? 一目見てピーンとわかること ?
ピクトグラムという用語を知らなくても、私たちは多くのピクトグラムなしで生活環境は成り立ちません。例えば、エレベータの「開く」「閉まる」「家電製品の電源スイッチ」などを絵を使ってわかりやすくしています。
日本では、1964年10月10日(昔の体育の日)に開催された東京オリンピックから、道路標識を中心にピクトグラムが導入されました。駅、道路、デパートの非常口など、何となく同じような絵(ピクトグラム)があります。
その起源はヨーロッパにあるといわれています。多くの民族や言語が異なる人々が生活しているヨーロッパでは、大量生産した工業製品の操作部に全ての言語を記載することが物理的に不可能でした。言語を使わず操作内容を直感的に伝達することを目的にピクトグラムはデザインされました。
例えば、ビデオデッキの停止ボタン ■ に代表されるような絵や道路標識などがあげられます。皆さんも、特に意識しなくても家電製品のスイッチを押したりするときに、ピクトグラムを認識して行動しているのです。
ピクトグラムには次の4点が求められます。
生活環境学科には、楽しい海外研修の機会もあります。見て、感じて、考えることは、自分たちの生活環境を省みるきっかけにもなります。
9月上旬にヨーロッパで行われた、国際人間工学会が協賛しているシンポジウムに行ってきました。
Fig.1をご覧ください。これは、パリからレンヌ(ジャンヌダルクが居た所)行きのフランスの新幹線(TGV)の車内にあるピクトグラムです。
何を意味しているのかわかりますか?
Fig.2をみれば、Fig.1の意図がわかりますね。なんだか心が和むピクトグラムですね。
漢字で「禁止」と表記しても、小さな子供さんには理解されませんし、海外からの旅行者もケータイの利用を遠慮して欲しい空間であることを、ピクトグラムならより多くの人にアピールできるわけです。
Fig.3をご覧ください。
一見、親子で手をつないではいけないところ?!
のように絵を直訳すると不可解ですが、Fig.4とあわせるとどのような街であるか、推察できますか?
ヨーロッパの道路には、自転車専用のレーンが多く見られます。歩行者が歩いていい歩道と、自転車が通るので歩行者の道路ではありません。という表示です。
外国人旅行者誘致活動が盛んになって来たこのごろ、身近なピクトグラムについて再考することがあるかも知れません。(T. S.)