平成29年度、下田歌子研究所は「実践女子大学園下田歌子研究所規則」(平成25年10月25日制定 平成28年3月26日改正 平成28年4月1日施行)第1条(目的)、第2条(事業)に則り、以下の事業を行う。
本研究所は、下田歌子の建学の精神をふまえ、現在?未来において女性たちがよりいきいきと活躍できる社会の構築を目指し、それに資する施策?思想を広く社会に発信していくことを事業の柱とする。
下田歌子は明治の新たな時代にふさわしい女性の生き方を模索し、ひとびとに示そうとしたが、その思想?事績をあらためて学術的に検証し、同時に学園の歴史研究?調査をもあわせて進めることで、近?現代女子教育のあり方を再検討しながら、現代?未来の女性の生き方、女子教育のあり方等を考えていく。
1.男女共同参画社会の実現と女性のキャリア支援に関する調査?研究?提言
本研究所は、女性の多様なライフステージ全般を視野に、女性が元気に活躍することが出来る社会の実現を目指し、教育や支援に関する調査?研究を行う。
また、上記に関連させながら、女子教育のあり方に関する調査?研究を行う。
2.講演会の開催
上記の趣旨を踏まえて、講演会(年2回程度)を開催し、学園内外に対して積極的な発信?提言を行う。
3.研究会の開催
所員を中心とし、また、その都度のテーマに相応しいゲストを迎えながら、研究会を定期的に開催する。テーマは、男女共同参画や女性?教育をめぐる諸種の話題、下田歌子の思想や事績等、本研究所の活動全般にかかわるものとする。また、岐阜県恵那市や新潟県、滋賀県等の下田が教育活動を行った場所でも下田関係資料の掘り起こしや実地踏査を行い、現地の方々との連携も図っていく。
4.『下田歌子研究所年報』及び「下田歌子研究所ニューズレター」の発刊および発送
『下田歌子研究所年報』は、所員および投稿による論文、シンポジウム?講演会の記録、研究所の活動記録、新収資料報告等を内容とする。
「下田歌子研究所ニューズレター」は、4?12ページ程度のボリュームとし、年2回の発刊を目指す。即時的かつ比較的柔らかい内容の掲載を想定する。
5.下田歌子の著作及び学園史資料のデジタル化事業
現在、下田歌子の著作は絶版となっており、学生、生徒、一般の人が下田の著作、言葉に触れる機会が得られない現状に鑑み、重要性の高いものから、その著作のデジタル化を行う。これを基礎に下田歌子の著作の復刊を目指したい。
6.出版事業
現在ほぼ絶版になっている下田歌子の著作のうち、特に現代社会?現代女子教育研究に資すると思われるものを『新編下田歌子著作集』として出版する。あわせて、学生?生徒向け副読本として自校教育に役立て、さらに出版に伴う下田及び学園の周知効果も狙う。
7.下田歌子の事績研究?学園の歴史研究とその資料収集、アーカイブ化と「下田歌子電子図書館」の運営
未だ明らかになっていない下田の事績や資料の収集、学園の歴史についての再検討を行う。
また、これまでの収蔵品も含めてアーカイブ化を図り、同時に「下田歌子電子図書館」運営を行う。
8.下田歌子?学園資料の修復
学園の文献資料の中には、かつて水をかぶり、現在板状のまま段ボール箱に眠っているものがあるため、これらの修復を行う。
また、これまでの収蔵品の中でも補修が必要なものについては、順次、年度計画を立てて取り組む。
9.関連機関との連携事業(地域連携)
女性にかかわる諸種の課題に取り組んでいる機関(国立女性教育会館等)や他校の女子教育機関等との連携を図り、今後のさらなる事業展開を模索する。また、他機関との合同の研究会や講演会の開催も視野に入れる。
10.自校教育へ積極的な参加
例年夏に催される「学たび」に所員が参加し、下田の事績についての講義を行う。また「実践入門セミナー」においては、依頼があれば、所長及び研究員が進んで自校教育プログラムを担当したい旨の表明を行う。
11. 創立120周年学園史補遺版の編集
本学園は2019年に創立120周年を迎えるが、それにあたり創立100周年以降の学園史補遺版の編集を行う。