出版社:ワールドプランニング
出版年:2009年5月
著者:日本建築学会編
ここ十数年の間、認知症ケアのパラダイムは大きく転換し、「ケアの向上にはよい環境が不可欠である」と認識されるようになりました。実際にグループホームやユニットケアなど新しい居住形態が登場するとともに、家庭的なしつらいや家具レイアウトなどのケア環境の改善に関する試みも広く実践されるようになってきました。
本書は、こうした実践について分かりやすく体系的に整理したものです。まず、認知症ケア環境の基本的な考え方(1章)を述べた上で、生活場面から見た認知症ケア環境のあり方(2章)について留意点を整理し、次に、介護現場で問題となる様々な症状?行動への環境的対処(3章)について、Q&Aの形式でまとめています。
(中略)
今後も認知症高齢者は増え続けると予測されており、ケアに関わる専門家だけでなく、地域のさまざまな人をも含めた理解や協力を得ながら、さらなる認知症ケア環境の向上と普及が求められています。そのための手掛かりとなる資料として、この認知症ケア環境事典をご活用いただけたら幸いです。
(「はじめに」より抜粋)
目次
(1)認知症ケア環境とは (2)認知症と環境適応 (3)居住形態:認知症の人のための生活の場の変遷から考える (4)認知症ケアのための施設環境改善の手法と実践
(1)交流?集まり (2)家事 (3)食事?喫茶 (4)就寝?起床 (5)入浴 (6)トイレ (7)洗面 (8)散歩?買い物
(1)外出欲求?帰宅欲求 (2)落ち着いていられない (3)他の入居者とのトラブル (4)不穏?妄想?拒否 (5)馴染み?適応?分かりやすさ (6)適応を生かすための環境 (7)排泄 (8)自己?安全
2003-2009, Space Design Laboratory, JISSEN Univ.