日野市内の66か所すべてを巡り、「地区センター図鑑」を発刊しました
本学生活科学部生活環境学科OGの根目沢ひかるさん(2019年度卒)が、東京都日野市内にある地区センター66か所すべてを巡り、「地区センター図鑑」を発刊しました。橘弘志教授のゼミに所属していた根目沢さんが、日野市地域協働課の協力などを得て制作した労作です。同図鑑制作を通して「稼働率が低いままの施設はもったいない」と訴えており、根目沢さんの努力と”日野市愛”に対して、7月28日(火)日野市の大坪冬彦市長から感謝状が贈られます。
図鑑の正式名称は「日野市に66箇所もあるの!?女子大生が全部回った地区センター図鑑」で、根目沢の卒業研究をベースに編集されました。B5版138ページで、「この図鑑をみて、地区センターに興味や足を運ぶきっかけになれば」という根目沢さんの期待が込められており、「実践女子学園 まちの居場所研究所」から250冊が発行されています。
具体的には、図鑑は市内の66地区センターについて、市内8中学校区に分類して分かりやすく解説しました。1地区センターについて①外観写真②間取り③ヘッドライン④評価⑤内観写真4枚⑥コメント⑦所在地図⑧概要(建築年数や稼働率、室内設備、申し込み方法など)-を、それぞれ見開き2ページで紹介しています。各地区センターを新しさや広さ、レア度など5項目で評価した上で、最高四つ星を与えるという試みにもチャレンジしています。
このうち、コメントは女性らしい視点や観察眼の鋭さが盛り込まれたものとなりました。例えば、個々の地区センターに関する記述は、「薄暗い雰囲気だったが、給湯室のダスターはきちんと整頓されていた」(旭が丘東地区センター)、「給湯室が室内にあるので話しながら作業ができる」(新井わかたけ地区センター)、「二階の多摩川が見える側に窓がなかったのが残念」(第二日野万)などと指摘。66か所すべてに実際足を運んだ労苦が行間ににじみ出たものになりました。
さらに、図鑑は施設の老朽化や稼働率についても、「日野市の地区センターを全体的に見てみると…」として分析を行っています。このうち、建築時期について「全体の3分の1以上にあたる25施設は、1970年代以前にたてられ、全体的にけっこう古いものが多いという印象」と指摘。また、稼働率について「必ずしも新しく綺麗なものがよく使われていると限らない」とした上で、「少し古いものでも、手入れの行き届いているものは、よく使われている」と分析しました。
図鑑は、低迷する稼働率のアップに向けて新たな使い方も提案しており、「みんなで集まって楽しくパーティ」「ヨガや体操教室を開いて運動不足解消」「せっかく市内に66カ所もあるので、それらを全部使って一斉にイベントを開いても楽しい」などとアイデアを列挙しました。その上で、「みんなでアイデアを持ち寄り、街の中にたくさん楽しい場所が増えると、日野市が今よりもっと住みたくなる街になる」などと強調しています。
根目沢さんの話
地区センターを回ってみると、大変なことがいろいろありました。まず予約が必要で、センターの予約場所に2、3回と行くのは大変でしたし、実際に訪れた各センターは暗くて怖くて、玄関前で勇気を振り絞ってビクビクしながら回っていました。怖すぎて入れない時は、予約を取り直して、再度友人に一緒に行ってもらったこともあります。
玄関の鍵が閉まらない、予約票がない…地区センター巡りでハプニングは日常茶飯事。でも、今はいい思い出です。地区センターを通して、日野の方の温かさや普段見ない日野を見ることができた気がします。