書誌学を中心とした和古書、漢籍を中心とした1627点の集書。『蒙求官職考』、『唐官抄』、青木昆陽自筆稿本『明官略記』などの中国の官職制度関係資料があります。
奥村藤嗣は、明治大学図書館に勤務し、退職後の1972年から1982年の10年にわたり、実践女子短期大学の図書館学課程で教鞭をとり、その縁で、1983年本学短期大学図書館に、蔵書が寄贈されました。
奥村藤嗣(1903-1987)
明治大学図書館に1928年2月から1969年3月までの長きにわたり勤務し、司書長として、戦後の明治大学図書館の礎を築き、退職後は、実践女子短期大学の図書館学課程で教鞭をとりました。
日野キャンパス図書館
蔵書検索方法:和装本以外の単行書は本学の蔵書検索(OPAC)にて検索できます。
奥村文庫には、戦前期に刊行された図書館学や書誌学関係の図書が数多く所蔵されている。
珍しいところでは、明治から昭和にかけての国文学者?図書館学者?書誌学者である和田万吉博士(1865年-1934)が、1926年に行った「洋書目録法講義」の板書を書写した本がある。和田は、1897年から東京帝国大学図書館長を務め、現在の日本図書館協会に当たる日本文庫協会、文部省図書館講習所の設立に尽力したが、恐らくその図書館講習所で行った講義であると考えられる。
奥村がどのような経緯で書写本を入手したかを知る術はないが、職場(明治大学図書館)近辺にある神田神保町の古本街の散策で見つけたものなのだろう。
書写本の表紙には、タイトルとして「CATALOGUING OF EUROPEAN BOOK」、RECTURORとして「MANKICHI WADA」、書写年と考えられる「1926」がある。中身をざっと見た感じでは、講義の参考としたのは、本文に言及がある1904年に出版されたCharles A. Cutterの『Rules for a dictionary catalog』であるようだ。
本学の機関リポジトリに掲載するので、関心がある方は中身をお確かめください。