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2018年度

2018年度

 平成30年度、下田歌子研究所は「実践女子大学下田歌子研究所規程」(平成25年10月25日制定 平成29年12月20日改正 平成30年4月1日施行)第1条(目的)、第2条(事業)に則り、以下の事業を行う。

 本研究所は、創立者下田歌子と実践女子学園の業績を顕彰するとともに、女性の社会的地位の向上に寄与することを目的とし、女性に関して学際的、総合的な研究を行う。また、本学の建学の精神をふまえ、現在?未来において女性たちがよりいきいきと活躍できる社会の構築を目指し、それに資する施策?思想を広く社会に発信していくことを事業の柱とする。

1.創立者下田歌子の業績ならびに学園の歴史に関する調査研究と資料の収集、管理
①下田歌子の著作及び学園史資料のデジタル化事業

 現在、下田歌子の著作は絶版となっており、学生、生徒、一般の人が下田の著作、言葉に触れる機会が得られない現状に鑑み、重要性の高いものから、その著作のデジタル化を行う。

②出版事業
 現在ほぼ絶版になっている下田歌子の著作のうち、特に現代社会?現代女子教育研究に資すると思われるものを『新編下田歌子著作集』として出版する。あわせて、学生?生徒向け副読本として自校教育に役立て、さらに出版に伴う下田及び学園の周知効果も狙う。

③下田歌子の事績研究?学園の歴史研究とその資料収集、アーカイブ化と「下田歌子電子図書館」の運営
 未だ明らかになっていない下田の事績や資料の収集、学園の歴史についての再検討を行う。
また、これまでの収蔵品も含めてアーカイブ化を図り、同時に「下田歌子電子図書館」運営を行う。

④下田歌子?学園資料の修復
 学園の文献資料の中には、かつて水をかぶり、現在板状のまま段ボール箱に眠っているものがあるため、これらの修復を行う。
 また、これまでの収蔵品の中でも補修が必要なものについては、順次、年度計画を立てて取り組む。

⑤自校教育へ積極的な参加
 例年夏に催される「学たび」に所員が参加し、下田歌子の事績についての講義を行う。また「実践入門セミナー」においては、依頼があれば、所長及び研究員が進んで自校教育プログラムを担当したい旨の表明を行う。

⑥創立120周年学園史補遺版の編集
 本学園は2019年に創立120周年を迎えるが、それにあたり創立100周年以降の学園史補遺版の編集を行う。

2.女性の社会的地位の向上や女性のあり方に関する学際的、総合的な研究
①現代の女性をめぐる課題に関する調査?研究を行う。

 女性のキャリア意識やキャリア形成、女子教育のあり方等、現代の女性をめぐる課題に関して調査研究を行う。

②キャリア形成に向けた学生の意欲を高めるための女性教育支援プログラムの開発
 社会の様々な分野で活躍する女性や本学の卒業生、教職員等を招いて学生向けの講演会や座談会を開催する。また、学生を引率して卒業生の職場を訪問する「OJプロジェクト」を実施し、学生のキャリア形成意欲を育成する。

③女性のキャリア形成の支援や男女共同参画社会の実現に寄与する。
 男女共同参画推進室と共同して、男女共同参画社会実現の重要性や方策を社会に発信する。

3.研究活動および成果の発信ならびに関連機関との連携事業
①講演会や展示の開催

 本学園と下田歌子に関する講演会や展示、女性の歴史や現在の課題に関する講演会を開催し(年2回程度)、学園内外に対して積極的な発信?提言を行う。

②研究会の開催
 所員を中心とし、また、その都度のテーマに相応しいゲストを迎えながら、研究会を定期的に開催する。テーマは、下田歌子の思想や事績、男女共同参画や女性?教育をめぐる諸種の話題等、本研究所の活動全般にかかわるものとする。また、岐阜県恵那市や新潟県、滋賀県等の下田が教育活動を行った場所でも下田関係資料の掘り起こしや実地踏査を行い、現地の方々との連携も図っていく。

③研究所の『年報』及び「ニューズレター」の発刊および発送
 研究所の『年報』は、所員および投稿による論文、シンポジウム?講演会の記録、研究所の活動記録、新収資料報告等を内容とする。
 「研究所ニューズレター」は、4?12ページ程度のボリュームとし、年2回の発刊を目指す。即時的かつ比較的柔らかい内容の掲載を想定する。

④関連機関との連携事業(地域連携)
 女性にかかわる諸種の課題に取り組んでいる機関(国立女性教育会館等)や他校の女子教育機関等との連携を図り、今後のさらなる事業展開を模索する。また、他機関との合同の研究会や講演会の開催も視野に入れる。