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生活環境を知るための文献

私が薦める一冊の本

水戸岡鋭治
ぼくは「つばめ」のデザイナー
講談社、2004

とにかく手にとってみよう

 この本は小学生高学年用に書かれた本である。従って字も大きく、漢字には全てルビが振ってある。1時間もあれば読み切ってしまうボリュームなのでほとんど苦にならない。むしろ装丁の美しさ、全ページに挿入されている著者のセンス溢れるイラストに魅了させられ、一気に読み切ってしまったというのが本音である。これまで、こんなに読みやすく美しい書物はあまり経験がない。「つばめ」誕生物語を通して、どちらかというと重くなりがちなデザインの「意義」や「こだわり」を穏やかに語る内容もさることながら、本自体のデザインにも著者の「こだわり」が十分表現されている。これぞデザイナーが書いた本と言える。大人でも十分楽しめる本であり、デザイナーを志す人やこれから将来の職業を考える人にも大いに参考になる一冊である。(T. T.)