学生がJALの強みを活かす地域活性化事業を提案しました!本学と日本航空の社会連携授業で最終プレゼン(12/14、12/25)
日本航空(JAL)と本学の社会連携授業の最終プレゼンテーションが12月、日野キャンパスで行われました。同授業は、全国各地でJALの取り組む地域活性化事業をテーマに取り上げ、グループワークによるPBL(課題解決型)授業を開講。学生たちは14チームに分かれ、JALの強みを活かす新規事業を提案しました。
最終プレゼンは、12月14日と同21日の2回に分けて行われ、それぞれ7チームずつ発表しました。お題は「10年後のJALを見据えた地域活性化の新規事業を提案してください」「提案はSDGsと関連性のある内容にすること」です。11月16日のキックオフ授業で学生たちに提示されており、学生たちは1チームあたり5~6人の14チームに分かれ、約1か月かけてアイデアを練り上げました。
21日の「JAL賞」に14班
それによると、14日は12班、11班、1班、7班、2班、13班、4班の順に7チームがプレゼン。21日は9班、5班、8班、14班、6班、3班、10班の順に7チームが続きました。1チームあたりの発表時間は7分間です。最優秀プレゼンチームには「JAL賞」が贈られ、14日は島根県を舞台とした「農泊」を提案した2班、21日は地方特産物を食材とした「JALレストラン」のアイデアが光った14班が、それぞれ受賞しました。
このうち、21日のJAL賞に輝いた「JALレストラン」は、「地域を守ろう」をスローガンにアイデアを発展させました。大学の食堂や会社の社員食堂、介護施設でJALレストランを運営することを提案しています。
具体的には、地方の特産物をJALレストランで提供、気軽に旅行気分を味わってもらう趣向です。また、食事の際、地域の魅力を伝えるパンフレットも配布、地域活性化につなげる話題づくりも狙いました。
SDGsの「健康?福祉」「まちづくり」に貢献
翻って、JALがレストランを手掛けるメリットは何なのでしょうか。同班は、JALが強みとする首都圏と地方を空路で結ぶ人や物流のネットワークを活用できると強調。住民が日常的に利用するレストランは、普段飛行機を利用しない人にも、JALが取り組む「ふるさとプロジェクト」の魅力をアピールできると説明しました。
また、同班は、SDGsに対してJALレストランが貢献できることは、17目標のうち「すべての人に健康と福祉を」(第3目標)、「住み続けられるまちづくりを」(第11目標)にあると説明しました。このうち、第3目標の健康?福祉は、栄養バランスを考えた食事の提供が、レストラン利用者の健康を維持?促進につながると指摘。また、地域の特産品を使用することが、第11目標に対して地域の活性化が進み持続可能なまちづくりに貢献すると語りました。
雇用や海外展開…etc、発信型提案を評価
14班の発表は、「健康」にちなむ提案であることをJALから評価されました。JAL産学連携部マネジャーの塩崎雅子氏は「10年後の社会とJALの強みを分析し、それに基づいて解決策が考えられており、構成が論理的で納得性が高い」と語り、「健康という事業のミッションが明確で、サステナブルな(JALレストランという)事業を通じてミッションを達成する意思が感じられた」と論評しています。また、14班の提案が地域の雇用や海外進出を視野に入れた点も、「地域の雇用を生み出そうという視点や、将来的には海外にも展開して地域の郷土料理を広めていきたいという、攻めの姿勢での発信型提案が素晴らしい」とコメントしました。
続いて、塩崎氏はワンランク上の提案に向けて、アドバイスも忘れませんでした。「飛行機で運ぶというのはお金が掛かる。コストも考えながら、メニューを考えてもらえればより良いと思った」「せっかくJALのレストランということなので、機内食と関連づけたメニューも取り入れてはどうか。そうすることで普段飛行機に乗らないお客さまにも、飛行機に乗ったような経験をしてもらえるのでは」などと語りました。
現代生活学科とJALの連携授業は初めて
JALと本学の社会連携授業は、今年度が初めてです。生活科学部現代生活学科の2年生を対象としており、国文学科教授の深澤晶久教授(キャリア教育担当)が指導教授を務めました。今年度は、72人が履修しています。
