国立天文台編
理科年表
丸善、2010
専門科目「生活気候学」では「理科年表」の出番は多い。父の日が近づけば、これをプレゼントしてはどうかと私は学生に薦める。ただし本年は年末まで待ち、平成24年版を求めるのがよい。理由は二つある。ひとつは平年値(過去30年間の統計値)が「1971?2000年」から「1981?2010年」に更新される為である。他のひとつは、この春の大震災の記録が載っている方がよいと思う為である。
「理科年表」一冊が備えるパワーは、百科事典の一揃いと同等またはそれ以上である。歳月を経ても価値は損なわれない。データには白書が扱う統計につきものの雑味がない。長年にわたり定点観測された純粋な記録の集積である。軍事機密にも相当する。それが片手に乗ってしまう。簡易な装丁にて安価に提供する姿勢も好ましい。濃い蒸留酒を飲みながら頁をめくる。幸せの青い鳥なんぞ、どこにでも居るのだ。(K. Y.)