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2019年度

2019年度

 本研究所は、創立者下田歌子と実践女子学園の業績を顕彰するとともに、女性の社会的地位の向上に寄与することを目的とし、女性に関して学際的、総合的な研究を行う。また、本学の建学の精神をふまえ、現在?未来において女性たちがよりいきいきと活躍できる社会の構築を目指し、それに資する施策?思想を広く社会に発信していくことを事業の柱とする。

1.下田歌子の業績ならびに学園の歴史に関する調査研究と資料の収集、管理
①下田歌子の著作及び学園史資料のデジタル化事業

 現在、下田歌子の著作は絶版となっており、学生、生徒、一般の人が下田の著作、言葉に触れる機会が得られない現状に鑑み、重要性の高いものから、その著作のデジタル化を行う。

②研究会の開催
 下田歌子の思想や事績、本学の歴史や女子教育をめぐる課題等、本研究所の趣旨に合致した研究会や調査を行う。また、下田が教育活動を行った場所を訪問し、資料の掘り起こしを行うとともに、現地の方々との連携を図る。

③出版事業
 2018(平成30)年度に新編下田歌子著作集 第4巻『結婚要訣』を刊行したが、2019(平成31)年度は第5巻『良妻と賢母』を刊行し、下田及び学園に関する広報を進める。

④下田歌子の事績研究?学園の歴史研究とその資料収集、アーカイブ化と「下田歌子電子図書館」の運営
 未だ明らかになっていない下田の事績や資料の収集、学園の歴史についての再検討を行う。また、これまでの収蔵品も含めてアーカイブ化を図り、同時に「下田歌子電子図書館」の運営を行う。

⑤下田歌子?学園資料の修復
 下田と学園の文献資料や収蔵品の修復?補修に順次年度計画を立て取り組む。

⑥自校教育へ積極的な参加
 例年夏に催される「学たび」に参加し、下田に関して講義を行う。また2019年度より開講される大学の共通教育科目「女性と教育」において、自校教育を行う。学科等から依頼があれば、「実践入門セミナー」でも、自校教育プログラムを担当する。

2.女性の社会的地位の向上や女性のあり方に関する学際的、総合的な研究
①現代の女性をめぐる課題に関する調査?研究

 女性のキャリア形成や社会進出、ジェンダー格差、男女共同参画など、現代の女性をめぐる課題に関して調査?研究を行う。

②学生のキャリア形成意欲を高めるための教育支援プログラムの実施
 社会の様々な分野で活躍する女性や本学の卒業生、教職員等を招いて学生向けの講演会や座談会を開催し、学生のキャリア形成意欲を育成する。

③男女共同参画社会の実現に向けた情報発信
 男女共同参画推進室と共同して、男女共同参画社会実現の重要性や方策を社会に発信する。

3.研究活動および成果の発信ならびに関連機関との連携事業
①講演会や展示の開催

 本学園と下田歌子に関する講演会や展示、女性の歴史や現在の課題に関する講演会を開催し、学園内外に対して積極的な発信?提言を行う。

②研究所の『年報』及び「ニューズレター」、『下田歌子小伝』の発行
 研究所の『年報』は、所員および投稿による論文、シンポジウム?講演会の記録、研究所の活動記録、新収資料報告等を掲載する。
 「研究所ニューズレター」は、4?12ページ程度のボリュームとし、年2回の発行を目指す。
 『下田歌子小伝』は、1982(昭和57)年度に実践女子学園で発行されたものを再編集する。

③関連機関との連携事業(地域連携)
 女性にかかわる諸種の課題に取り組んでいる機関(国立女性教育会館等)や他校の女子教育機関等との連携を図り、今後のさらなる事業展開を模索する。また、他機関との合同の研究会や講演会の開催も視野に入れる。

④創立120周年学園史の編集
 本学園は2019年5月に創立120周年を迎えるが、それにあたり創立100周年以降の学園史補遺版の編集を行う。