2023年度「JISSEN Student’s Reflection Award」最終選考会?表彰式を開催しました(12/16)
第2回目となる「JISSEN Student’s Reflection Award」の最終選考会および表彰式を12月16日(土)、渋谷キャンパスで開催しました。「JISSEN Student’s Reflection Award」は、学生のリフレクションの習慣化と言語化を支援する取り組みとして、昨年度より始まった新たな奨学金制度です。最終選考会では、エントリーした67名の中から一次審査を通過した学生9名が自ら作成したパワーポイント資料をもとにプレゼンテーションを行い、その後の審査で最優秀賞と審査員特別賞が決定しました。
「Jissen Student’s Reflection Award」とは?
本学では、入学前から卒業後まで、学生が自信を持ち、成長を実感できる学びの時間を提供することを目標とした学生支援システム「J-TAS(Jissen Total Advanced Support)」を2019年4月より導入しています。このJ-TAS体制の構築とともに始まった本学のキャリア形成支援改革は、現在第二期に突入。アクション総量の増加を目指す方針のもと、低学年からのキャリア支援も強化しており、その成果は2022年度実就職率94.7%という数字に表れています。この流れを受け、学生のリフレクションの習慣化と言語化を支援し、学生に自己成長を実感する機会を提供する取り組みとして昨年度より始まった新たな奨学金制度が「JISSEN Student’s Reflection Award」(以下、JSRA)です。
JSRAの対象は、大学および短大の2年生。渋谷キャンパスで行われた最終選考会には、一次審査を通過した学生たちと審査委員(難波雅紀学長、槙究副学長、広井多鶴子学生総合支援センター長、上原信幸学生総合支援センター副センター長、外部有識者としてサイボウズ株式会社執行役員の林忠正氏)が参加し、最終選考会および表彰式を執り行いました。
まずは、審査委員長である難波雅紀学長の挨拶から始まったこの日の最終選考会。難波学長は、「JSRAの目的は、学生生活を振り返り成長を言語化し、自身の成長をより強く実感すること。評価のポイントは経験の大小ではなく、あくまでも言語化する力。些細なことでも、自分が工夫したことや意識的に取り組んだことを言葉にできているかという点を評価する」と、JSRAの目的に触れました。
続いて、最終選考に残った学生がこれまでの授業や課外活動などを振り返り、自身の成長体験を発表しました。その後、審査委員および発表を行った学生たちは、「分かりやすく説明できているか」「資料は見やすく、理解しやすいか」「気付きや学びに深みがあり、成長を感じられる内容か」という3項目について1から10までの10段階で評価を実施。最も合計点の高かった人間社会学部現代社会学科2年の戸川紗希さんが最優秀賞、審査委員の評価が高かった生活科学部生活文化学科幼児保育専攻2年の宇津木琴葉さんが審査員特別賞に選ばれ、2人には表彰式で難波学長より表彰状が手渡されました。
戸川さんと宇津木さん、最終選考会に参加した学生には、今後の活動を支援するための奨学金が支給されます。
【最優秀賞】「目標の1.5倍売り上げたカンボジアでの日本のスイーツ販売」
最優秀賞を獲得したのは、人間社会学部現代社会学科2年の戸川紗希さん。カンボジアの首都プノンペンで屋台経営に挑戦する、実践型の海外インターンシップ「サムライカレープロジェクト」に参加した経験を振り返りました。
販売するメニューや価格の決定から、調理、プロモーション、販売に至る一連のビジネスをグループに分かれて運営するというこのプロジェクト。戸川さんのグループは、抹茶と大福、フルーツサンドを販売し、3日間で200ドル売り上げるという目標を設定しました。しかし、カンボジアの人は大福になじみがなく、中身が分からない見た目から敬遠する人も多かったとのこと。そこで戸川さんたちが考えたのが、大福の中身であるイチゴを前面に押し出すことでした。イチゴはカンボジアで人気のため、「日本のイチゴのスイーツ」という言葉で呼び掛けを行い、大福の断面図とクメール語での説明を載せたPRボードも作成。その結果、大福に興味を示す人が大幅に増えたといいます。さらに、大福を入れたパッケージに、クメール語や英語で「Thank you!」などのメッセージを手書きし、コミュニケーションのきっかけを作るという工夫も。結果的に、戸川さんのチームは目標の200ドルを大幅に上回る339.25ドルの売上を達成しました。
その中で戸川さんは、売上管理やPRボードなどの装飾のほか、チーム全体を俯瞰して不足している部分を補う役割を担当。良いものを提供するためには否定的な意見も必要だと考え、「外側から中身が見えない大福には惹かれる要素がない」「大福の中に入れるフルーツは複数用意せずにイチゴに絞るべき」といった指摘をしたと話しました。
これらの経験から、異なる文化を理解して好みや興味を探り、相手が求めるものを作ることの重要さに気付いたという戸川さん。問題点の指摘など、時には言いにくいことを伝える強さを持つことも必要だと学んだと語り、プレゼンを締めくくりました。
子どもと関わるボランティア活動や留学の経験について発表した学生も
審査員特別賞を受賞したのは、生活科学部生活文化学科幼児保育専攻2年の宇津木琴葉さん。現代生活学科須賀ゼミによる日野市と新潟県十日町市をつなぐ活動で、子どもと関わるボランティアや農村体験に取り組んだ経験について語りました。大学での学びをボランティア活動で実践し、子どもが自由に表現できる環境づくりや子どもとのコミュニケーションについて知見を深めることができたという宇津木さん。「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」という保育指針の5領域を、これまでとは違った観点から考察できたと話しました。
最優秀賞、審査員特別賞を受賞した2名以外の学生も、それぞれがこれまでの印象的な活動について