深澤晶久教授の話
今までは、このグループワーク用の架空のテーマで行っていましたが、本年度初めて日本航空様という実際の企業様からのお題に基づき、この授業を展開いたしました。やはり架空のテーマと企業様からのリアルなテーマでは、学生のまなざしが明らかに異なっていました。足球现场直播,大发体育在线の影響を大きく受けた業界でもあり、企業様からお話しについても、危機感が伝わってくるとともに、アフターコロナ、ウィズコロナの時代、つまりニューノーマルの時代にあって、それぞれの企業がどう克服しようと試みているかを含めて学びの多い授業となりました。日本航空様には、この場を借りて心から感謝申し上げます。
14日の発表は、以下の通りです。(発表順)
【12班】
空き家問題の解決を目指す「空き家 de City」を全国各地で展開する。空き家を改装して「JAL空き家食堂」をオープン。JALの客室乗務員が食堂のホール係を担当する。
【11班】
「香水プロジェクト」を展開する。各都道府県の特色ある食品から香水の成分を抽出し、製品化する。例えば、北海道はラベンダー、青森県はりんご、秋田県は、きりたんぽ鍋などを、香水の原材料として想定した。
【1班】
沖縄県竹富島の活性化に向け、「みんなで街をきれいに!竹富島クリーンプロジェクト」を提案。JALが講師を担当、住民に地域の特産品を使用することによって地域の活性化が進み持続可能なまちに対してマナー講習を行う。
【7班】
「ボランティア?ツアー」を提案した。搭乗中のJALの機内モニターを通してツアー参加者を募集する。ボランティアは、ごみ拾いや緑地化、果物?野菜の収穫の手伝いなどを想定。ツアー参加者には後日、各地の特産品などを返礼品として贈る。
【2班】
人口減少に悩む島根県を舞台に、「農泊」(農家民宿や農家民泊など)を展開する。JALで空路、島根入りした観光客に対し、地元名産の出雲そばやどじょう鍋などの郷土料理を振る舞ったり、農業?酪農体験やそば打ち体験を楽しんだりできるようにする。マイルがたまるふるさと納税や都市と地方の2つの町で暮らす「2地域居住」などのJALの地域活性化プロジェクトと連携する。
【13班】
大分県を舞台に「昭和レトロで癒され旅」を提案した。参加者は、古着のドレスコードを身に纏い、レトロなボンネットバスに乗り、昔ながらの商店街やカフェを巡る旅というコンセプトだ。大分県を選んだ理由は、九州の中でも飛行機利用率が最下位という調査結果があるからという。
【4班】
アニメ聖地の「聖地創生プロジェクト」を提案。アニメブームの「聖地巡礼」とは発想を逆転し、JALがアニメ制作会社に地域の穴場スポットの情報を売り込み、アニメ制作会社にアニメを制作してもらう。大ヒット映画「君の名は。」の再現を狙う。
21日の発表は、以下の通りです。
【9班】
高校生の修学旅行のJALパッケージツアーを提案。例えば、秋田市や四国、鹿児島市への修学旅行を企画。
【5班】
夜間飛行で星空を楽しむ現行「星空フライト」をパワーアップした「星空フライトプラス」を提案した。JAL機内でフライト経路にある地域の特産物を使ったディナーを楽しむほか、特産品のカタログを機内で配布し、販売促進に一役買う。
【8班】
JAL機内サービスを充実させ、貸し出しサービスを検討する。空港でなくても、機内で身だしなみを整えられるようにする。
【14班】
地方で「JALレストラン」を展開する。大学の食堂、会社の社員食堂、介護施設などに開設を計画。地方の特産品を使った料理を提供する。
【6班】
全国各地からJALで行く奈良県野迫川村へのフライトツアーを提案。参加者は、ゲーム感覚のミッションツアーで村内を巡り、温泉や郷土料理、雲海などを楽しむ。
【3班】
全国魅力度ランキングで低迷する茨城県を盛り上げる「茨城県を盛り上げ隊!」を提案。贅沢にアウトドアを楽しむアウトドアスタイル「グランピング」をJALが県内各地で展開する。ジビエ料理も提供する。ちなみに、グランピングは、「優雅な」を意味するglamorousとcampingを合わせた造語とか。
【10班】
「北九州の一番はこれだ!コンテスト」を北九州市の門司港レトロを会場に開催。北九州の特産品を使った商品を北九州市民が考案し、門司港レトロへの来場者の投票で最優秀賞などを決める。最優秀賞の特産品はJAL機内で販売する。