
12月17日の発表順は、以下の通りです。
① 11グループ
【コンセプト】コーヒーでサステナブルな社会へ~コロナ禍を乗り越えた人々へ贈るカフェ
【立地】渋谷
【内装】昼はカフェ、夜はレストラン
【メニュー】①丸山珈琲店舗メニューであるアフォガードをアレンジ、バニラアイスをオーガニックアイスに変えた「オーガニックアフォガード」②「まるで本物!水玉オムライス」
② 8グループ
【コンセプト】キッチンカーで全国を回るお寺応援プロジェクト
【立地】鎌倉市の明月院、都心の愛宕神社、金沢市の尾山神社など
【内装】キッチンカー
【メニュー】ドリンクやフード、豆を販売。コロナで経営が苦しい和菓子店とコラボ
③ 1グループ
【コンセプト】お気に入りの一杯とあなただけの時間
【立地】都会のオアシス、蔵前
【内装】自然素材を活かした建物。内装は▼コーヒーを説明付きで展示?販売▼カウンター席に仕切り設置▼半個室の設置▼折り畳み可能な仕切り▼アクリル板ではなく「布」
【メニュー】①本日のコーヒー3種②ごはんサンドセット③デザートにオリジナルプリン
④ 2グループ
【コンセプト】AT HOME CAFE。”五感”で堪能する「新感覚カフェ」
【立地】都会の駅近。看板を出さず、SNSで”隠れ家カフェ”の注目狙う
【内装】白色?緑色?茶色の3フロア。冬はテーブルから炬燵に
【メニュー】①モーニングメニュー②本日のコーヒー③期間限定商品
⑤ 4グループ
【コンセプト】マグカップづくりなど陶芸体験ができる体験型カフェ
【立地】本店は山梨県河口湖。支店を北海道、東京都、京都府、沖縄県に
【内装】開放的な空間。本店は富士山の景色を楽しむ。支店は公園の中にあるカフェ
【メニュー】コーヒーやミルクティー、クッキー、ケーキなど
⑥ 3グループ 17日の丸山賞
【コンセプト】スタディカフェ
【立地】学生(ターゲット層)の利用が多い駅の近く
【外装?内装】ガラス張りの建物。1階はカフェスペース、2階は勉強場やワーキングスペース
【メニュー】コーヒーと相性のいいフードペアリングを楽しむ
12月24日の発表順は、以下の通りです。
⑦ 12グループ
【コンセプト】withコロナで▼テイクアウトのカバー▼お一人様をターゲットに▼リモートワーク仕様に-を主軸に珈琲店を盛り上げる。
【立地】オフィス街の日本橋、銀座
【内装】1階をテイクアウト専用、2階をイートイン専用にする。1人専用の個室空間を置く。
【メニュー】看板メニューを創作
⑧ 10グループ
【コンセプト】カフェ?アンド?コーヒーバー。朝と昼、夜でモーニング、ランチ、ディナー。時間帯で営業を変える。
【立地】大手町
【内装】席の組み換えができるようにする。十分なコロナ対策を施す。
【メニュー】モーニングメニューとランチメニューのほか、ディナーは大人の癒し空間とし、コーヒーもお酒も楽しめるようにする。
⑨ 6グループ
【コンセプト】コーヒーと趣味を通してコミュニケーションが育まれるカフェ
【立地】商業施設1階
【外装?内装】ポップアップやコラボするブランド?作家で変わる店内イメージ
【メニュー】陶器やケーキに作家やブランドの商品を使用。期間ごとに変わっていくメニュー
⑩ 7グループ
【コンセプト】まるで家にいるかのような落ち着く空間
【立地】三軒茶屋
【外装?内装】2階建ての古民家風。壁の周りに本棚を設置。1階はパーテーションで区切られた簡易勉強スペース机、2階は個別ブース
【メニュー】コーヒーそのものの味を楽しむ。フードメニューは「家でも作れる、用意できる」をポイントに
【その他】コーヒーのサブスクリプションを導入。お好みのコーヒーを定期購入して好きなだけコーヒーを楽しめる。
? 9グループ 24日の丸山賞
【コンセプト】コーヒーを提供する居酒屋
【立地】錦糸町
【外装?内装】居酒屋らしい温かい雰囲気。お一人様席の設置。
【メニュー】おにぎりやナポリタンなどのフード。ディカフェルイス?パウロ深煎り、冬のスペシャルブレンド中煎りなどドリンク
? 5グループ
【コンセプト】月額制カフェ「NOVA COFFEE」
【立地】丸の内
【外装?内装】落ち着いた空間。Wi-Fi、コンセント完備
【メニュー】コーヒーシェイク、水出しコーヒーなどの期間限定メニュー。コーヒーに合うケーキなど